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【第6回組込みシステム開発技術展】
KDDI研究所の浅見氏、「携帯電話はユビキタス時代のキーアイテム」

 7月9日〜11日の3日間、東京ビッグサイトで「第6回組込みシステム開発技術展(ESEC)」が開催されている。初日の9日は、「第6回組込みシステム開発技術 専門セミナー」も催され、KDDI研究所代表取締役所長・浅見 徹氏による「携帯電話の進化とユビキタスネットワーク」と題した講演が行なわれた。本誌では同セミナーについてレポートしていく。


auのデータ通信は秋に開始するEV-DOでさらにスピードアップ

KDDI研究所代表取締役所長・浅見 徹氏
 まず、講演の冒頭では、日本国内での携帯電話の普及過程に触れた。浅見氏は「1990年代後半から爆発的に普及した携帯電話・PHSのユーザーは現在約8,000万人。この水準は、2002年9月頃にほぼ達成しており、1億2,000万人という日本の総人口から考えると、普及段階は終了している」と語る。一方、1999年から開始されたiモードをはじめとする携帯電話を利用したインターネットアクセスサービスのユーザーは約5,800万人。浅見氏によれば、「まだ2,000万人ほどの伸びしろを残している」という。現在の状況として、インターネットアクセス機能やデータ通信機能、カメラ機能、GPS機能といった付加機能が搭載された携帯電話が主流になっているとした。

 データ通信ではその速度が、サービス開始当初の2.4kbpsから現在は最大144kbps(CDMA2000 1x)、もしくは最大384kbps(W-CDMA)になっているとし、ここ10年で100倍になったことを示した上で、KDDIとしては2003年秋に開始を予定しているEV-DOでさらにスピードを向上させていくと意欲を見せた。


ケータイは量的成長から質的成長へ

 付加機能を搭載した携帯電話が主流になったこと背景に、今後はこれまでの量的成長から質的成長に変わっていくという。同氏は、「長年通話をメインに利用されていた携帯電話が、最近になってインターネットやメール、データ通信が可能になり、そして今後はIPv6を利用して携帯端末自身がさまざまな機器とネットワークを結べるようになる」とし、携帯電話の進化に3つの方向性が示された。

 その1つは、搭載されたカメラを利用したリモート監視や、赤外線などによるリモコンとしての方向性。続いて、GPSなどによる位置情報の活用を挙げた。携帯電話からの映像発信やリモート監視は、プライバシー対策を講じる必要があるが、位置情報によるカーナビや人間をナビゲートする「ひとナビ」などと並び、「今後のユビキタス時代の中心的なコンテンツになる」としている。

 第3の方向性としては、端末が財布や定期替わりになることを挙げた。「手に持つものは、すべてケータイに収容していきたい。ただし、ケータイは多くの人が利用するものだから、高齢者も直感的に利用できるようなインターフェイスや、セキュアな仕組みを考えていく必要はある」とした。

 それらの普及の見通しについて、「実現にはIPv6やセキュアチップが不可欠。あくまで予想だが、2010年頃にはこうした方向性が実現されたユビキタス時代が到来するのでは」と語る一幕もあった。カメラの画像を他の端末へ送信するといった「人とモノ」の通信や、携帯端末自身がさまざまな機器とネットワークを結ぶという「モノとモノ」の通信が「今後のトレンド」だという。


今後は量的成長から質的成長へ 「人とモノ」や「モノとモノ」の通信が今後のトレンド

サービスが進化しても変わらず利用できることが大事

 同氏は、携帯電話の2Gサービスから3Gサービスへの移行を例に、「サービスが進化しても変わらず利用できることが大事」と語る。「古い端末を使っているユーザーが新しい端末を購入したとき、以前利用できた場所で利用できなくなるようではまずい。KDDIではcdmaOneからCDMA2000 1xへとサービスを進化させてきたが、CDMA2000 1xの提供当初は全国で高速データ通信サービスが利用できるわけではなかった。しかし、そうした地域でもCDMA2000 1x端末にcdmaOneとの互換性があったため、ユーザーが端末を利用できないということは少なかったのではないか。今後EV-DOなどを導入する際も、互換性を重要視していきたい」という。

 また、ユーザーの環境にも着目。「ユーザーがネットワークを活用する環境は広がっている。会社などのオフィス内ネットワークはもちろん、インターネット対応家電なども普及すれば家庭内ネットワークの活用比率も上がってくる。また、カーナビなどで自動車でのネットワークも利用されてきている。ユビキタスを実現するには、こうしたネットワークの差を感じさせず、例えば携帯電話1つでさまざまなネットワークにアクセスできるようにしなければならない」と提言した。


日本発ユビキタス社会の実現を

 浅見氏によれば、欧米が得意とするCPUチップやOSソフトの開発などに比べ、日本が優位にある携帯端末の開発や液晶技術、IPv6などはユビキタス社会の実現に向けて重要な分野だという。

 KDDIでは、ユビキタス社会の実現のために、IPv6やネットワークのシームレス化、セキュリティ・プライバシー対策、ユーザーインターフェイスなどを重点研究課題として、Mobile IPv6環境の実証実験「Mobile IPv6 Test bed」や、電子決済「Kei-Credit」、端末の設定なしに任意のネットワークにアクセスできる「Zero Administration」技術などの研究を実施しているとした。


手に持つものは、すべて携帯端末に収容していく 浅見氏によれば、「2010年頃にはユビキタス時代が到来する」という

日本の得意な携帯端末の開発や液晶技術、IPv6などはユビキタス社会の実現に向けて重要な分野 KDDIではさまざまな研究を実施しているという


URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/
  第6回組込みシステム開発技術展(ESEC)
  http://web.reedexpo.co.jp/ESEC/
  第6回組込みシステム開発技術 専門セミナー
  http://www.reedexpo.co.jp/ESEC/seminar_esec/


(鷹木 創)
2003/07/09 19:24

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