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【WIRELESS JAPAN 2004】
クアルコム、EV-DO Rev.Aなど新チップセットをアピール

クアルコムブース
 クアルコムのブースでは、auのCDMA 1X WINなどで導入されているEV-DOの次のステップとなるEV-DO Rev.Aや、BREW向けのソリューションなどが展示され、キャリアのブースのようなにぎわいを見せていた。


クアルコムのチップセットを搭載した国内外の端末群 EV-DOの次世代バージョンとなる「EV-DO Rev.A」

 今回紹介されていたEV-DO Rev.Aは、現在auのCDMA 1X WINのネットワークとして採用されている下り最大2.4Mbpsの高速通信が可能なEV-DOの次世代バージョン。最大ピークレートは、下りで3.1Mbps、上りで1.8Mbpsとなり、ハンドオーバーの精度が向上。クアルコムが来年中にも発表する予定の次世代チップセットMSM6800ベースの技術となる。

 ブーススタッフによれば、従来のEV-DOは、元々大きなデータを通信するために開発されているという。Rev.Aは、小さなデータを送受信することが想定されており、例えば、携帯電話向けのネットワークゲームなどで頻繁にパケット通信を行なう場合などに向いているとのこと。また、QoSをサポートし、特定の通信帯域を確保することが可能になったため、VoIPなどでも安定した通話が可能になるとのこと。

 なお、MSM6800のチップセットはワールドワイドで展開されるが、当面は日本や韓国などの高性能な端末で採用される見込み。採用されれば、2005年後半か2006年にはRev.Aをサポートした端末が登場する見込みだ。


LG電子の端末でQtvをデモンストレーション

MSM6550チップセット向けのフィルムケーブル
 また、ARMコアとチップセットのワンチップで滑らかな映像の動画撮影・再生が可能なQtvもデモンストレーションされていた。Qtvは、現在国内外のスタンダードな端末などで採用されており、国内ではMSM6100チップセットを搭載したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「A1402S」などで採用されている。

 チップセットによって、動画撮影・再生スペックは異なるが、Qtvの基本的な特長は、シングルチップでの滑らかな動画撮影・再生にある。このため、国内ではハイスペックな端末よりもむしろスタンダードな端末で採用されている。デモンストレーションを行なったLG電子の端末では、QCIFサイズで15fps、128kbpsにも対応している。端末メーカーは、マルチメディア用のチップを搭載することなく動画機能が利用可能なため、端末自体の薄型・低価格化が可能になる。

 このほか、液晶ディスプレイとチップセットを結ぶフィルム状のケーブルも次世代向けのものが展示されていた。チップセットをディスプレイを繋ぐためには、折りたたみ端末の場合、ヒンジを部分を通過しなければならない。今回のフィルムケーブルもそれは変わらないが、従来よりも伝送力が高まったために静止画のような美しい動画再生が可能になるという。この技術は、MSM6550チップセット以降に搭載される予定で、auの最新型WIN端末がMSM6500チップセットを採用していることを考慮すると、次の次ぐらいのWIN端末にはこうした技術が採用されてくるのかもしれない。

 クアルコムのブースでは、各社のBREW向けソリューションを紹介するコーナーも用意されていた。従来紹介されてきたクリーク・アンド・リバーや、ソフィア・クレイドルのソリューションのほか、スター・ゲームズがJavaからBREWへ自動変換するサービス「J2B トランスレータ」を紹介していた。

 「J2B トランスレータ」は、既存のJavaコンテンツをBREWコンテンツに自動変換するサービス。ドコモのDoJaや、auやボーダフォンのMIDPをサポートしており、Webベースでコンテンツを変換できる。今秋にもコンテンツプロバイダーなどに提供される見込み。

 従来JavaアプリをBREWアプリに変換する場合、プログラマーがBREW版をイチから開発する必要があったため、時間と人件費がかかった。「J2B トランスレータ」ではこの作業をコンピュータにまかせ、JavaのバイトコードをBREWのバイナリコードに自動変換する。現状ではBREW2.1をサポートしており、コンテンツプロバイダーの要望によって各種バージョンも用意できるとしている。

 会場スタッフは、「大幅に時間を短縮できる」とアピールしており、ブースを訪れたコンテンツプロバイダーの開発者が再び質問しに戻るといったこともあったという。スター・ゲームズ 代表取締役社長の曽根 広尚氏は、「コンテンツプロバイダーは、iアプリのコンテンツを1つ作るだけですぐにBREW版も提供できる」と語っていた。


スター・ゲームズのコーナー 開発コストを抑えられる「J2B トランスレータ」


URL
  クアルコム・ジャパン
  http://www.qualcomm.co.jp/
  スター・ゲームズ
  http://www.stargames.co.jp/
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/


(津田 啓夢)
2004/07/22 20:47

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