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【mobidec 2003】
ドコモ夏野氏、505iやiモードの現状を語る

NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長の夏野 剛氏
 8月28日、29日の2日間、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)および翔泳社主催による携帯電話関連のコンテンツ開発者向けイベント「mobidec 2003」が開催されている。28日のカンファレンスには、NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長の夏野 剛氏が登場し、「iモード進化論〜FOMAにつながるiモードの進化」と題した講演を行なった。


505iシリーズは現在270万台

夏野氏が「ゼイタク機能」と呼ぶカメラ機能だが、今後QRコード読み取り機能はFOMAや50Xiシリーズ全機種に搭載していくという
 壇上に立った夏野氏は、「新しいお知らせはないが、海外の展開を含めたiモードの現状を話したい」と前置きした上で、海外、特に欧州の携帯電話事情に比べると「海外の端末は、カラー液晶の搭載やJava、着信メロディの対応など形の上では日本と変わりない。だが、コンテンツ市場を見ると大きなマーケットには育っていない」と指摘。

 その原因を探るためとして、日本のiモード事情の紹介からスタートした。まず夏野氏は、同社の主力ラインナップである505iシリーズに触れ、「発売から3カ月経った505iシリーズは、現在約270万台に達した。他社端末に比べて価格も倍近いと思うが、それでも売れている」と語った。505iシリーズにはカメラが全機種に搭載されているが「基本的にカメラはユーザーが楽しむもの。しかしコンテンツプロバイダからのアプローチの道として、QRコードリーダー機能を搭載させ、次のFOMAにも全部載せる予定だ。リアルとの連動という点で面白くなるのではないか」と期待感を表わした。また、QRコード読み取り機能を備えた端末がどの程度の市場規模を形成するか、という点については「これまで50Xiシリーズはだいたい1,000万台は出荷している」と述べ、ビジネスチャンスの拡大が充分に見込めるとした。


505iが持つ新機能の意義

 続いて同氏は、miniSDカードやメモリースティックDuoなど外部メモリカードについて「ドコモにとって通信料が稼ぐことができず、意味がないのではないかと指摘される。しかしリアルとの連動という視点でも大切なことで、さらにユーザーの動向を見ると、撮影する人よりもiショットで送る人の方が少ない。撮ったものをいちいち送信せずとも、プリントするだけで充分と判断している。むしろ外部メモリカードをどんどん活用してもらって、新たなコンテンツの展開が出来れば良い」と述べ、余裕とも取れる見解を示した。

 このほか同氏は、F505iに搭載された指紋認証機能にも触れたが、「まずはユーザーに慣れてもらうこと。コンテンツ利用時の認証は、技術的に可能としても時期ではない。バイオ認証は注目されており、商用化されることで認識率など技術がどんどん進化する。個人的にも非常に期待している」と述べた。

 505iシリーズでは、さまざまな新機能、新サービスが導入されているが、夏野氏は「現在iモードを利用できるユーザーは、約3,936万人。数だけで言えば、中国のように海外でも大きな市場はあるが、iモードの場合は、9割がなんらかのサービスを利用するアクティブユーザー。欧州で端末が普及しながらもWAPが失敗したのは、コンテンツがなかったからであり、9割がアクティブユーザーという事実は、Flashにしろ、iアプリDXにしろ、使ってもらえるコンテンツを揃えられており、ポジティブフィードバックがうまく機能していることを示しているのだろう」と分析。

 さらに「基本的な戦略・ビジネスモデルは、JavaやFlashを取り入れた現在まで、501iシリーズの頃から変わっていない。インフラを整え、良いコンテンツが揃って多くのユーザーに使ってもらうという“ポジティブフィードバック”がそれだ。基本が変わっていないということは、コンテンツプロバイダにとってビジネスを構築しやすいことに加えて、ユーザーにとってもわかりやすさに繋がっているのではないか。iモードが大きくなるにつれて、従量制の課金制度や物販などさまざまなアイデアが出てくるが、他社を見ても成長しておらず、ユーザーに受け入れられていない。受け入れられる形を整えることが、コンテンツプロバイダの負担を減らし、ビジネスの成功をもたらす」と述べた。


撮影画像を送信するユーザーは、単に撮影だけするユーザーよりも少ないという かねてから夏野氏が主張している「ポジティブフィードバック」は、まだまだ有効な手段

505iの登場、経営的には嬉しいがユーザーには申し訳ない

 夏野氏は、過去数年間のARPUを示して、「音声は漸減傾向だが、全体としてはここ数年横ばい傾向だ。データ通信がまかなっているためで、新機種・新技術の投入は経営的には歓迎すべき結果を残しているが、ユーザーは“パケ死”してしまう。技術的にはまだまだいけるが、料金面で2Gはそろそろ限界ではないか」と述べ、今年度後半より投入するという新端末によって、FOMAの普及する要因が揃ってきているとした。

 このほか同氏は、たとえば503iシリーズでJavaを搭載したことで、従来の倍のパケット通信が行なわれるようになり、504iでさらに倍、505iはそれ以上になっているというデータを示して「これはコンテンツがきっちり使われているということ。これからも裏切らないようにiモードは頑張る」として、コンテンツプロバイダが安心してビジネスを展開できるとアピールした。


データ通信の成長が、ドコモのARPUを支えている

欧米はバリューチェーンのマネージメントがない

 ここまで505iシリーズの紹介を中心として、国内のiモードの現状を語ってきた夏野氏は、欧米の情勢について論点を移した。同氏は「端末のスペックやネットワーク、サーバー技術など1つ1つの要素は、日本と海外で差はない。iモードではそれらを密接に関連付けているが、欧米では全体を調整・管理する役割の存在がない。音声通信だけであれば、端末とネットワークを用意できればよかったが、マネージメントの不在が欧米でコンテンツ市場が拡大しない一番の理由ではないか。Vodafoneが昨年から提供しているVodafone live!は、日本のやり方を持っていった。これからは、日本の手法でやらざるを得ないだろう」と語った。

 また夏野氏は、市場規模についても分析し、「(日本の)iモードは、2003年3月の時点で、単月売上が約102億円。年間だと1,200億円だ。他の産業と比べれば小さい数字に見えるが、iモードは在庫や流通コストが一切ないため、実はかなり大きい規模と考えてよいだろう」とした。


日本と欧米でのバリューチェーンの比較 キャリア主導でバリューチェーンを調整・管理しなければならないという

iモード単月度の売上は、2003年3月時点で102億円

次のFOMAは全部入り

 今春以降、夏野氏はさまざまな場所で次世代FOMA端末について語ってきたが、今回の講演でも再び同様の内容を語った。同氏は「今のFOMA端末は、アプリケーション面を見れば504iレベル。今年度後半に出すFOMA端末は、505iでできることを全ていれる。また新しいサービス・技術は、FOMAから先に出したり、FOMAだけで提供したりするだろう。パケットパックを利用すれば、50Xiシリーズに比べて、通信料は5分の1程度になる。iモードからすればPDCもFOMAも関係ないが、来年度からFOMAはいよいよ普及段階に入る」と自信を見せた。

 同氏は、海外で展開しているiモードサービスにも触れ、「たとえば海外端末には、iモードボタンやページのスクロールボタンが存在しないなど、“コンテンツを利用する端末”という考え方が全くなかった。そこへ日本と同じように、キャリアが仕様を固めてメーカーから端末を提供してもらうというやり方を持ち込んだ。欧州版iモードのアクティブユーザーは、各国あわせて現在70万人。某社のサービスは、メッセージを送っただけでアクティブユーザーにカウントするが、iモードはコンテンツにお金を払っているユーザーだけをカウントしているため、単純に比較することができない。また各キャリアが抱えるユーザー数は約5,000万人を越えており、ドコモと同規模。潜在的な力は既にある」と述べ、時間はかかっても成功するだろうとした。

 最後に夏野氏は、2003年度の目標として「505i/505iSの導入」「FOMA新機種の導入」「海外版iモードの普及拡大」を掲げ、「日本という世界最先端の市場で培った技術で、2Gから3G、そして日本から海外へコンテンツプロバイダとともに頑張っていきたい」と述べ、講演を終了した。


夏野氏は、次のFOMAに大きな自信を見せた 海外版iモードのアクティブユーザーは、約70万人

505iSや次期FOMAの投入、海外版iモードの成長を目標として掲げた


URL
  mobidec 2003
  http://www.shoeisha.com/event/mobidec/
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/


(関口 聖)
2003/08/28 16:08

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