ケータイ Watch
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 iPhone 3GSとiPhone OS 3.0が発表された日、Watch編集部での仕事の後に話し込んでいたら、某氏が「iPhone 3GSの新機能って、ほとんどiPhone OS 3.0でできちゃうから、3Gから3GSに買い換えたときの感動って薄そうだよね」と言った。

 まさにその通りである。3GS発売に先駆けて公開されたiPhone OS 3.0により、iPhone 3Gにも多数の新機能が追加された。詳細は速報レビュー記事などで報じられている通りだが、「コピペ」や「MMS」、「Bluetooth強化」など渇望された機能が使えるようになっている。

 一方、iPhone 3GSでは処理速度は向上しているものの、やれることはiPhone 3Gと大差がなかったりする。発表済みの情報を見る限り、今後もiPhone 3GでiPhoneワールドを十分に堪能できそうだ。無理に3GSを買い換える必要性はそれほどないのかもしれない......。

 だが、それでもわたしは3GSを買うっ! 問答は無用であるっ!

 国内でのiPhone 3GSの販売は、昨年のiPhone 3G発売時の混乱で何かを学んだのか、事前予約を受け付けるようになった。予約開始当日、早朝までiPhone OS 3.0の速報記事を執筆していた筆者は、うかつにも布団の上で気を失ってしまい(というか寝てしまい)、ビックカメラ渋谷東口店にたどり着いたのは午前10時半と大幅に出遅れてしまった。がしかし、店頭に行列はなかった。

3GS01.jpg 店員に「予約したい」と伝えると、名前と電話番号を控えられ、「順番が来たらお呼びいたします」と言われた。しばらく時間をつぶし、連絡の電話を待った後に手続きカウンターに行くと、10分ほどで手続きが完了し、「当日××時に引き渡し手続きを行いますのでお越しください」となり、各種書類や予約票が手渡された。

 拍子抜けするほどあっさりしている。昨年のiPhone 3G発売時は大変な状態だったが、大幅に改善されている。訪れたこのビックカメラ渋谷東口店に関しては、徹底的に行列を作らない方針らしい。昨年もこの対応だったらどんなに良かっただろうか。

 この店舗では、予約手続き段階で、諸注意事項が伝えられた。iPhoneの場合は普通のケータイと異なるところも多く、さらにソフトバンク特有の「月月割」などのシステムもあるため、ここでけっこうな時間がかかる。この時間のかかるプロセスを、発売当日ではなく予約段階で行うというのも、ありがたい対応だ。

 筆者の場合、iPhone 3Gからの買い増しで、3GSの32GB(白)をポイント還元狙いの一括払いで購入することにした。価格は7万6320円。月月割は1920円が24回なので、本体の実質価格は3万240円とも言えるが、来年も同時期に新製品が出て買い換えると仮定するなら、適用される月月割は10回で、実質価格は5万7120円となる。また、今回の3GS購入時点で昨年のiPhone 3G購入時についた月月割も3万円近くが消える。

 やはり短期での買い増しは高くつく。2年前に発売されたの2G版iPhoneですら最新OSへのアップデートがサポートされるのだから、本来はもっと長く使うべきものなのだが......でも1年間みっちりiPhone 3Gを使った経験からすると、このくらいのコストをかけても「アリ」とすら思えてくる。3GSの発売が楽しみだ。少なくとも筆者は行列に並ばずに買えそうだし、表参道で開催される前夜祭にも参加できないかなぁ......。

 先日、仕事の帰り道、次週の大阪出張のための新幹線のチケットをまだ買っていないことを思い出した。ちょうどJRの駅を通るので、ついでにチケットを買って帰れば手間が省ける。しかし、それには次週の取材の場所や時間が正確にわからないといけない。

 iPhoneを使い始める前だと、こんなときは自宅に帰ってパソコンを立ち上げて取材の場所や時間を調べなければいけなかった。しかし今は、パソコンのメーラーもスケジューラーもiPhone(とMobileMe)とシンクロしてくれるものだから、自宅に帰ることなくたいていのことは確認できる。そのまま乗り換え検索もして、適当な新幹線のチケットを買って帰ることができた。

 最近はこのようにiPhoneでなんでも確認できてしまうので、「外出先でパソコンがないからわからない」ということが激減した。これはこれで非常に便利なのだが、仕事の情報をあらかたiPhoneから見られるようになってしまうと、セキュリティが気になってくる。いまiPhoneが盗まれたら、仕事・プライベートのメールを見られてしまうし、アドレス帳に登録されている多くの人に迷惑をかけるし、パソコンとシンクロしているSafariのマル秘ブックマークも流出してしまう。

iphone_shirane.jpg そんなことにならないために、iPhoneもロック解除の暗証番号(パスコード)を設定できる。暗証番号は4桁と多くはないが、暗証番号入力に10回以上失敗した場合、自動でデータを消去する設定も用意されている。

 データが消去されるというのは、なかなか勇気の要る選択肢にも思えるが、考えてみるとiPhoneの場合、これが意外と困らない。というのも、iPhoneはパソコンとつなげるたびにほとんどのデータがバックアップされるので、データが消えてもすぐに復帰できるからだ。アプリやiPodのデータ以外にいたっては、MobileMeなどで常時バックアップしている。

 ただ最大の問題は、暗証番号を入力するのが面倒、ということだ。4桁の数字入力が面倒というのもモノグサな話だが、iPhone依存度の高いわたしとしては、毎回暗証番号を入力するのはわずらわしく感じられる。そこで、画面スリープ後4時間で暗証番号入力を求めるように設定しているが、これだとあまり暗証番号の意味がない気もする。

 iPhoneは普段ズボンのポケットに入れているし、暇になるとすぐに取り出す癖がついてしまったから、紛失することはそうそうなさそうなのだけど。なんかこう、指定したBluetooth機器が近くにあるときは暗証番号入力をスキップするみたいな機能、追加されないかなぁ。