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【WIRELESS JAPAN 2006】
総務省 桜井氏、次世代に向けた電波政策を解説

総務省の総合通信基盤局 電波部長の桜井 俊氏
 WIRELESS JAPAN 2006の「次世代移動通信世界会議」というコンファレンスで、総務省の総合通信基盤局 電波部長の桜井 俊氏は、「次世代移動通信システムに関する総務省の取り組み」と題する講演を行ない、今後の無線周波数行政について解説した。

 総務省は、日本の無線通信に使われる周波数の管理を行なっている。その総務省の立場から、桜井氏はまず、日本における無線利用の現状を説明する。無線通信に使われる電波は、一つの周波数帯で転送できる情報量、あるいは共有できる利用者数に限界がある。しかし通信に利用できる電波は有限であるため、これを資源として有効活用することが求められている。とくに日本は人口密度が高いため、電波の有効利用の必要性が高い。

 そのような背景で、総務省では電波の効率的な利用のために、「電波開放戦略」を進めている。この戦略の中で、周波数割り当ての見直し、周波数の再配分制度の見直し、電波利用料制度の見直し、ワイヤレスブロードバンドの推進が行なわれている。

 具体的には、周波数の割り当てを変更したり、あるいは新規に解放された周波数に新たな無線通信技術を導入する、といったことが行なわれている。


周波数の再編の方針 第3世代携帯電話の周波数追加に向けた取り組み

 周波数再編として、まず桜井氏は3Gケータイを例に挙げ、「日本ではケータイの周波数が逼迫しているので、事業者の協力を得て、2Gが使っていた1.5GHz帯で、第3世代を展開できるようにする」と語る。さらに新規参入業者についても、「新たに解放された1.7GHz帯は、イー・モバイルとソフトバンクが免許を得たが、ソフトバンクからはボーダフォンの買収に伴い、この免許をお返しいただいた」と述べ、周波数割当の調整の現状を紹介した。

 さらに、800MHz帯や900MHz帯など、一部の3Gケータイが使っている周波数帯も移行・集約に取り組んでいることや、2.5GHz帯を広帯域移動無線アクセスシステム(WiMAXに代表されるいわゆるワイヤレスブロードバンド)に使うことを検討していること、さらに2012年以降、アナログテレビ放送終了に伴って生じる「放送の跡地」も一部、移動体通信に利用することも紹介した。

 次の世代のケータイ、第4世代移動通信システム(IMT-Advanced)について桜井氏は、「4.9GHzなどを候補としている。しかし今日においては、一国での取り組みは難しいので、日中韓で協力し、アジアとして必要な周波数を確保するべく取り組んでいる」とし、国際的に取り組んでいることをアピールした。

 無線通信全体の今後の方針について桜井氏は、「再編により得られた周波数を、生活に密着した用途に使う。具体的には、4Gケータイや広帯域移動無線アクセスシステム、有線ブロードバンド代替システム、セキュリティやITS、ホームネットワークの4つの分野で検討を進め、ワイヤレスブロードバンド環境を構築する」と述べた。

 まず桜井氏は、広帯域移動無線アクセスシステムについて説明する。このための周波数帯については、「2.5GHz帯を候補として審議をしているが、ここには70MHzくらいしか幅がない。世の中的には、2社か3社しか入れないのじゃないかといわれている」と述べる。また、使用される無線方式については、「この分野ではWiMAXが話題を先行しているが、ほかにも京セラやクアルコムのシステムなどもある。どのシステムにアドバンテージがあり、何社くらいが参入できるか、といった技術的なことを現在検討している。11月くらいまでに検討を終えて、どうやって周波数を提供すれば世の中的によいのか、ライセンスの方針を年内か年明けまでに決めたい」と語った。


ワイヤレスブロードバンドについて。ホームネットワークやITSも含む 広帯域移動無線アクセスシステムについて

 続いて桜井氏は、アナログテレビ終了に伴って解放される周波数帯についても言及した。桜井氏は、「2012年のアナログテレビ停波により、多くの周波数帯が空く。53chと54chはデジタルテレビで使うかどうかわからなかったところだが、先般、テレビでは使わないことが決まり、これにより1chから12ch、53chから62chの新たな用途を検討している。この周波数帯の利用について、一般から利用方法について提案を募集したところ、100者から181件提案をもらった。これらの提案を元に作業班で議論、検討をしてもらい、来年の夏までに整理する。これはやや長期的な課題となる」と語り、「関係者には積極的な検討をお願いした」として、無線資源の効率的な利用への協力を訴えた。


アナログテレビ終了に伴って生じる空き周波数帯について 一般からの提案について。さまざまな分野に提案がなされている


URL
  総務省
  http://www.soumu.go.jp/

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(白根 雅彦)
2006/07/21 12:40

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