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【ワイヤレス・テクノロジー・パーク2006】
京セラ 村上氏、iBurstを拡張したIEEE802.20を解説

村上 和弘氏(右)とラダクリシナ カンチ氏(左)

MBWAについて
 「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2006」の講演では、標準化に向け準備が進められている無線通信規格「IEEE802.20」について、京セラ 機器研究開発本部 横浜 R&Dセンター副所長の村上 和弘氏と、京セラ通信機器研究所 サンノゼオフィス 主任研究員のラダクリシナ カンチ氏がその特徴などを説明した。

 京セラはすでに、「iBurst」の名称で無線ブロードバンド規格を策定・提供しており、オーストラリアや南アフリカで商用サービスとして採用されている。現在のiBurstを拡張した内容でまとめられているのがIEEE802.20で、高速移動時においても高いスループットを実現するのが特徴。

 IEEE802.20は通称「MBWA(Mobile Broadband Wireless Access)」と呼ばれ、同じく高速大容量の広域無線通信規格であるIEEE802.16e(モバイルWiMAX)と競合する規格と見られている。MBWAはIEEE802委員会が2006年中にも標準化を完了する見込みで、京セラも標準化作業に積極的に参画している。


IEEE802.20「MBWA」の位置付け

さまざまなサービスをシームレスに繋げるとした
 村上氏は、現在の通信市場について「飛躍的な市場の拡大が活発なイノベーションを起こしている」とし、固定通信、移動通信、インターネットの3つのセグメントが集約しつつあるとする。その上で、映像や音楽、ゲーム、テレマティクスなどにアプリケーションが広がりをみせているとした。

 そのような市場で求められる無線技術として、同社はいち早く「iBurst」を商用化し、基地局あたりで半径約2.5kmをカバーするという広域の高速無線通信規格を展開してきた。IEEE802.20(MBWA)については「IEEE802.16の仕様に囚われず、高速移動性を定義するのが特徴」(村上氏)としており、iBurstに高速移動性を付加し、高伝送性を改善すれば実現できる規格として準備を進めている。

 カンチ氏はMBWAの優位点として基地局あたりのカバレッジの大きさ、移動性、通信速度、周波数利用効率などを挙げ、「カバレッジと通信速度の双方をカバーするシステム」とした。またMBWAが提供できるサービスのビジョンとして会社や家庭、移動環境でのさまざまな利用シーンを示し、「すべてをシームレスにサポートする基盤となる」と述べた。


基本技術仕様では3つの方式が挙げられている。クアルコムはFDD方式も提案 iBurstとMBWAの差

MBWAの必要条件として4つの項目を提示

WiMAXとならび、交通インフラシステムへの採用も検討されている
 村上氏はMBWAの必要条件として「ブロードバンド」「モビリティ」「VoIP」「QoS」の4つを挙げる。「固定通信ではADSLでも数Mbpsとデータレートが上がっており、無線でもそれなりに高速でなければブロードバンドとは呼べない」として高速通信の必要性を述べたほか、オーストラリアで提供されているiBurstの商用サービスを紹介して屋外や移動環境での実用例をアピール。VoIPについては「VoIP対応のハンドセットが来年には登場するだろう」として、音声サービスへの対応も近いうちに開始される見込みであるとした。QoSについては、iBurstでも行なわれた実験結果を紹介し、VoIPの品質を保つ上でも重要な技術とした。

 また同氏は、次世代の交通インフラシステムにおいてMBWAが候補に挙がっていることを示し、標準への採用に向けて取り組みを行なっているとした。

 村上氏は最後に、「MBWAの標準化活動は世界中で進んでいる」と述べるとともに、「新しい規格は、今のアプリケーションが動くのは前提。その上で新サービスを行なっていきたい」とMBWAに積極的に取り組んでいく姿勢を明らかにした。


世界中で進められるMBWAの標準化 展示ブースには「iBurst」サービスで利用されている機器を展示


URL
  ワイヤレス・テクノロジー・パーク2006
  http://www.wt-park.com/
  京セラ
  http://www.kyocera.co.jp/
  iBurst紹介ページ
  http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/iburst/

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(太田 亮三)
2006/04/28 18:01

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