ケータイ Watch
みんなのケータイ

N97の最近のブログ記事

 Nokia N97は大画面ディスプレイとスライド式のフルキーボードを備えた結果、本体サイズは従来の携帯電話より一回りほど大きめになっている。もちろんこれでも片手で十分画面操作を行えるし、QWRETYキーボードのキーピッチも十分許容できる幅が確保されている。実際、N97の売れ行きは好調のようなのでサイズに対しての不満の声は出ていないようだ。

0911_01.jpg ところがNokiaからこのN97を一回り小さくしたマイナーチェンジ版である、N97 mini(写真左)が登場したのだ。N97 miniはN97のQWERTYキーボードから方向キーを無くすなどして小型化を実現した端末で、女性など手の小さいユーザーなどにより最適化されているそうだ。まさか見た目がそっくりな製品を2機種も出すとは思わなかったが、アジア人と西洋人でも手のひらのサイズは違うものだし、売れているN97をアジア市場向けにカスタマイズすればさらに大ヒット商品になるに違いない、とNokiaは考えたのかもしれない。

 N97 miniは正面から見ると本体デザインはあまり変わらないものの、背面はカメラカバーを無くし電池カバーも金属製のフラットなものにするなどよりすっきりした印象になっている。数値上はそれほど大きな差は見受けられないものの、手にもってみるとその差は歴然。N97が「手で持つ」という感覚なら、N97 minは「手に収まる」という感じだろうか。それほど変わらないようで本体サイズと形状、質感の差で大きな違いが出ているのだ。筆者の周りでも実際に数名のN97ユーザーがN97 miniに乗り換えたほどである。

0911_02.jpg 筆者は買い換えを考えていないが、携帯電話販売店に行くたびにN97 miniのモックアップと手持ちのN97を比較してばかりいる。香港では端末の中古売買も盛んであり、そうやって比較していると「今の端末を下取りするよ」と店員が声をかけてくることもしょっちゅうだ。そうなると財布の中身と相談しながら「そろそろ買い換えてもいいかなぁと」思ってしまう毎日なのである。

 Nokiaのスマートフォンも定期的にファームウェアがアップデートされており、PCと端末を接続した際、新しいファームウェアが存在するとアップグレードをお知らせしてくれるようになっている。N97も10月末にメジャーアップデート(V10.xx→V20.xx)が行われ使い勝手が大きく向上した。

n97fw.jpg 最大の変更点はこれまでは一部アプリの画面のみ対応していたキネティックスクロールがほぼ全画面に対応したこと。iPhoneのように画面上で指先を上下方向に滑らすと流れるようにスクロールする動きは指先だけで操作するフルタッチUIには今や必須のもの。N97もようやくフル対応したことは評価に値するアップデートといえるだろう。

 この他にもスピーカー音質の改善など細かいバグフィックスが行われており、購入時に比べて別物までとはいわないが全体的により使いやすいように改善されていると感じる。N97はNokiaの現時点での最上位端末だけに、かなり気合を入れて改善に取り組んだようだ。

 さてQWERTYキーボードも備え、タッチUIの完成度も高まったことで筆者にとってN97はますます使いやすい端末になったのだが、日常的に利用していて残念なのはWebサービスの対応が弱いことだ。FacebookやTwitterなどは各種クライアントアプリが提供されているが、DropboxやEvernoteなどビジネスで必須のサービスはいまだにWebブラウザでしか利用できない。アメリカ発のサービスはどうしてもアメリカ発のスマートフォンの対応が最優先となってしまうのだろうか。

 スマートフォンのメリットは豊富なアプリを利用できることだけではなく、Webサービスを最適化された画面で利用できること。現時点での不満点は唯一これだけなので、早く対応してもらいたいものだ。

 Nokia N97には購入時に多数のアプリがプリインストールされている。ノキアが開発したフルタッチ端末向けのアプリも多く、通常有料で販売されているアプリも無償で提供されているなどお得な気分になれる。まぁそれだけN97にかけるノキアの意気込みが高いということなのだろう。またサードパーティー製のアプリも同様にいくつかインストール済だ。もちろんアプリケーションストア「Ovi Store」を利用すればあとから自在にアプリを追加することも可能だが、最初からアプリがいろいろ入っているのもうれしものだ。

 ところで日本では最近、無線LANと携帯やPHS回線を内蔵した「Wi-Fiルーター」が増えている。ウィルコムの「どこでもWi-Fi」やNTTブロードバンドの「Personal Wireless Router」のようにバッテリー駆動で持ち運びできるルーターは外出中でも他の無線LAN搭載機器からいつでもインターネットアクセスができる便利な製品だ。同様の製品は海外でもすでに数種類が発売されているが、実は専用の製品を買わなくても無線LAN内蔵スマートフォンをそのままWi-Fiルーター化するアプリもある。

joikuspot.jpg N97のプリインストールアプリの中に入っている「Joiku Spot」もその一つで、このソフトを起動すればノートPCやポータブルゲーム機からN97経由でインターネットへアクセスすることが可能になる。Joiku Spotには無償の簡易機能版のLiteと有償のフル機能版であるPremiumがあるが、プリインストール版は後者で起動すると30日間トライアル利用ができる。

 使い方は簡単だ。Joiku Spotを起動してデータ通信の接続先を選択、するとN97がインターネット接続を開始する。画面には「JoikuSpot_XXXX」のようにアクセスポイント名が表示される。あとはノートPCなどから無線LANを検索すればN97の画面に表示されたのアクセスポイント名が見つかるので接続するだけ。電池の持ちは通常時より短くなるものの、普段利用している携帯電話がそのままWi-Fiルーターになる利便性は何よりも捨てがたい。無線LAN接続なのでケーブルは不要だしケーブルの繋がらない端末、たとえばiPhoneからN97経由でネットアクセスすることもできる。なお使用中もN97で通常通り電話の発着信も可能だ。

 日本から香港にやってきた友人がiPhoneを持っているときなどにも、筆者はこのN97+Joiku Spotを活用している。海外で現地で定額データ通信利用できるWi-Fiルーターは、現地生活だけではなく日本からの来訪者にもかなり便利なものなのだ。

090919_01.jpg フルタッチディスプレイとスライドキーボードを備えたNokia N97の文字入力方法は多彩だ。閉じたときはタッチパネル利用、スライドキーボードを引き出せば自動的にQWERTYキーボード入力となる。キーボードの各キーはクリック感こそ軽めだが、両手でN97をホールドしながら親指を使って快適に入力できる。

 タッチパネルを使った文字入力方法には、手書きとソフト10キーの2通りが用意されている。さらに手書きには「画面全面手書き」と「文字枠を使った手書き」の2つの方法が利用できる。手書き入力になぜ2通りの方法があるのだろうかと当初は思ったが、スタイラスペンで文字を書くときは文字枠を使ったほうが紙に直接文字を書く感覚ですらすらと入力できるし、指先で文字を書くときは画面全体を使って文字の細かい部分をしっかり書くことができるわけ。なるほど、人間側が指、スタイラス、キーボードと、複数の「入力デバイス」を使い分けるのであれば、文字入力方法も複数がサポートされるということなのだろう。

 ところで筆者の購入した「N97」は香港販売品で、当然のことながら中国語の手書き入力、すなわち漢字を手書きできる。ところがなぜか日本のひらがなやカタカナも手書き入力できてしまうのだ。海外で携帯電話を買っても日本語が利用できる端末は皆無に近い(例外はiPhoneくらいか)。N97もヨーロッパ版などは英文字しか入力できないが、香港やシンガポール版などの中国語対応バージョンであれば日本語が書けてしまうのである。

090919_02.jpg もっとも取扱説明書には日本語の書き方の説明などはなく、N97の日本語対応はメーカーサポート外のように思える。しかしNokiaは香港で以前発売したフルタッチ端末「Nokia 5800 XpressMusic」でも日本語手書き対応を大々的にアピールしていたこともある。N97も毎週末のように香港では販売キャンペーンが行われており、景品やらおまけやらカタログが配布されているが、キャンペーンスタッフから「日本語が書ける」との案内も良く聞かれる。すなわちN97の手書き日本語入力対応は片手間や偶々ではなく、日本人の知らないところできちんと開発が行われていたもののようだ。

 おかげでN97は海外に居住している筆者のメイン端末として毎日活躍してくれている。例えば日常的なメッセージの返事や電話帳登録などは長文を入力する必要がないため、手書きでサクサクと日本語が入力できる利便性は非常に高い。海外で困るのが「日本語の使えるケータイが無い」ことだが、iPhoneだけではなくN97も海外居住の日本人にお勧めしたくなる端末だ。
 Nokia N97を買って最初に試したかったもの、それはNokiaの開始したアプリケーションストア「Ovi Store」だ。N97はOvi Storeがプリインストールされた最初のデバイスでもあり、タッチパネル操作に対応するアプリもさっそく多数登場している。

 AppleのiPhoneが人気の理由の一つは、豊富なアプリケーションが用意されていることに加え、簡単にダウンロード・インストールできる手軽さが受けていることだろう。Nokiaもアプリケーションの数では数年前からそれなりの規模になっており、たとえば海外のNokia/Symbianのレビューサイトとして有名な「All About Symbian」のアプリページを見ると、フリーソフトだけでも1000近くのアプリが登録されている。しかし端末から直接インストールするにしても、各アプリメーカーのサイトに個別にアクセスする必要があったり、パソコンでダウンロードしてインストールするしか方法がなかった。Nokiaも独自にDownloadというサービスを提供していたが、UIは使いやすいものとはいえなかったし。登録されているアプリの数もわずかだった。

090829_01.jpg こういった今までの状況も、Ovi Storeの開始でようやくiPhoneに追いついた格好になった。端末から直接手軽にアプリを探し、インストールするというiPhoneでは当たり前のことがNokia端末でも可能になったのだ。なお、Ovi Storeの利用にはアカウント登録が必要だが、N97本体からも登録できる。パソコンの無い環境でも利用でき、例えばN97を買ったその場ですぐにOvi Storeを利用できるのは便利。またOvi Storeは利用中の端末に対応したアプリだけが表示されるため、N97のような新しいプラットフォームを採用した端末に特化したアプリも、優先的に表示される。さっそくタッチ操作対応アプリを探してみたところ、すでに100種類以上が用意されていた。このあたりはさすがシェア1位のNokia、アプリメーカーの対応も早いようだ。ちなみに日本製のゲームも、いくつかが対応している。

 さて、アプリの数が多すぎて探すのが大変だと感じたなら、Ovi Storeのパソコン版にアクセスし、パソコンの大画面上でアプリを検索できるのも便利なところ。パソコン上でアプリを見つけたら「端末に送信」ボタンを押せばばよい。あとはN97にSMSが送信されるので、開けばOvi Storeのアプリインストール先URLにアクセスできるのだ。仕事の合間でも、Ovi Store WEBを開きいくつかアプリ情報をN97に送信し、後で休憩時間にインストール、なんてこともできてしまうわけで、これも結構便利な使い方である。Ovi Storeを使ってみると、Nokiaが本気でアプリストアに力を入れていることが感じられるのだ。
yamane1.jpg
yamane2.jpg
 海外でもこの夏話題の製品は、iPhone 3GSであることは間違いない。しかしiPhoneにも負けじと話題になっている製品がある。その1つがNokiaのフラッグシップモデル、N97だ。筆者の居住する香港ではiPhoneよりもN97の広告が圧倒的に多いほどで、毎週末のように繁華街では販売イベントが行われていた。売れ行きも好調のようで、街中で実機を持っている人もよく見かける。

 N97の主なスペックは、640×360ピクセルのフルタッチディスプレイ、スライド式フルキーボード、内蔵32GBメモリ+micorSDカードスロットで最大48GBメモリ搭載可能、5メガピクセルカメラ、待受画面のオンラインウィジェット、Nokiaのアプリケーションストア「Ovi Store」標準対応など。Nokiaが社運をかけているかのごとく、他社のハイエンド端末にも負けないだけの高い機能を搭載している。

 また、本体背面は表面がつや消し塗装で、指紋の跡がつかない落ち着いた仕上がりだ。Nokiaの本格的なフルタッチ端末は昨年冬に登場した5800 XpressMusicだが、カジュアルな音楽ケータイということもありプラスチックの質感が強いものだった。フルタッチ第2弾のN97は質感も上品になり、機能だけではなく外見もフラッグシップ端末に相応しいものになっている。

 さてフルタッチ端末は画面タッチの感度が使い勝手を大きく左右するものだ。N97のタッチ機構は感圧式だが感度はかなりよくなっており、iPhoneまでとはいかないもののストレス無く操作できる。そしてスライド式のキーボードは動きがスムース、しかも開いたときにぴたりと止まる。さらに止まる時には心地よい音がするのだ。これって機能には直接関係ないけど、モノとして重要な要素の一つだったりするんじゃないだろうか?

 これまでもNokiaのスマートフォンはマルチメディアやビジネス用途に優れた製品が多かったが、このN97は「Web端末」としての機能が大幅に向上している。機能で紹介した「オンラインウィジェット」はその一例だ。待受画面上でメールやFacebookの新着、天気予報などがリアルタイム配信されるなど「常時ネット接続」を前提とした機能が盛り込まれている。単体機能だけではなくWebサービスとの連携など、N97をこれからじっくりと使い込んで行きたいと思う。