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【2003 International CES】
SDカード型のIEEE 802.11b対応無線LANカードが登場

SyChip社のSDカード型無線LANカード「WLAN6060SD」。無線LAN経由での動画ストリーミング再生のデモがおこなわれていた
 2003 International CESでは、メモリースティックPROを発表したメモリースティック陣営に対抗すべく、SDメモリーカード陣営のSDパビリオンにも、さまざまな製品が展示されていた。

 その中でも注目の製品が、SyChip社が開発したSDカード型の無線LANカード「WLAN6060SD」である。WLAN6060SDのサイズはわずか24×50×2.1~3mmで、IEEE 802.11b対応無線LANカードとして世界最小を誇る。WLAN6060SDを利用するには、SDIOに対応したSDメモリーカードスロットが必要になるが、東芝のGENIO eやパームコンピューティングのm500/m505/m515など、SDIO対応スロットを装備したPDAも増えつつある。WLAN6060SDでは、無線チップセットとしてIntersil社のPRISM 3が採用されており、40bit/128bitWEPに対応する。消費電流が小さいことも特徴で、受信時、送信時、待機時の消費電流はそれぞれ、284mA、274mA、36mAである。WLAN6060SDは、2003年第1四半期の終わりに量産出荷が開始される予定で、価格は100ドル前後になるとのことだ。

 また、SyChip社では、組み込み向けの超小型無線LANモジュール「WLAN6060EB」も展示していた。WLAN6060EBを利用することによって、筐体のサイズに制限があるPDAやデジカメなどでも、無線LAN機能を容易に実現できるようになる。


BSQAURE社のWindows CE .NET端末のリファレンスデザイン「Power Handheld Reference Design」ベースの製品も、SDIO対応カードスロットを装備している 組み込み向けの超小型無線LANモジュール「WLAN6060EB」(銀色の正方形をした部分)

 SDパビリオンでは、ハギワラシスコムのSDIO対応コントローラ「HSDIOCBC48-01」やSDIO対応カード開発用キット「HS-SDDK-003」が展示されていた。こうした製品によって、SDIO対応機器の開発が容易にできるようになるため、SDIO対応製品がさらに増加することが期待される。


ハギワラシスコムのSDIO対応コントローラ「HSDIOCBC48-01」(子基板中央に実装されている黒い正方形のパーツ) ハギワラシスコムのSDIO対応カード開発キット「HS-SDDK-003」のデモ

2003年9月出荷予定の1GB SDメモリーカード。高画質のMPEG-4動画なら2時間分を記録することが可能
 SDメモリーカードの大容量化や高速化についても、最新のロードマップが公開された。SDメモリーカードは、すでに512MBの製品が広く出回っているが、1GBの製品も2003年9月(場合によっては遅れる可能性もある)に登場する予定とのことだ。また、SDメモリーカードの転送速度は、容量によって異なり、128MBまでの製品は最大2MB/sec、256MBと512MBの製品は最大10MB/secとなっているが、1GB以降の製品では、最大20MB/secの転送速度を実現するという(メモリースティックPROの転送速度も最大20MB/sec)。1GBのSDメモリーカードの価格はオープンプライスとのことだが、おそらく700~800ドル前後になるようだ。

 SDメモリーカード対応機器のコンセプトモデルについても、新しいものがいくつか展示されていた。その中でも、筆者が特に面白いと思ったのが、SD-HDD Pocket Serverと名付けられたコンセプトモデルである。SD-HDD Pocket Serverは、3つのSDメモリーカードスロット(そのうち2つはSDIO非対応で、1つはSDIO対応)と小型HDDを内蔵したデータストレージ機器であり、SDIO対応スロットにBluetoothカードなどを装着することで、PDAやデジタルカメラなどとの間で、データをワイヤレスでやりとりすることが可能になる。SDメモリーカードの内容をHDDにバックアップするだけでなく、2枚のSDメモリーカード間で、データの移動やコピーをおこなうこともできる。展示されていたのは、あくまでモックアップで、実際に動作していたわけではないが、SDメモリーカードを利用するデジタルカメラやオーディオプレーヤー、PDAなどと組み合わせることで、便利に使えそうだ。


SDメモリーカードの大容量化に関するロードマップ。今後は16GBまでの大容量化が想定されている SDメモリーカードの高速化に関するロードマップ。1GB品以降では、従来の2倍に転送速度が高速化される

SD-HDD Pocket Serverと名付けられたコンセプトモデル(モックアップ)。SDメモリーカードスロットを3基を装備しているほか、小型HDDを内蔵する 同じくSD-HDD Pocket Serverのモックアップ。こちらは縦型のデザインで、上部のSDメモリーカードスロットがSDIO対応となる

SDメモリーカードを利用する電子ブックリーダー「SD e-BOOK」の試作品。7インチの高精細低温ポリシリコンTFT液晶を搭載し、Bluetoothにも対応 SDメモリーカード対応の小型マルチメディアビューア「SD & Bluetooth Viewer」の試作品。4インチTFT液晶を搭載し、MPEG-4形式の動画などを再生可能。Bluetooth機能も装備

・ 2003 International CES(英文)
  http://www.cesweb.org/
・ SyChip(英文)
  http://www.sychip.com/
・ ハギワラシスコム
  http://www.hscjpn.co.jp/


(石井英男)
2003/01/14 13:33

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