ケータイ Watch
みんなのケータイ

 auでは特に顕著だが、携帯電話のソフトウェアが「KCP」「KCP+」とプラットフォームとして整備されてきたことで、各機種ごとの操作性は多くの部分で共通化されている。どの機種を選んでも操作方法で迷うことが少なくなったのはメリットと感じているが、少なくとも中身については没個性化も進んでしまった、というのがもう一つの側面ではないだろうか。

myst.jpg さて、G9やS001などには、フォトビューアーやスライドショー機能、ブログアップ機能などが独自機能として搭載されているが、「MyStory」という少しユニークなライフログ・アプリも搭載されている。これは簡単に説明すると、最近メールや電話をした友人・知人を、自分を中心とした図の中に配置するというもの。頻繁に連絡をとる人ほど近くに表示され、それぞれのメールや通話履歴の推移も見られる。また、EZweb、アラーム、カメラなどの利用回数も表示され、頻繁に使っている機能が分かるようになっている。

 この「MyStory」アプリがもどかしいのは、毎日立ち上げて眺めても、変化に乏しいところだろうか。1日に利用する内容が反映されても、全体が置き換わるほどの変化は起こらないからだ。したがってこのアプリをもっとも楽しめるのは、逆説的だがこのアプリの存在を忘れた頃、ということになる。筆者は購入直後にチェックはしていたものの、しばらく存在を忘れていた。そして、久しぶりに起動してみたところ、本誌でもおなじみ、人生の大先輩でもある某氏にかわいらしい女の子のアイコンが付けられていて面食らったのだが(最初はランダムにアイコンが付く)、よく連絡をとっている友人との履歴やメール件数の推移などがグラフで表示され、普段はあまり意識しない、可視化された情報にちょっと感心してしまった。

 一方で、このアプリで注目すべきなのは、図の外周に位置している人たちではないだろうか。「3週間前にメール送信」「2カ月前に通話発信」などと表示されるのを見て、「もうそんなに連絡していなかったのか」「このあいだ久しぶりに連絡がきたと思ったけど、もう2カ月前のことか」などと、疎遠になっている人たちをしっかりと確認できるのだ(ただし、一度も連絡をしていない人は表示されない)。忙しい生活の中でも「久しぶりに連絡してみようか」と、コミュニケーションの本質や楽しさに立ち返ることができる、地味に心温まるアプリなのである。

 ボクは今、主に3台のケータイを使い分けている。この「みんなのケータイ」にレポートを書かせていただいているauのWoooケータイ H001はプライベート用。ドコモのP-01Aはビジネス用、そしてソフトバンクのiPhone 3GSがパソコン代用だ。使っていて最も楽しいのは新参のiPhoneだ。正直、楽しくてたまらない。なので、H001の3D機能を自慢する機会もめっきり減ってしまった。

 それでも、プライベートで使うケータイはやはりauじゃなきゃな、という思いはある。プライベートでの用途は、なんといってもメールが中心になる。飲み友だちのアドレスや、なんとなくアドレス交換しゃちゃった人のアドレスなどはauケータイだけに登録しているので、この端末のアドレス帳を見ると、自分がロクに仕事をしていない遊び人のようにも思えてくる。これって誰だっけ? というような妙なニックネームが並んでいたりするからだ。

h001_6.jpg auケータイのメール機能として私が最も気に入っているのが「なかよしボックス」だ。10個のフォルダが用意されており、それぞれに1件のメールアドレスが登録できる。そのアドレスから届いたメールと、そのアドレス宛に送ったメールが自動的に振り分けされるため、そのアドレスの主とのメールの往信履歴をまとめて確認できる機能だ。食事やパーティに誘われた際に、自分がいつどういう返事をしたかということをチェックしやすいのが利点だ。

 ボクがこれまでに使ったケータイの中で、他キャリアでこの機能が付いているのはパナソニック製だけではないかと思う(違っていたら、すみません)。パナソニックのケータイには「なかよしボックス」とは若干仕組みが違うが、指定したアドレスとのメールの送受信履歴を一覧できる機能がある。受信メールを開いたあとでサブメニューから「送信+受信メール」を選択すると一覧が表示される。

 個人的な感想ではあるが、やはり「なかよしボックス」のほうがシンプルで使い勝手がいいように思う。ただし、問題もある。「なかよし」に登録するのは、やはりそれなりの関係がある相手だったりすることがある。うっかり人に見られると「へぇ〜、このコと仲良しなんだ〜」「あたしの名前は入れてないんだ〜」なんてことにもなりかねない。

 そこで登録する名前にはひと工夫が必要。幸いなことに、「なかよしボックス」はアドレス帳にどういう名前で登録しているかは関係なく、フォルダごとに任意の名前を付けられるようになっている。さらにフォルダごとにロックがかけられる機能があるとうれしいのだが、残念ながら、メールは一括ブロックにしか対応していない。今後の改良に期待してもいいですか?

 あらかじめ書いておくと、タイトルにある「素朴な疑問」とは、もしかしたら誰も気が付かない、もしくは気が付いても気にもとめない疑問かもしれない。

 それに気が付いたのは早く、G9購入日の帰宅後だった。間接照明オンリーで"アーバンライフ"と揶揄を込めて称される筆者の部屋だが、実際のところはおびただしいまでの荷物などが文字通り山積しており、あえて照明を控えめにし、見たくないところは暗くするという視線誘導まがいの手法が実践されているだけなのである(現実逃避ともいう)。

 そんな常日頃から薄暗い筆者の部屋においては、手元の明かりをパソコンモニターのバックライトに頼ることもしばしば。G9を購入した日も、帰宅していつものようにパソコンモニターの前にG9を置いた。すると、ディスプレイ表面が怪しく赤紫に反射しているではないか! そしてそれを筆者はカッコイイと思ってしまった。スポーツ用のサングラスから戦闘機のキャノピー(操縦席の窓)まで、「色つきの反射」はいつも男心をくすぐるものだが、小粋なアイデアが光るG9のボディデザインに関心していた筆者は、なにか特別な効果を狙ったコーティングを施した結果にちがいない! と半ば強引に思い込んでいた。

 その後、赤紫に反射するのは、表面の透明なパネル全体の特性であること、手持ちの携帯の中で赤紫に反射するのはG9だけ、本体を斜めにしたときに起こる、そして、パソコンのディスプレイの光でのみ起こる現象らしい、ということが分かった。太陽や電球、蛍光灯では普通に反射するだけで、色が変わらないのである。

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 そうこうしているうちに、筆者は取材でiida第2弾「misora」の製品説明会に出席することになった。会場にはKDDI側のG9担当者もいたので、ここぞとばかりに前述の疑問をぶつけてみたところ、これが見事に玉砕した。「知りませんでした」「本当ですか」「別に特殊なことはしていないはずです」など夢破れる発言の数々をちょうだいし、説明会でプレゼンテーションに使ったパソコンの前で実演する事態にまで発展。なんとか変色反射現象が確認され、特殊なコーティングが施されているならば別途連絡をいただけるということで決着したのである。関係者の皆様、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。

 ケータイの中にある最も重要なデータと言えば、アドレス帳だろう。端末を壊してしまったときなどには、「あぁ、バックアップしておけばよかった......」と後悔するものだ。アドレス帳のバックアップが大切なのは分かっているけど、やろうと思うとなかなか面倒で、忘れがち。

 そんな方にオススメなのが、「au oneアドレス帳」の自動保存機能だ。auが提供するポータルサイト「au one」と連携し、端末のアドレス帳をサーバー上で預かってくれるサービスだ。端末のアドレス帳を編集した際に自動的にサーバー上のデータを更新する機能もある。

auoneaddressbook.jpg さらに、パソコンからau oneにログインすれば、アドレス帳データを編集することも可能。データをまとめてCSV形式でダウンロードすることもできるので、他キャリアの端末も含め、複数の端末を使い分けている人にとっても便利なサービスだ。普段からLISMOを使っているユーザーは、LISMO Port(au Music Port)でもアドレス帳のバックアップを行えるが、本誌読者のように日ごろからWebブラウザを使っているユーザーにとっては、非常にお手軽。

 「au oneアドレス帳」はEZwebを契約していれば誰でも無料で利用できるサービスなので(もちろんパケット料金はかかるが)、使ったことが無いという方はぜひ一度お試しを。

h001_yokomochi.jpg 縦に開くとフツーのケータイのように使えて、横に開くとワンセグを見たり、静止画や動画のプレーヤーとして使える2WAYスタイルのH001。だが、筆者はもうひとつのスタイルを導入して3WAYで使っている。そのスタイルとは自称"読書スタイル"。折りたたみ状態で縦向きに持ち、画面部を本を開くように横に開くというスタイルだ。要するに横開きで縦に持つだけなのだが、これがいろんな場面で重宝する。

 筆者はたまたま現在、ドコモのP-01Aも併用しているのだが、これも縦横どちらにも開ける2WAYスタイルの端末だ。P-01Aは横向きに開いたときは横専用の画面が表示されて、キー表示も切り替わる。H001も横開きにすると横専用の待受画面が表示されて決定キーを押すと横画面用のメニューが表示される。ただし、このスタイルで縦向き表示でも使うことができるのだ。メーカーが意図してそう設計したのかどうかは定かではないが、横開きでも縦開き時の操作が制約されないようになっている。

 電車内でケータイを見るとき、隣席からの視線が気になるものだ。メールを入力するとき、ウェブページを見るとき、撮影した画像をプレビューするとき......。最近の機種には「ベールビュー」という視野角を狭くして画面を斜めから見えにくくする機能があったり、その機能がなくても市販の偏光シールを貼ることで覗き見を防止できる。それでも画面を全開にしていると、ケータイの向きがちょっと変わるだけで見られてしまうのではないかと気になるものだ。

 この"読書スタイル"にしていると、ケータイを半開きで使うことでがき、左手でキーを操作しながら、周囲に覗かれることなく右画面でメールやウェブをチェックできるのだ。とくに右隣に誰かが座っているときに有効なのだが、左隣に座られても角度をちょっと変えるだけで完全にガードできる。それでも不安なら3Dボタンを押せば、ちょっと上向きか下向きにしないと文字が見づらくなるので、より安全度が高まる。

 筆者が外出時に見るウェブページといえば「mixiモバイル」「モバツイッター」(ケータイからTwitterを利用できるサービス)などプライベートな情報を含むサイトが多い。mixiの画面にやたら登場する電子コミックの刺激的なバナー広告に惹かれて、そのお試し版をダウンロード視聴しちゃうこともある。そんなときに"読書スタイル"が大いに助かるのだ。

 これって自分が便利だと思っているだけ? そこまでして、こそこそとケータイを使うヤツはいないか? という疑念があり、これまでこのブログにも雑誌記事にも書かずにいたのだが、先日、日立の開発担当者に会う機会があり、「実はこんなふうに使っているんですよ〜」と話してみた。すると担当者いわく「そういう使い方をしている人、結構いますよ」との回答を得た。メーカーの"お墨付き?"をいただいたということで、ユーザーのみなさんにも自信を持ってオススメしたい。