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【プレミアム・インセンティブショー秋2003】
D2C、タイトー、UID、モバイルプロモーションの現在を語る

 10月15~17日の3日間、販促グッズなどの見本市「プレミアム・インセンティブショー」が開催された。最終日となる17日、「モバイルを利用したセールプロモーションの変革~デジタル化の潮流がもたらすものは~」と題したパネルディスカッションが行なわれた。

 ディスカッションは、司会をモバイル・コンテンツフォーラム(MCF) 事務局長の岸原 孝昌氏が務め、パネラーとしてディーツー・コミュニケーションズ(D2C)営業統括部長の宝珠山 卓志氏、タイトー EW営業部部長 兼 SB営業部副部長の木村潤氏、ユーアイディー(UID)代表取締役社長の北村 勝利氏の3氏が登場し、モバイル活かしたプロモーション活動について意見を戦わせた。


3社のモバイル戦略を説明

モバイル・コンテンツフォーラム 事務局長の岸原 孝昌氏
 冒頭、MCFの岸原氏より、モバイルインターネットについての説明があった。同氏はスライドで国内の携帯電話所有者数を例に挙げ、「国内でこれだけ普及したメディアはなかったのではないか?」とコメント。携帯電話所有者のうち、8割以上がネット接続対応端末であるとした。

 また、NTTドコモがiモードを開始して以来、わずか4年でモバイルインターネットが急成長した背景に、プラットフォームの良さがあったとし、モバイルインターネットを利用した新しいプラットフォームが導入されるたびにコンテンツプロバイダー(CP)などが新しいサービスを展開し、ユーザーに新しいものを提供してきた点を挙げた。

 このほか同氏は、「一部のキャリアでは『話せりゃええやん』と銘打って携帯電話を提供しているが、すでに携帯電話がそれだけに留まらないものになっている」としており、ごく身近に24時間すぐにアクセスできるメディアがある点を説明。「1日あたりの利用時間は20分程度どテレビなどには及ばないものの、モバイルインターネットがテレビのような受動的なメディアではなく、能動的なメディア。パソコンのインターネットとも異なり、ユーザーは何かきっかけがあれば動く」ため、携帯電話ではターゲットを絞ったマーケティングが行なえるという。


モバイルの市場は4年で急成長 ユーザーの身近にいつも端末がある

タイトー EW営業部部長 兼 SB営業部副部長の木村 潤氏
 タイトーは今年で創業50周年、同社の大ヒットゲーム「スペースインベーダー」も25周年を迎えた。木村氏はCPとして「Java搭載端末が元気な点がタイトーにとっては追い風だ」とコンテンツビジネスが好調であるとした。しかし、モノクロ液晶からカラー液晶へ、カメラ搭載。Javaアプリ対応といった技術の進歩に伴なって、コンテンツの開発費がかさみ、1コンテンツあたりの利益は減少傾向にあるという。

 タイトーではこうした傾向を踏まえて海外にも目を向け、海外市場へ同社のコンテンツを提供。さらに「脱コンテンツ」として物販や、前述の「スペースインベーダー」のライセンスビジネスといった事業も展開し、コンテンツを利用したソリューション事業なども行なっている。木村氏は今後のモバイルの展開として、「ますますモバイルがマスメディア化し、テレビや新聞などの既存メディアと連動した企画が考えられる」とした。


技術の進歩で逆にコストがかさむ コンテンツを提供する形のビジネスモデル

ディーツー・コミュニケーションズ(D2C)営業統括部長の宝珠山 卓志氏
 次にD2Cの宝珠山氏が、同社のパブリシティー型iモードサイト「とくするメニュー」や、iモード上で展開する同社の広告メディアを説明した。

 D2Cでは、モバイルマーケティングを3つのブロックに分けて考えているという。まず最初の「プレアクセス」では、プッシュ・プル型のモバイル広告でサイトへユーザー誘導、続く「オンアクセス」でアプリやFlashなどのリッチコンテンツを提供する。最後の「ポストアクセス」で、アクセスデータや今後モバイルを活用するためのサービスを提供する。宝珠山氏によれば、ユーザーに疎まれない自然な広告を提供することが重要だという。


ユーアイディー代表取締役社長の北村 勝利氏
 最後に、UIDの北村氏が同社のモバイルの考え方を語った。

 北村氏はまず、「モバイルをレスポンスツールと捉えて会社を作った」と述べ、キャンペーンなどのプロモーション事業を手がける同社の姿勢を示した。同氏によれば、従来からあったテレビやラジオで周知してハガキで応募するタイプのキャンペーンから、パソコン向けのインターネットの普及により、ネット内で完結するキャンペーンが増えたという。しかし、モバイルインターネットの登場で、従来のテレビ・ラジオ周知型のキャンペーンに再びトレンドが移動し、現在ではハガキの変わりに携帯電話で空メール送信する、よりユーザーのアクションハードルの低いマーケティング手法が主流になっているようだ。

 なお、雑誌と連動した企画では、ハガキを使ったものよりも20倍近いアクションがあったという。


電車内広告とモバイルを連動 店頭でのクローズドキャンペーン

非接触IC搭載端末でモバイル販促は新展開へ

ディスカッションでは次々に意見が出された
 ディスカッションになるとまず、MCFの岸原氏がモバイルインターネット当初の印象についてパネラーに聞いた。これに対しD2Cの宝珠山氏は、携帯電話事業者が携帯電話以外のものを提供していることに疑問を感じていたと語った。しかし同氏は、iモードの登場で「(iモードサービスは)携帯電話の中に入っていくサービス。これはイケると思った」と、モバイルインターネットに当初から好意的だったとした。

 また、こうしたモバイルインターネットにとって重要なコンテンツについて、タイトーの木村氏は、「着メロには強いインパクトを受けた。サービス開始10カ月程で累計ユーザー数が100万を突破した。短期間に客がつく、これはマス化していくだろうと考えた」とした。また同氏は、コンテンツ数の増大に伴なう自社コンテンツの売り込み方について「実感としてはリアルビジネスと変わらない」との考えを示し、「キャリアのメニューに各社がコンテンツを出しているのは、リアル店舗にゲームが並んでいるのと同じ。目立つ位置にいかにいい商品を置くかが重要」とした。

 このほか、「ブランドの高いものはモバイルでも売れるのか?」との岸原氏の質問に対し、UIDの北村氏は、「マンションが半年で2戸売れた」ことを挙げ、折込みチラシとは異なるモバイルの利点を説明した。

 それによれば、折込みチラシでは資料請求する場合に電話やFAXを利用するか、パソコンを立ち上げる必要があるが、メールで資料請求するその手軽さが結果に繋がるとした。

 また、木村氏はモバイルインターネットで発見したこととして、車の待受画像を配信するサイトで、3年ほど前に当時苦戦していた日産が好調なトヨタ車よりも人気が高かった点を挙げた。このサイトで木村氏は、モバイルでユーザーの潜在的なニーズがわかるのではないかと考えたという。タイトーでは、現在QRコードに注目しており、POPなどの販促物にQRコード入れるなど社内的にもモバイルに注力していく方向で動いているという。

 ディスカッションではこのほか様々な事例や3社の見方が示されたが、今後携帯電話に非接触ICが搭載され携帯電話が財布代わりになることで、現在あまり拡大していない流通業などでのモバイルプロモーションに期待しているとの見解は一致しているようだ。最後に岸原氏は、「非接触ICでセールスプロモーションも変わっていくのではないか」として締めくくった。



URL
  ディーツー・コミュニケーションズ
  http://www.d2c.co.jp/
  ユーアイディー
  http://www.uid.co.jp/
  タイトー
  http://www.taito.co.jp/


(津田 啓夢)
2003/10/17 18:30

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