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【WIRELESS JAPAN 2004】
KDDI高橋氏、メディア志向の戦略をアピール

 WIRELESS JAPAN 2004の最終日となる23日、KDDI 執行役員 コンテンツ・メディア本部長 兼 メディアビジネス部長の高橋 誠氏が「KDDIのコンテンツ・メディア戦略」と題して講演を行なった。


好調なauのサービスをアピール

KDDI高橋氏
 高橋氏は講演の冒頭で「今日久しぶりに夏野さんの講演を聴いたんですが」と、直前の時間枠で行なわれたNTTドコモ夏野氏による講演について言及。「あんな感じで悪口を言われていると思うと、寂しいですね」と語り、会場の笑いを誘った。

 高橋氏はまず、KDDIの3Gサービスの状況を説明した。8月より開始するダブル定額について「4,200円という価格が障壁になっていることがわかったので、2,000円に値下げして間口を広げた」と説明。さらに端末については、「正直言って、去年のWINはKDDIの1番とはいえないもので、店頭でエクスキューズが必要なものだった」と昨年末に発売されたWIN端末がスペック不足だったことを認めつつ、「この夏にはWINの本格機が登場する。ダブル定額とあわせて、これらでこれからの戦いを戦い抜く」と語った。


WINについて。新端末3機種とダブル定額が今夏のトピックス auにおけるこれまでのコンテンツとネットワークの進化

 引き続き好調な着うたについては、累計ダウンロード数が7月に1億を突破したことを報告。「これに見合うコンテンツ購入とパケット通信があった。これは、これだけのビジネスを創出できたということ」と語り、着うたがビジネスとして成功したことをアピールした。一方で着うたと動画配信を比べ、「音楽というのはケータイで使うのにフォーマットを変換するだけで良い。しかし動画は再編集や切り出しが必要で、コンテンツとして成立しないので、音楽とは位置付けが違う。こういう点で、音楽はシームレスにケータイに入るのだな、と最近思う」とし、着うたという音楽を使ったサービスがケータイで成功しやすかった理由を述べた。また「フル楽曲ダウンロードについても報道されているが、著作権の問題で難しい」としつつも、「それでもチャレンジはしていく」と語った。


着うたのサービス状況 着うたの普及要因。「正のスパイラル」と表現

 EZナビウォークについては、「夏にもう1回バージョンアップして、よりわかりやすくなり、デザインの着せ替えができるようになる。既存のBREW端末のユーザーもアップデートで利用できる。夏のWIN端末ではQRコードにも対応した。QRコードで目的地を設定し道案内させられる。雑誌との連携も進んでいる。本当にCMでやっているとおりのことができる」と新機能を説明。さらに「このサービスは対応端末ユーザーの10%以上が加入している。これを最終的に30%くらいまで引き上げることができれば、名実ともにカーナビのような一度使うと手放せないようなサービスになる」と好調ぶりをアピールし、さらに「ドコモではGPSケータイをやらないというスタンスだが、こちらは2年半も続けたサービス。なかなか追いつけないだろう」と自信を示した。


EZナビウォークの進化。インターフェイスを着せ替えできる さらにEZナビウォークはQRコードにも対応する

 さらに高橋氏は非接触ICについても言及。「ドコモはFeliCaを開始したが、auとしても必ず追っかける。追っかけるというよりも、ついていく。FeliCaは店舗など相手側に設備が広がる必要がある。FeliCaについては1つのモデルができそうなので、auとしてもついていきたい」と、iモード FeliCaによって利用環境が整うことに期待していることを示唆した。


これからのauは「自主型メディア」と「コラボ型メディア」

 これからのケータイの進化の方向性については「ケータイを新しいメディアに育てていきたい」と説明。さらに「1つは自主型メディア。ポータルやEZチャンネルなどのプラットフォームを整備することでメディアとしての価値を高める。もう1つはコラボ型メディア。FMケータイや地上波デジタル放送など、ほかのメディアとコラボレーションできるようにする」と、2つの進化の方向性があるとの考えを示した。

 ポータルの整備については、夏モデルからEZwebのトップメニューがFlashを使ったものになることを紹介し、「パケット定額などでトップメニューに入りやすくして、さらに特集記事なども組んでどんどんユーザーをCPに誘導する」と説明。さらにFlashについては「後追いになったところもあるので工夫している。ケータイの電波状況などを取得できたり、外部ファイルとも連携できる。これにより、Flashを動かしながらバックでダウンロードしてキャッシュに書き込む、といったこともできる。ポータルに置けるバナーの使い方も大きく変わってくる」と説明し、「Yahoo!のように広告ビジネスが活性化するといいなぁ、と思っている」とFlashによる効果に期待感を示した。


FlashによるEZwebメニュー auが採用するFlashの使用。BREWやGPSとも連携できる

 またEZチャンネルについては「セカンドフェーズに入った」と紹介。現在のWIN端末はEZチャンネルを3つしか購読できない点を指摘し「最初は9チャンネルほど無料番組があったが、これを毎日配信の1チャンネルにまとめた。あとのチャンネルを有料チャンネルに解放することで、有料チャンネルのビジネスチャンスを広げた。有料チャンネルの購読も増えているので、この試みはうまくいったかな、と思っている」と説明した。

 今後のEZチャンネルについては「1日のトラフィックをもっと平準化できるものにしたい」と説明。さらに「朝起きてEZチャンネルを見るという行動パターンが多いが、ランチ情報など朝見るのに不適切なコンテンツも多い。次のステップでは、深夜に自動ダウンロードするが、ダウンロードしたことをユーザーに通知する時間を、たとえば昼だとか連動するテレビ番組が始まる5分前とか、CPが指定できるようになれば面白い。これも放送と通信の融合による相乗効果を作れるのではないか」とEZチャンネルのさらなる可能性に言及した。


EZチャンネルについて EZチャンネル番組ラインナップ

FMケータイについて。今後の機種拡大も検討中
 ほかのメディアのコラボレーションとしては、EZ・FMを紹介。「単純にケータイにテレビやラジオを載せても面白くない、生活行動上で相乗効果を生み出さないといけない。これを意識して作ったのがEZ・FM」とし、「ただ聴くだけでなく、そのあとの行動を起こしやすくする。わかりやすいところで着うたを購入できるようにしたが、それ以外のものでもいい」と説明した。対応機種としては「WINで初のFMケータイが登場するので、この夏、秋と対応台数がどんどん増えていく」とする一方で、「FMケータイ以外のBREW端末で、アプリ単体でダウンロードできるようにもする」と説明。「ほかのメディアとのコラボレーションするにあたり、必ずしもケータイにテレビやラジオが入っている必要はない。たとえば車でラジオを聴きながら、次の行動をケータイで起こしやすくすればよい」とし、さらに「地上デジタル放送でもこのような動きが起こっていく。こういうようなものが大事」と語った。

 定額制について高橋氏は「1つ大事なことがある」と語る。「携帯電話会社にとっては、従量制の時代はずーっと携帯電話を使ってもらおうとした。外出先だけではなく、自宅でも使ってもらおうとした。しかし定額制になると、そうでなくてかまわない」と説明。「定額制にならば自宅に帰ったらパソコンを使っても、テレビを見てもらってもけっこう。これが実は定額制でいちばんやりたかったこと。コラボレーションするには定額制が必要だった」と述べた。



URL
  au
  http://www.au.kddi.com/
  WIRELESS JAPAN 2004
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2004/


(白根 雅彦)
2004/07/23 20:44

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