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【BREW 2006 Conference】
訴訟問題~「各社が競争している」ことを強調

Jeff Belk氏

 クアルコム Senior Vice President, MarketingのJeff Belk氏
 カンファレンスの開幕に先駆け、30日には米クアルコム本社にて、海外メディア(米国以外のプレス関係者)を対象とした説明会が開催された。午前の説明会には、クアルコムのSenior Vice President, MarketingのJeff Belk氏が登場。3G関連技術のライセンスに関して、クアルコムが競争を侵害しているとして提訴された問題について、同社の立場を説明した。

 クアルコムのビジネスは、CDMA2000やW-CDMA方式の携帯電話に対して、端末チップセットなどを供給する半導体部門「QCT(QUALCOMM CDMA Technologies)」と、その技術ライセンスをメーカーに提供する「QTL(QUALCOMM Technology Licensing)」に、ほぼ集約されている。

 2005年の売上げは、QCTが約33億ドル、QTLが約18億4,000ドルとなっており、2005年の総売上げ(約56億ドル)に対する売上げ比率はQCTとQTLで9割。2006年第1四半期の業績でも92%を占めている。


クアルコムの売上比率 ビジネスモデル
クアルコムの売上比率
ビジネスモデル

 技術パテントを保有する企業は、特定の企業に対してのみ、そのライセンスを提供する場合と、多くのメーカーに対してライセンスを広く提供する場合があるが、クアルコムは後者を選択し、端末メーカーなどにライセンスしている。Jeff Belk氏は、その結果として競争環境が整っている点を強調。参入する端末メーカーが多くなることで、端末価格もより安くなっている現状を示した。

 また同氏は、同社が多額の開発研究費を投じている点を説明。技術開発を積極的に進めることで、クアルコムのチップセットを使うメーカーは、端末の開発コストが抑えられるとした。クアルコムでは端末メーカーから得た収入の多くを開発研究費に充てており、2005年は10億ドルを越えた。開発研究費はHSDPAやHSUPA、FLASH-OFDM、802.20といった通信関連技術の進歩に伴って大きくなっているという。

 このほか、クアルコムでは、GPS関連のパテントを持つSnapTrackや、OFDMA技術のFlarionなどを昨年に買収している。これにより、従来はクアルコムの特許料のほかに、SnapTrackなどに支払わなければならなかったライセンス料金をまとめて1つのライセンスして提供できる。


開発研究費 買収した企業
通信の進歩によって開発研究費も拡大
買収した企業

Mike Hartogs氏

 Vice President & Division Counsel, New Licensing BusinessesのMike Hartogs氏
 現在、130のメーカーとライセンス契約を結んでおり、Jeff Belk氏は、事業が拡大する中で、「開発費は大きくなり、スタッフも増えたが、この間、ロイヤリティ料金は変わっていない」と述べた。

 しかし昨年、ノキアやエリクソンといった6社の企業が、3Gの技術ライセンスに関して、クアルコムがEU競争法に違反しているといった主旨の訴えを起こした。これに対し、クアルコムとSnapTrackでは、GSM方式においてクアルコムの特許を侵害しているとして、ノキアを相手取り反対に提訴している。

 30日の説明会では、GSMのメーカーシェアを示し、GSMのライセンスを多く持つ、ノキアやエリクソンなどが市場を独占しているとした。Jeff Belk氏は、「GSMの特許料は高いと言われている。しかも多くのライセンスを持つ企業が端末メーカーとなっている」とコメント。クアルコムの場合は、自らが端末メーカーとならないことで、サムスンやLGといった新興端末メーカーシェアを獲得している状況を説明した。

 なお、夕方の説明会では、クアルコムのVice President & Division Counsel, New Licensing BusinessesのMike Hartogs氏が、ライセンスなどの知的財産所有権についてスピーチを行なっており、この中でも同社が端末メーカーに対して競争環境を作り出している点がアピールされた。


ワンチップソリューション メーカー別シェア
 ワンチップソリューションなどで開発コストを低減  GSMとは異なり、CDMA2000やW-CDMAではメーカー別シェアが動いている


URL
  BREW 2006 Conference(英文)
  http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2006/

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(津田 啓夢)
2006/05/31 17:18

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