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【WIRELESS JAPAN 2004】
三洋電機壽氏、地デジ対応携帯電話を強力アピール

三洋電機 取締役 専務執行役員の壽 英司氏
 22日、WIRELESS JAPAN 2004のカンファレンスに登場した三洋電機 取締役 専務執行役員の壽 英司氏は、「携帯電話がテレビを変える ~携帯向け放送サービスの実現に向けて~」と題した講演を行なった。カンファレンスでは、現在開発中の地上デジタル放送対応携帯電話など、同社の今後の携帯電話事業の方向を指し示すものとなった。


三洋のこだわりは「今までにない新しい何か」

「今までにない新しい何かを」
 壽氏はまず、同社の売上げ構成のうち、携帯電話やテレビなどのAV・情報通信分野46.5%と非常に高い割合を占めており、コンシューマー向け製品が「三洋の顔」と表現した。こうした中で、携帯電話の国内加入者数が2004年5月末で約8,740万人となり、市場に停滞ムードがあるとした。これを受けて壽氏は、「これからはラジオやテレビなど、通信と放送機能の融合が必要になる。地上デジタル放送対応の携帯電話を8,000万人以上のユーザーが手にする時期は近い」と語った。

 ここで同氏は、三洋電機の携帯電話事業の歴史について触れ、1994年に初参入した時点では「1番遅れたメーカーだった」と述べた。そんな中で三洋電機が一貫してこだわり続けてきたことは、「今までにない新しい何かを携帯電話で実現すること」(壽氏)だという。2000年に発表したGLOBAL PASSPORT対応端末(au)や、FMラジオチューナー搭載端末(au)、骨伝導スピーカー搭載端末(ツーカー)などは、いずれもそうしたこだわりから生まれたモデルと言えるだろう。なお、同社はauで現在23%のシェアを獲得するトップメーカーとなっている。

 さらに、海外でも米スプリントなどに端末を供給しており、アメリカでは珍しい3色ラインナップで端末を投入するとこれが当たり、過去最高の受注台数となる330万台を達成したという。壽氏は、「アメリカでは端末の返品率高いが、三洋の端末は通常の3分の1程度と信頼を築いている」とアピールしていた。

 また、三洋では台湾や中国向けなどにPHS端末も供給している。中国では若干苦戦しているとのことだが、台湾で提供しているGSM/PHSのデュアル端末の認可が下りれば「爆発的にヒットするのではないか」(壽氏)と予測。このほか中国では基地局なども納入しており、金額シェアでトップ、台数シェアでは35%を獲得しているという。


三洋電機の売上構成 コンシューマー製品の主力商品売上

特長のある端末群 三洋電機の挑戦の歴史

PHS/GSMデュアル端末 中国市場で展開するPHS技術

地上デジタル放送対応携帯電話について明らかに

地上デジタル放送対応端末の特長
 次いで、壽氏は地上デジタル放送対応の携帯電話について言及した。同社では2003年に地上デジタル放送対応携帯電話の試作機を発表、同端末は、ダイバーシティアンテナを装備し、端末の内蔵メモリに番組の録画が可能としていた。

 テレビでの地上デジタル放送は欧米よりも出遅れている日本だが、携帯電話向けの地上デジタル放送は、サービスが開始されれば世界初になる。壽氏は「海外は日本の出方に注目している」と述べた。

 しかし、現在でも数社がアナログテレビ対応の携帯電話を発表しているが、壽氏はアナログテレビ放送については「どこもうまくいってない」と語り、その問題を指摘した。まず、現行のアナログ放送を携帯電話で受信してもノイズが多い。同氏は「音声であれば多少のノイズは我慢できるが、人間の目はなかなかノイズを我慢できない。また、消費電力が非常に大きいこともある」とした。

 この点、デジタル放送はノイズに強く、壽氏は「アナログの場合600mW、地デジの場合現状でも150mWになる」と、消費電力についても強みがある点をアピールした。なお、2005年とも2006年とも言われる携帯電話向け地上デジタル放送がスタートした時点では、さらに消費電力を下げ100mW以下で提供するという。

 同氏はここでユーザーアンケートを紹介し、テレビを見たいとする回答するユーザーが63%と非常に高い結果となったことを明らかにした。通勤や通学時に利用したいとの声が多く、これは、これまでテレビが視聴のデッドゾーンとなっていた時間帯だという。壽氏は、このため「放送局側からも非常に期待されている」と述べた。

 なお、三洋電機では現在フィールド実験も行なっており、壽氏はシングルアンテナを搭載した場合と、ダイバーシティアンテナを搭載した場合の地上デジタル放送の受信品質の差をビデオで紹介。実験環境ではシングルアンテナの方はブツブツと音声が途切れる印象だった。

 最後に同氏は、今後携帯電話向け地上デジタル放送が普及するためには、「受信可能エリアが重要になる」と述べた。本放送開始までにこうした問題をクリアし、三洋電機では、「ユーザーの期待を裏切らない放送を実現したい」という。同社では、本放送開始とともに端末を提供する予定だ。


携帯向け地上デジタル放送の特長 携帯向けアナログテレビの問題点

市場調査 サービスのイメージ

1セグメント放送について 現在の状況

小型で低消費電力がもっとも重要 今後の課題


URL
  三洋電機
  http://www.sanyo.co.jp/
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/

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三洋、携帯向け地上デジタル放送対応端末の試作機発表


(津田 啓夢)
2004/07/22 19:02

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