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【WIRELESS JAPAN 2005】
ウィルコム八剱氏、「PHS・OFDMを世界最速・世界標準に」

 13日に催されたコンファレンスで登場したウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏は、同社の現状と今後のPHSの進化について講演を行なった。


音声通話定額は「マイクロセル」だからこそ

ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏

周波数の利用効率はPHSが携帯より上と説明
 5月より開始されたウィルコムの音声通話定額サービス「ウィルコム定額プラン」は、月額2,900円でウィルコムユーザー間の通話が定額になるというものだ。有限資源である電波を使ったサービスで、常に帯域を占有する可能性がある音声通話定額サービスがなぜ実現できたのか、八剱氏は、同社の「マイクロセル」がその理由と説明する。

 携帯電話よりも出力が低いPHSは、基地局を携帯電話よりも細かく配置しなければならない。これが「マイクロセル」であり、八剱氏は「サービスエリアの拡充は、かなりの労力を必要とするが、1平方kmあたりの伝送容量を見ると、PHSは携帯よりも非常に大きな数値となり、だからこそ音声通話の定額が実現できた」と述べ、PHSだからこそのサービスとした。

 これまで300万契約前後で推移してきた同社の契約数だが、「ウィルコム定額プラン」の導入前後から急激に契約数が伸び、現在は323万契約に達しているとした八剱氏は、「純増数を見ると、ドコモ・auに次いで3位になった。新たなユーザーには、アンケート調査を行なっており、携帯電話と併用しているユーザー数が多い。嬉しいことに新ユーザーのうち、93%が『周囲に薦めたい』としており、好評と受け止めている。こういったユーザーは、発表時に狙っていた層とかなり重なっている」と述べ、狙い通りのユーザー層を獲得しているとアピールした。

 その一方で、新ユーザーのうち35%が通話エリアに対して不満があることも明らかにされ、計画を前倒しして、基地局を増強する考えも明らかにされた。


同じ地区におけるウィルコムの基地局は16万局
携帯電話の基地局設置イメージ 同じ地区におけるウィルコムの基地局は16万局

順調にユーザーを獲得 ユーザーアンケートの結果、「周囲に薦めたい」という回答が多数を占めた

携帯と併用するユーザーは半数強 通話エリアに不満を持つユーザーでも、周囲に薦めたいと回答しているという

音声定額でユーザーの通話時間は5倍強に

 音声通話定額によって、ユーザーの利用動向はどのように変化したのか、八剱氏は平均通話時間のデータを示して、「ウィルコムユーザーでは、1カ月あたり平均3時間、そのうちウィルコムユーザー間の通話は20分程度だった。しかし、音声通話定額サービスがスタートし、5月の実績を見ると16時間を超えていた」という。

 ネットワークの輻輳などは発生せず、マイクロセルで音声通話定額サービスは問題ないとした同氏は、「収益的にはとんとん、というレベルだが、ITX(NTT交換網をバイパスする装置)を展開することでアクセスチャージの低減が見込め、収益は改善されていくだろう」と語り、今後への期待を示した。


音声定額ユーザーの実績 恋人・友人への通話が半数以上

W-SIMで参入を加速したい

W-SIMの導入は端末開発におけるハードルを低くするという
 7月7日に発表された「W-SIM」に触れた八剱氏は、「これまでは移動体通信に参入するには、無線通信技術に秀でている必要があった。しかし、コアモジュールを我々が提供すると言うことは、無線インフラとネットワークの構築・運用をウィルコムが行ない、各企業はそれぞれの得意分野に特化した形で一緒にビジネスできるということだ」と述べた。

 「W-SIM」の投入は、新たな企業の参入を促進する仕組みとした同氏は、「7月21日に仕様を開示して、参加企業を拡大していきたい。携帯端末だけではなく、車や医療機器などへの応用も期待できる。肝心の製品は、暮れの押し迫った頃に登場するのではないか」と今年末にWILLCOM SIM STYLE製品が登場すると語った。


コアモジュールビジネスを促進するため団体を設立 W-SIMのロードマップ

PHSの進化形とは

高度化PHSで1.5Mbpsを目指す
 今後の展開について、八剱氏は「高度化PHSでは、現在の128kbps、256kbpsから、1.5Mbpsという通信速度の実現を目指したいが、これは2年ほどかかるのではないか。ただ、WiMAXなどの技術も登場しており、それらの良いところをあわせた次世代PHSと呼べるシステムを構築していきたい」と述べた。

 標準化が完了していないWiMAXの移動体通信対応版だが、八剱氏は、同技術そのものを導入するのではないという。WiMAXをはじめとする無線通信技術で利用される「OFDM」をPHSに取り入れる意向とした同氏は、「OFDMを取り入れれば、20〜30Mbpsという通信速度が実現できる。OFDMを取り入れた次世代PHSを、日本生まれの技術として、WiMAXよりも高速で移動に強いシステムとして、世界最速の世界標準にしていきたい」と意欲を示した。

 講演後、八剱氏に、2GHz帯の新規割当にPHSを含めるよう総務省へ意見を提出したことと「OFDM利用の次世代PHS」の関連を尋ねた。同氏は「まだ総務省に対して意見を出した段階」と前置きしながら、「OFDM利用の次世代PHSの実用化はさほど遠い時期ではないのではないか」とコメントし、2GHz帯を求める理由の1つは次世代PHSの実用化を見据えたものであることを示唆した。


OFDMを取り入れて、次世代PHSを実現したいという 高度化PHSとの併用も視野にあるという


URL
  ウィルコム
  http://www.willcom-inc.com/
  WIRELESS JAPAN 2005
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2005/

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(関口 聖)
2005/07/13 18:41

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