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【WIRELESS JAPAN 2005】
クアルコム野崎氏、「BREW3.1でプラットフォーム化を支援」

 東京ビッグサイトで開催中の無線技術展「WIRELESS JAPAN 2005」の会場にて14日、テクニカルコンファレンス「クアルコムの事業戦略とBREW」か実施された。クアルコムジャパンのビジネス開発担当部長(兼)広報部長である野崎孝幸氏が、携帯電話仕様のプラットフォーム化を支援する技術としても発展しつつある「BREW」について講演した。


BREWの登場でダウンロードアプリの自由度が向上

クアルコムジャパンのビジネス開発担当部長(兼)広報部長である野崎孝幸氏
 クアルコムは、携帯電話の中核となる多機能チップ「Mobile Station Modem(MSM)」シリーズの開発・販売を通じ、より短期間で携帯電話端末の開発を可能とするソリューションを提供する企業だ。

 MSMは1つのチップで、携帯電話に要求される数々の機能をサポートするのが特徴。「LAUNCHPAD」と呼ばれるエンジン機能を使って、データ通信やマルチメディア機能などを付加することができる。


「Mobile Station Modem(MSM)」シリーズのロードマップ
 野崎氏が「1995年に香港で始まった世界初のCDMA商用サービスの際は、データ通信サービスの影も形もなかった」と振り返るように、時代やメーカーの要望に応じて多機能化が進んだが、「1チップ構成」へのこだわりを見せている。「1チップ構成は端末小型化の面で有利。また携帯電話には『電池』という有限なリソースがつきまとうため、消費電力の観点からも理想的だ」と話す。

 アプリケーションのダウンロードサービスである「BREW」も、MSMで実現している機能の1つ。野崎氏は「BREWの登場によって、端末メーカー以外でもMSMの機能へアクセスすることができるようになり、開発の自由度が上がった」とBREW誕生の意義を語る。講演中には、ナビタイムジャパンが開発したau端末向け道路ナビゲーションサービス「EZナビウォーク」を例示。「端末メーカーではないナビタイムであっても、携帯電話そのものに実装された(GPSという)重要機能を利用できるようになった」とコメントした。


全世界45事業者でクアルコムの技術を採用しているという
 なおBREWは6月の段階で、すでに世界24カ国、45社のキャリアで採用されており、CDMA2000端末の加入者は1億6,840万人におよぶという。野崎氏も「全世界的に市場は立ち上がっている」としており、より多くのソフトウェア開発会社の参入を期待した。


BREW3.1では端末のプラットフォーム化も支援

BREW3.1の概要
 一方で、端末の多機能化は、開発作業を複雑化させる原因になりつつあるという。「WebブラウザをはじめメディアプレーヤーやGPSなどの各機能が、相互に悪影響を与えないようにする検証作業が製品出荷前には必要だ。そのためデバッグ作業の増大などが深刻になりつつある」と具体例を挙げ、携帯電話の多機能化が、開発期間を長期化させていると指摘した。

 これらの対応策として、各キャリアでは端末のプラットフォーム化を推し進めているという。端末の仕様をある程度共通化させることで、開発期間の短縮化、ひいては端末のコストダウンを狙うという取り組みだ。auでも「KDDI Common Platform(KCP)」という規格を発表している。

 KCPでは、クアルコムが新たに発表したBREWの新バージョン「3.1」がサポートされる。BREWの本来の姿であるアプリケーションのダウンロード配信サービスを拡張させ、ブラウザやメーラーといったアプリケーションもBREWで動作させることになるという。

 開発の低コスト化に向けた取り組みとしては、ほかにもユーザーインターフェイス(UI)分野がある。クアルコムでは2004年10月にイギリスのUI開発会社を買収し、新たに「uiOne」という技術の開発に取り組んでいる。「UIを変えるには大幅なソースコードの見直しが不可欠だったが、uiOneでは(記述言語の書き換えなど)最小限の変更で行なえるようになる」と佐藤氏は話している。

 なお野崎氏は講演中、一貫して「開発期間の短縮化」を声高にアピール。チップの開発から携帯電話のプラットフォーム化までのあらゆる面で、開発コストの削減に協力していきたいと語り、講演を締めくくった。



URL
  クアルコムジャパン
  http://www.qualcomm.co.jp/
  WIRELESS JAPAN 2005
  http://www.ric.co.jp/expo/wj2005/

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(森田秀一)
2005/07/14 17:25

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