ケータイ Watch
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iPhoneのもうひとつのワンセグ

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 昨年12月31日、iPhone用のワンセグユニット「TV&バッテリー」が発売された。そちらはケータイ Watchにレビューが掲載されているので、興味があれば参照されたい。

 iPodとそのファミリーであるiPhoneには、サードパーティからさまざまな周辺機器が発売されている。iPod用のFMラジオチューナなんかもあるのだから、テレビチューナがあってもそれほど不思議ではないわけだが、まさか登場から半年も経たずiPhone向けのワンセグ機器が登場するとは思わなかった。グッジョブとしか言いようがない。

 しかし、実は「TV&バッテリー」がiPhone初のワンセグ機器というわけではない。昨年11月の段階で、マキエンタープライズのパソコン用ワンセグアダプタ「PCTV-hiwasa mini」がiPhoneに対応していた。直接iPhoneで使えるわけではないが、Macで録画したワンセグの番組をiPhone/iPod touchへダビング10準拠で転送し、視聴する機能がある。

 わたしは前モデルの「PCTV-hiwasa」をMacで使っていた。このPCTV-hiwasaシリーズ、個人的な印象だが、なかなかアグレッシブな製品である。やけにネットワーク機能が充実していて、録画番組や放送中の番組の視聴から録画予約までもネットワーク経由で別のマシンから行なえる。iPhone対応はこのネットワーク機能の一環というわけだ。

 わたしが持っている旧モデルも、視聴ソフト「OneTV」の有償バージョンアップでiPhoneに対応できたので、さっそく試してみることにした。

 使い方はいたってシンプルである。App Storeで提供されている専用アプリを立ち上げると、iPhone内に保存されている番組リストが表示される。番組を転送するときは、アプリが勝手にLAN上のMacへ接続するので、あとは好きな番組を転送指定するだけ。転送は無線LANを使うが、Macと同じLANにつながっていれば良いので、普段の設定のままで動作した。説明不要な簡単さである。

 転送した動画は、全画面表示で再生できる(Youtubeなどと同じホームボタン右側方向に固定)。視聴中に無線LANなどが使われないせいか、1時間くらい視聴してもバッテリは1割くらいしか減っていない印象だ。外出中のヒマつぶしなら、TV&バッテリーよりもPCTV-hiwasaシリーズのような録画視聴の方が適しているのではないか、とも思う。

 ただし、残念ながら利用上の制限事項も多い。とくにOSの制限とかで、一部の放送局や番組が非対応となっているのがツライところだ。Macのみというのも、人によっては手も足もでないだろう。放送中の番組を生で見られないのも欠点と言えば欠点だ。ついでに贅沢を言わせてもらえば、複数チャンネル同時録画や自動録画予約にも対応して欲しい。

 しかしダビングに制限のないアナログ放送ならともかく、デジタル放送の録画をiPhoneに転送できる製品は珍しい。一部の放送局が非対応、ということで、実用上まったく問題ないわけではないが、iPhone+Macでタイムシフト視聴環境を作るなら、ちょっと試す価値のある製品だ。

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