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P5080005.JPG 行動支援型サービスとして注目を集めたドコモのiコンシェル。サービス開始から利用者も順調に伸び、4月11日の時点で100万契約を突破した。筆者が利用中のN-04Aにもiコンシェルが搭載されており、新サービスを試すため、色々なコンテンツを登録している。例えば、待受画面に情報が届く「インフォメーション」だと、鉄道運行情報は上限いっぱいまで登録し、気象情報やイベント情報などまで、ほぼ全てを「受信する」に設定した。「カレンダー」や「トルカ」も、気になったものを次々と試している。

 ただ、現状ではほかの執筆者の方も述べているように、届く情報が玉石混合になっている印象を受ける。取材や打ち合わせなどで都内のさまざまな場所へ出かけることが多いため、鉄道運行情報は利用する可能性の高い路線を全て設定したが、外出のない日にはかえってその情報が邪魔になることがある。スケジューラーに登録したイベント情報もそうで、「これだ」と思えるものに出会える可能性は低い。カレンダーの映画情報は、地域や内容を設定できないため、全ジャンルの上映情報が一斉に送られてきてしまい、結局サイトにアクセスするのとあまり変わらない。

 「執事」を名乗るからには(ただし、筆者はN-04Aデフォルトの忍者に設定しているが)、もう少し生活に密着した情報がほしいところだ。ゴミ出しのサジェストや、クリーニングの仕上がりのお知らせ、スーパーのタイムセールの告知、レンタルDVDの貸し出し情報などなど、iコンシェル向きのコンテンツは意外ともっと身近なところにあるのかもしれない。N-04Aに関して言えば、せっかく用意した「amadana channel」でiコンシェルを利用しないのは、もったいない気がする。もちろん、ドコモではこうしたユーザーの声にしっかり耳を傾けており、「冬からは位置情報と連動した機能拡充をやっていく」(山田隆持社長)と述べている。地域コンテンツの充実も図るというため、今後の展開には要注目だ。

 一方で、ユーザーインターフェイスにも改善の余地がある。筆者が最も不便に感じているのは、音楽時のインフォメーションだ。音楽再生中にインフォメーションを受信すると、再生が中断されてしまう。まるで執事が無理やりイヤホンを引っこ抜いて「緊急事態です」と駆け寄ってくるようだが、重要な情報だったためしはほとんどない。設定している鉄道運行情報が多いせいで、特に朝はかなりの頻度でインフォメーションを受信する。風が強く、ダイヤに乱れが生じやすい日などは、数歩進むたびに音楽がストップしてしまうことも。首都圏の鉄道は相互に乗り入れているため、インフォメーションが重複してしまい、このような事態が起こるようだ。ほかにも、スケジューラーの使い勝手や、iチャネルとの住み分けなどが、課題と言えるだろう。

 このようにまだまだ不満はあるものの、プラットフォームとしてのiコンシェルの将来性は、高く評価している。同じ考えのユーザーが多いからこそ、iチャネルを超える勢いで契約者数が伸びているのだろう。サービス開始時点と比べコンテンツ一覧のページが見やすくなったり、「ひつじのしつじ」がちょっとだけ成長したりと、着実に進化している点も好印象だ。ネットワーク側での処理が多いサービスだけに、今後も、ぜひ既存ユーザーへのフォローも忘れないでほしい。現行モデルはもちろん、今後発表される夏モデルでも、冬にパワーアップするiコンシェルが使えることを期待している。