ケータイ Watch
みんなのケータイ

isn.jpg ドコモは、夏モデルの一部からiモードブラウザを刷新。「SH-06A」がベースの「SH-06A NERV」にも、この新ブラウザが搭載されている。 インターフェイスの見直しや、読み込み容量の拡大などがあり、使い勝手は大幅に変わった。最初は少々戸惑ったが、やはりこういうものは慣れが肝心。購入から約3カ月経ったが、今では、普通に使いこなせている。そこで、今回はiモードの新ブラウザで個人的によく利用する機能を紹介していきたい。

 なかでもありがたいのは、1ページの読み込みサイズが500KBになったこと。例えば、先日ケータイ版をオープンしたTwitterには、パソコン用サイトへのリンクが張られた“つぶやき”も多いが、クライアントなどを使わなければ、直接そのページにつながってしまう。これは、「2ちゃんねる」などのサイトでも同様だ。iモードブラウザとはいえブラウザには違いなく、アクセス自体はできるが、今までの機種だと、見たかった画像が半分ぐらい表示されたところで「容量オーバー」という、なんともガッカリな結果になることがしばしばあった。

 そんなときはフルブラウザに切り替えるという手もあるが、やはり手順が増えるのは少々面倒。一方の新ブラウザなら、最大500KBまで読み込めるため、大抵のサイトは表示可能だ。もちろんレイアウトは大幅に崩れるが、文章と画像がしっかり読めるので、肝心な要旨はつかめる。また、サイトの容量が500KBを超えると、フルブラウザに切り替えるかどうかを確認するアラートが表示されるが、これもわざわざメニューを出して選択するより、シームレスで分かりやすい。

 「文字の範囲選択」も、ひそかに活用している機能の1つ。選択後に「コピー&ペースト」ができるのはもちろん、SH-06A NERVでは、辞書や検索に直接文字を送ることなども可能だ。先に挙げたTwitterを例に取ると、誰かがつぶやいた英単語を即座に訳したり、検索でつぶやきの背景を調べたりといった用途に使え、コミュニケーションに “深み”が加わる。ここまで見事な連携は、昨今のスマートフォンでもなかなか実現できていないだけに、iモードブラウザの売りとしてぜひ今後もブラッシュアップを続けてほしい。

 もちろん、この機種ならサイトのフォントもマティスの明朝になり、ヱヴァな雰囲気満点。見慣れたページも、ずいぶんと印象が変わるはずだ。新ブラウザと直接の関係はないが、文字が見やすく、なおかつ力強いため、とても気に入っている。

 残念ながら、開始早々、目玉の1つであったJavaScriptに不具合が発覚し、SH-06A NERVも、出荷時からこの機能が封印されていた。10月27日のソフトウェアアップデートでようやく復活することが発表されたのは既報のとおりだが、本稿が掲載される頃にはあれこれ試していることだろう。次回以降の『みんなのケータイ』では、ぜひこの辺りの使い勝手にも触れてみたい。
 世界各地に支部を持つNERVだけに(たまに実験に失敗して消滅してしまうが)、「SH-06A NERV」は当然、3GとGSMに両対応。音声通話なら、世界191の国や地域で利用できる。そんなわけで、9月末のシルバーウィークに、この端末を持って香港旅行に出かけた。国際ローミング対応端末ではすでに当たり前のことだが、現地のネットワークに自動でつながり、通話、メール、iモードは普通に使えた。香港は日本同様、HSDPAのネットワークがかなり整備されているため、通信は非常に快適。逆に、気をつけないと、国内感覚でケータイサイトを見すぎて通信料金がかさんでしまう。

 この旅行で大いに役立ったのが、「SH-06A NERV」のカメラ機能だ。ガイドブックに財布にパスポートにと、何かと荷物がかさばる海外旅行だが、この機種であれば、デジカメとケータイを1つにまとめて身軽になれると感じた。以下の写真を見れば分かるように、1000万画素CCDと画像処理エンジン「ProPix」のお陰で、仕上がりはケータイのカメラと思えないほど美しい。

 なお、以下の写真のリンク先はすべて無加工で2736×3648ドット(ISO感度を上げたものは1080×1920)、サイズが2~3MBと大きいため、リンク先の閲覧・ダウンロードにはご注意いただきたい。


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 CCDを採用し、最大でISO12800に対応しているため、暗所にも強い。夜景の撮影はケータイカメラの苦手分野だが、「SH-06A NERV」はほとんど光のない場所でも撮影できる(ただし、感度を上げるとその分ノイズも増える)。そこで、作例代わりに香港の夜景を撮影してみた。下の画像の上段は「ISO感度オート(~3200)」、下段は「ISO感度オート(~12800)」に設定したものだ。

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5.jpg どちらも看板の明かりがクッキリとしており、暗い建物まで精細に映し出しているが、より高感度な下段の方が若干ノイジーだ。光量が多めの夜景なら、そこまで感度を上げなくても十分と言えるだろう。ちなみに、「ISO感度オート(~12800)」を利用する場合は、あからじめサイズを「フルHD」以下にしておく必要がある。本音を言うと、ISO感度の設定に応じて、自動的にサイズを下げてもらえると楽なのだが……。次機種以降で、この辺りのユーザービリティが改善されていることに期待したい。

 ほかにも「長時間露光」に対応していたり、笑顔検出のレベルを設定できたり、選べるシーンの数が多彩だったりと、「SH-06A NERV」のカメラ機能はかゆいところにまで手が届く。最大2MBのファイルを添付できるドコモのメールで、美しい写真を美しいまま送れるのも魅力だ。自分はケータイカメラの撮影設定にはあまり凝らない方だが、ここまで充実していると、色々な組み合わせを試してみたくなる。その意味では、「SH-06A NERV」がちょっとだけライフスタイルを変えてくれたような気がしている。