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【FPD International 2006】
各社が携帯向けディスプレイを展示

 10月18日~20日にかけて、液晶や有機EL、プラズマといったフラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2006」がパシフィコ横浜で開催された。本誌では、各ブースで展示されていた携帯電話関連の情報をお伝えする。

 今年のメーカー各ブースは、携帯電話向けディスプレイのVGA化や大型化が量産ベースに入ったせいか、新たな展開という意味ではやや大人しい印象だった。各社のブースでは、低消費電力化への取り組みや、基本性能の向上といった部分の展示が目立った。


NECは3D液晶、シャープは新「ベールビュー液晶」

3D液晶の概要
 こうした中、NECグループのブースでは、NEC液晶テクノロジーが高精細3D液晶を参考出品していた。3D液晶はこれまで各社が出品してきたが、同製品は1画面の中で2D表示と3D表示を混在させることができる。つまり、メール画面中に3Dのアイコンを表示させるといったように、3D表示をアクセントとして利用できることになる。会場の説明員は、「これまでの2D用の資産を活かして利用できる」と話していた。なお、今回のデモでは、携帯電話向けに2.7型、QVGAサイズのディスプレイが展示されていた。

 シャープのブースでは、携帯電話ののぞき込み対策として導入されているベールビュー液晶の新技術が紹介されていた。従来のベールビュー液晶は、視野角をコントロールすることで、左右から携帯電話をのぞき込まれても画面の内容が確認できないようになっている。今回の技術は左右だけでなく、上下左右360度どこからのぞかれても大丈夫だという。

 また、画面の応答速度を従来の1/10まで速めたディスプレイなども展示。動画などを表示した場合、残像やにじみが抑えられるというもので、応答速度は速くなるが消費電力は抑えられるという。いずれの製品も量産は年明けからになる予定。会場のスタッフは、ワンセグを視野に入れた製品としており、「2007年のワンセグ端末の主流になるのではないか」と話していた。


撮影した画像ではわかりにくいが肉眼ではちゃんと3D化されている

ベールビュー液晶。正面からは通常通り表示される 上下左右からのぞき込んでも画面の内容が確認できない 新ベールビュー液晶の概要

各社の薄型化の取り組み

日立ディスプレイズの薄型ディスプレイ
 日立ディスプレイズのブースでは、薄さ1.29mmという超薄型TFT液晶を展示していた。2007年第1四半期にも量産される予定だ。ガラスの薄型加工が実現したため、従来1.6mm程度のディスプレイがさらに薄くなったという。

 なお、シャープやサムスンSDIのブースでは、両面パネルの液晶ディスプレイを展示していた。メインディスプレイとサブディスプレイを1つのモジュールにすることで、端末の薄型化を実現するというものだ。

 また、東芝松下ディスプレイテクノロジーのブースでは、薄さ0.88mmを実現した3.5型QVGAサイズの有機ELなどが展示されていた。なお、同社のブースでは、携帯電話の売上げトップ10の端末うち、半数が同社のディスプレイを採用したモデルとなるため、多数の携帯電話も展示していた。


薄さ1.29mm シャープの両面ディスプレイは2,2型と1.8型 サムスンSDIの両面ディスプレイ

東芝松下ディスプレイテクノロジーの有機ELは薄さ0.88mm 東芝松下ディスプレイテクノロジーのディスプレイを採用したモデルを展示

クレアボヤンテ、PenTile技術をアピール

クレアボヤンテのブース
 会場ではこのほか、液晶ディスプレイの分野でユニークな技術を持つ米CLAIRVOYANTE(クレアボヤンテ)が展示を行なっていた。

 同社の「PenTile」(ペンタイル)技術は、携帯電話などの液晶ディスプレイの輝度を向上し、かつ低消費電力を実現するというものだ。通常の液晶ディスプレイは、赤(R)緑(G)青(B)の3つサブピクセルを1ピクセルと見なすが、PenTile技術は、RGBに白(W)を加えて4原色で表現している。サブピクセルは2つで1ピクセルと見なし、RGBWの組み合わせで色を再現する。本誌でも2005年にご紹介している。

 ブースでは、台湾CPTが開発したPenTile技術を使った4インチワイドVGA液晶や、サムスンSDI製の2.4インチVGA液晶などが展示されていた。クレアボヤンテでは、液晶メーカー各社にPentile技術をライセンス供与しビジネス展開を図っている。ブースの担当者は、日本での展開も検討していると語っていたが、具体的なメーカーについては明らかにされなかった。

 ただし、今回の展示会では、台湾CHUNGHWA PICTURE TUBESと三菱電機の共同ブースでPenTile技術が紹介されていた。また、NECグループのブースで参考出品していた「4.0型WVGA New Rendering」という液晶では、PenTileの名前こそなかったが技術的に同じ説明がなされた。NECブースのスタッフによれば、クレアボヤンテから技術供与を受けて現在検証を行なっているとのこと。


RGBWの組み合わせで色を再現 台湾CPTの4インチワイドVGA液晶 モジュールの概要

サムスンSDI製の2.4型液晶 台湾CHUNGHWA PICTURE TUBESと三菱電機ブースで紹介されていた2.8型VGA液晶

NECブースの「4.0型WVGA New Rendering」 技術概要


URL
  FPD International 2006
  http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/
  NEC液晶テクノロジー
  http://www.nec-lcd.com/jp/
  シャープ
  http://www.sharp.co.jp/
  日立ディスプレイズ
  http://www.hitachi-displays.com/
  サムスンSDI(英文)
  http://www.samsungsdi.co.kr/contents/en/main.jsp
  東芝松下ディスプレイテクノロジー
  http://www.tmdisplay.com/tm_dsp/jp/
  CLAIRVOYANTE
  http://www.clairvoyante.com/

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(津田 啓夢)
2006/10/20 20:53

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