ケータイ Watch
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 実は、これまで扱っていた「P-01A」と同時に「N-01A」を使っていました。理由は、「まったくの新しいスタイルであるため、何かと戸惑うことが多かったN-01Aだけど、独特の使い勝手にも少しずつ慣れてきた」という経緯を法林さんから漏れ聞いていたから。そんな機種なら自分でも体験してみなきゃ、と思って使ってみたわけです。

 「N-01A」の最大の特徴は、使用場面に応じて本体が3つのスタイルに変化すること。デフォルト状態の「タッチスタイル」、その状態からディスプレーを90度回転させた「シェアスタイル」、さらにディスプレーを90度回転させた「コミュニケーションスタイル」と3つです。

 「タッチスタイル」は、待受状態でも直接画面を触れて操作ができますよ、という提案。「シェアスタイル」は、ワンセグ、フルブラウザー、カメラなど画面をヨコ位置にしたときに親和性の高いマルチメディア系のコンテンツを楽しむことを想定したスタイル。ヨコ位置の画面を2分割し、複数のコンテンツを同時に使えることも提案しています。「コミュニケーションスタイル」は、通話やメールなどを想定したスタイル。私は、もっとも利用頻度の多いスタイルですが、この状態にするまでにディスプレーを回転させるのが恐ろしく面倒。私は、「N-01A」に対する不満の多くは、この機構もしくはタッチ操作からみのことに集約されると思っています。逆にいうと、ここが改善されていれば、もっとポジティブに評価されてもいい機種ではないかと思っています。

n06a_hashimoto.jpg なので、上述の機構やタッチ操作からみのことが改良されているかな? と期待を込めて私は「N-06A」を使い始めてみました。結論からいうと、機構そしてタッチ操作に関する印象に変更はありません。ただ、ここで別の疑問も沸いてきます。NECのようにシェアも定評も持つメーカーの製品が、なぜ? という疑問です。何が言いたいのか、といえばスタイルチェンジやタッチによってNECが何を目指しているのか、なぜそれが伝わってこないのか、という疑問です。

 まず、私の理解が足りないのではないか、使い込みが足りないのではないか、このあたりから疑ってみることにしてみます。新しいスタイルなのだから、今までどおりの使い方だけでは違いがわからないですものね。

 あとスタイルチェンジやタッチ操作に注目が集まりがちですが、ケータイそのものとして進化しているところもたくさんあるはず。そのあたりもチェックしてみたいと思っています。

 その一例が文字入力。ご存じの方は多いと思いますが、いま自社で日本語変換ソフトを開発するメーカーはNECだけになってしまいました。他のメーカーは、ソフトベンダーから供給を受け、自社なりの工夫を加えるのみになっています。それ自体は悪いことだとは思いませんが、なぜNECが日本語入力を自社でやろうと考えているのか、このあたりは、とても興味深いテーマです。

 これは私の勝手な思いこみなのですが、インターネットとの親和性が高まるほど日本語入力の使いやすさは重要度を増してこないでしょうか。『iPhone 3GS』や『HT-03A』を使っていてそう感じるのです。メールをする、インターネットで情報を調べる、何かをメモする、検索をするなどの各種操作は日本語でコマンドを出すからかな、というのが理由かな? というのが私の仮説です。カメラやワンセグなどハードウェアで実現する機能が注目されていたころは外装、ボタン、画面のメニューなどがどんな風に設計/デザインされているかが使い勝手を左右していたように思います。が、『iPhone 3GS』や『HT-03A』のようなインターネットに浸りきりな機種では、言葉でコマンドを出す機会が増える。ゆえに日本語入力の重要性が増してくる。NECは、そうした世界も睨んで自社で日本語入力ソフトの開発を続けているのか? そんな風にも思えてくるのです。