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マイクロセルやナノセルといった特徴的な基地局、WXシリーズやW-SIM、W-ZERO3と新機種を紹介した後、喜久川氏は「PHSには安心・安全という面もある」とアピール。 同氏は「細かな基地局を展開していることにも表われているように、PHSと基地局の距離は短い。つまり電波の出力が弱く、低電磁波だ。SAR値という基準値でも、2.0W/kgが上限とされているが、携帯電話よりもPHSは楽々とクリアしている」と述べて、あらためて低電磁波という特徴を紹介。 また、端末側だけではなく、基地局についても喜久川氏は「通常、携帯電話の基地局0.5m～1.5mは人が近づけないように柵を設ける必要がある。当社の基地局もその制限を受けているが、“人が近づいてはいけない”という距離はわずか3cm。屋内専用で展開しているナノセルは、この制限に抵触しておらず、病院内にも設置できる。実際に『京都医療センター』に導入されており、当社のインフラを通じて、将来的には電子カルテの実現なども検討されている」と説明した。
これらの特徴は「マイクロセルにある」とした同氏は「（細かく展開する）マイクロセルは、携帯電話のマクロセルと比べると、トラフィックを分散し、品質の低下を抑えられる。これが定額サービス、省電力などの基本になっている。地震や台風のときも、数カ所の基地局がダウンしても、周辺にある他の基地局でカバー可能で、回復も素早い」と述べた。 マイクロセルを活かした法人向け新サービスとしては、「位置情報取得サービスの提供も検討中」（喜久川氏）として、端末紛失時に役立つセキュリティ面に配慮したサービス内容にする考えが明らかにされた。
ADSLのように自社ブランドで展開するケース、あるいはJ:COMのように卸売りするケースの分岐点として、同氏は「我々から見て、新しいチャネルを期待できるといった点から、どちらが良いのかという判断を行なっている。もちろん我々と提携企業の双方にメリットがあるようにする」とした。 また、注目されるジャンルであるFMC（固定網と移動体網の融合サービス）については、「企業規模によって対応が異なるが、特に小規模の企業においてはPBXなどでは対応しきれないだろうが、当社のサービスではスムーズに内線化できる。我々の試算では、PBXなどと比べ、FMC（固定・携帯の融合サービス）を半額以下で実現できる」と述べた。 最後に同氏は「キーワードは定額。今後は、割安な国際電話や固定網向けのVoIPも検討している。我々自身はマイクロセル、ナノセル、ITXを構築し、その上に定額サービスなどを載せて、一番上のレイヤーにJavaやフルブラウザなど、他社にとって参入しやすいインフラを構築する」と述べ、全社を挙げて、より良いサービスの提供を行なっていくと意欲を見せた。
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