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【FMCフォーラム 2006 autumn】
KDDI三澤氏、FMC実現に向けた次世代ネットワークの概要を語る

 11月13日と14日の2日間、東京・大手町サンケイプラザで「FMCフォーラム 2006 autumn」が開催されている。13日には、KDDI 技術渉外室 企画調査部長の三澤康巨(やすなお)氏が「FMCを実現するNGNの概要とKDDIの取組み」と題して、NGN(次世代ネットワーク)の現状などを紹介した。


NGNの現状

固定網の利用が減少していることがNGN導入のきっかけの1つ

固定網の利用が減少していることがNGN導入のきっかけの1つ

KDDI三澤氏

KDDI三澤氏
 三澤氏は、「現在、固定系の回線ではFTTH(光ファイバー)が成長しているが、これをインターネットアクセスだけではなく、もっと豊かなサービスに、というのがNGN推進の動機の1つ。また固定電話の利用傾向としては、通信時間・回数ともに減少しつつあり、2000年度から4年間で半減している。固定電話はライフラインでもあり、このままでは維持できない」と固定通信の現状を指摘した。

 同氏は「固定だけでは維持できないため、移動体通信を組み合わせてコストを下げて、さらに発展させていく。そして柔軟なネットワークを作る。これがまさにNGN。旧来の固定電話は安定した品質などのメリットがあり、インターネットには広帯域で低コストというメリットがある。NGNは双方の良いとこどり」とした。

 NGNは、ユーザーのトラフィックを流す「トランスポートストラタムと、その上位レイヤーで、管理するための「サービスストラタム」で構成され、サービスストラタムの中にIPマルチメディアコンポーネント(IMS/MMD)が含まれる。三澤氏は「現在は、固定網と移動体通信網は分かれているが、NGNでは1つの統合したネットワークに、固定と移動がぶらさがるという構成になる。すなわち、NGNが実現できれば、自然とFMCが実現できる。また、NGNと次世代インターネットは別物」とした。


NGNで良いとこどりを狙う NGNの構成概要
NGNで良いとこどりを狙う NGNの構成概要

海外動向

世界各国でNGNの導入が検討されている

世界各国でNGNの導入が検討されている

標準化を巡る動きも活発だ

標準化を巡る動きも活発だ
 三澤氏は、NGNを巡る海外の動向もあわせて紹介した。同氏は「先鞭を付けたのは、英BT(British Telecom)で、現在IP化を進めている。2008年には過半数を、2009年にはほぼ全てをIP化する計画だ。実現すれば、従来よりもシンプルなネットワークとなって、コストダウンが見込める。電話網にインターネットの技術を取り込んで、コストダウンを図るのがBTの狙い」と説明した。

 標準化については、「IETFという団体がSIPを策定し、3GPPと3GPP2がIMS/MMDを作った。これらを部品にして、枠組みを作っているのが欧州のETSI。彼らはかつてGSMで成功した体験をNGNでも再現しようと、主導権獲得を狙っており、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)に彼らの仕様をそのまま持ち込んでいる。議論を経て、修正はあったが、ITUでは合意が形成されている」と述べた。

 同氏によれば、7月にはリリース1の勧告案が固まり、現在、正式な勧告にすべく手続きが進められている。これにより、IMS/MMDを使って、従来の固定電話に置き換えられるネットワーク技術が定められることになるという。また、続いてリリース2の策定に向けて、現在動き出しつつあり、ここれはIPマルチキャストを使ったホームネットワークとして、テレビ番組などをIP網で配信する仕組みなどが検討される予定という。リリース3については、現状では何も目処は立っていないが、三澤氏は「RFID関連について話題になってきている」と語った。

 また、その他の地域については、米国では、通信事業者とCATV事業者間で競争が激化しつつあり、その中でNGNを導入する動きがあること、アジアでは日中韓が国家戦略としてITUへの関与を強めようとしていることが紹介された。さらに国内では、総務省をはじめとして、産学官が連携して、NGNに向けた組織が設立され、議論が進められている。


KDDIは2007年度末に固定網を全IP化

固定網と移動体通信網の双方でIP化を目指す

固定網と移動体通信網の双方でIP化を目指す
 三澤氏は、KDDI自体の取り組みも駆け足で紹介。2007年度末(2008年3月)に向けて固定網のIP化を進めるとしたほか、移動体通信網については「12月にRev.Aを開始し、その上でVoIPが実現できるか検討している」とした。また、現状の課題には、移動体網のIP化、マルチメディア化、そして固定・移動の統合ネットワークが挙げられた。

 同氏は、「NGN実現まで、まだ時間がかかるため、現時点で可能な各種サービスを提供している」と、請求書の一体化サービスや、固定電話に着信があった場合にau端末へそれを通知するサービスを紹介したほか、「au My PageやLISMOはFMCの一種」として、その概要に触れた。

 最後に三澤氏は「固定、移動、放送を融合した世界を作り、その未来を実現、設計していきたい」と述べ、講演を終えた。



URL
  FMCフォーラム 2006 autumn
  http://www.ejkjapan.com/fmc/

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(関口 聖)
2006/11/13 13:14

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