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【mobidec 2006】
ソフトバンク河野氏、Yahoo!ケータイの展望を語る

ソフトバンクの河野氏

Yahoo!ケータイのトップ画面
 11月30日、東京・目黒雅叙園でモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)主催のイベント「mobidec 2006」が開催された。午前中の特別講演では、ソフトバンクモバイルのモバイル・メディア・コンテンツ統括部長の河野真太郎氏が登場。「今後のメディア・コンテンツについて」と題して講演を行なった。

 同氏はまず、ボーダフォンからソフトバンクグループとなったことで、グループ力を活かしたサービス展開を行なうと述べ、ボーダフォンライブ!からYahoo!ケータイにリニューアルしたことなどを説明した。「我々は、これまでのインターネットのサービスをどんどん融合していきたいと思っている。パソコン向けのインターネットをケータイ向けにカスタマイズして提供していきたい」と述べた。

 河野氏は、ソフトバンクが展開するコンテンツビジネスについて順番に説明していった。特に、電子コミックやBluetoothを使った「ちかゲーム」といったコンテンツに注力しているとし、「電子コミックは、全体の売上げはゲームや音楽よりもまだまだ少ないが、月ベースで売上げを伸ばしている」と語った。

 ゲームは現状、3G端末向けのメガアプリが約400タイトル、前述のちかゲームが50タイトル、横画面でプレイできるゲームが44タイトル用意されており、今後、オンラインゲームにも注力していく方針だという。同氏は「Bluetoothを使った通信対戦ゲームで楽しさを知っていただいた上で、どんどん通信ゲームをやって欲しいと思う」と語った。

 このほか、ボーダフォン時代にステーションと呼ばれていたプッシュ型の情報配信サービス「S!キャスト」についても拡充するとし、ソフトバンクでは今後、動画など大容量のコンテンツも展開していくという。同社では、待受画面にニュースなどを表示できる「ライブモニター」もコンテンツを増やし、ブログやチャットといったコミュニティ系のサービスも充実を図る方針だ。

 ソフトバンク本体は先日、世界最大のSNS「MySpace」の日本版を提供すると発表したが、河野氏はこの件について「実は朝の新聞を読んでビックリした。SNSにしても、携帯電話にそのまま持ってくるのは良くない。やはり、ユーザーに安心をきっちりと提供していかなければならない。キャリアでブログなどを展開する場合でも、コンテンツプロバイダー(CP)が一部をアレンジして提供できるような仕組みでやっていきたい」と話した。

 講演の中で同氏は、ソフトバンクになったことで、スピード感が増したと語っていた。「社長の孫は明日まで、今日までにやれというとんでもないスピード感覚でやっている」とし、「これからも予想外の動きがあると思うが、そのベースにあるのは、ユーザーにとって便利なものを提供したいということ。10月1日からYahoo!ケータイとなったことでCPにはご迷惑をかけたと思う。情報系コンテンツの売上げは確かに下がった。ただ、それ以外は増えており、ユーザーにもっと使いやすく、もっと見ていただけるリッチなサービスを提供していきたい」と述べた。


コンテンツの開発コンセプト 今後のポータル戦略 電子コミックの実績

コンテンツ戦略 ゲームの取り組み オンラインゲームに注力

コンテンツを強化 情報配信サービスを強化 コミュニティ系の充実を図る

 講演の集まった来場者からは、コンテンツビジネスに対して複数の質問が上がった。

 ソフトバンクの課金モデルについて中長期的な考えを問われた河野氏は、「いろいろな場でCPが利益を上げられるようなことを考えている。課金モデルのほかに広告モデルもあり、ネットならではのビジネスモデルを取り入れていきたい。ソフトバンクにとって中期は来月、長期は来年の3月ぐらいという感じだが、少なくとも3月まではあまり変わらない。グループを活かしたビジネスモデルを提案できるようにしたい」とコメントした。

 また、Yahoo!ケータイの検索機能に対するユーザー動向については、「3カ月ぐらいしないと安定した数字は出ないと考えている。ただし、パソコンの複数ワードによる検索とは異なり、ケータイは1つの単語で検索できないといけない」と説明。同氏によれば、たとえば「ソフトバンク」と検索した場合に、ソフトバンクの会社の情報や株価情報を知りたい人もいれば、ソフトバンクホークスについて知りたい人もいるため、こうしたユーザーの意向を少ないアクションで解決できるようにしなければならないという。

 今回の講演の中で、河野氏は「CPに対してご迷惑をかけた」という言葉を何度も使っていた。同社が、10月1日にYahoo!ケータイにリニューアルしたことで、旧ボーダフォンライブ!で情報系コンテンツを提供してきたCPはあおりを食った形になる。本誌には、CPによっては事前に説明があった場合もあれば、全くないまま突然Yahoo!ケータイになってしまったとする声も届いており、同氏の発言は、こうした一連のどたばたに対するものと思われる。

 河野氏は、自身が旧ボーダフォン出身であるため、「旧ボーダフォンチームとしては、CPに対して夜も寝られない結果になるかと思っていた」と語った。現在のYahoo!ケータイには旧ボーダフォンライブ!のメニューにもアクセスできるようになっている。同氏は講演の中で、「ぶっちゃけ、一番アクセスがあるのはボーダフォンのメニュー。やはり、ユーザーはまだ慣れていない部分もあるのではないか」と述べた。ただし、旧ボーダフォンのメニューを利用していないユーザーからは便利になったという声もあるという。

 Yahoo!ケータイになったことで、公式サイトのCPと勝手サイトが混在する状況になったわけだが、現在のユーザーは「まだまだ公式コンテンツを求める人が多い」という。同氏は最後に、「公式サイトと勝手サイトの線引きは、これまでのような一元的なものではなく、もう少しマルチフルなものになるのではないか。少なくともYahoo!といっしょになることで私が危惧していた非整合性はなかった。ユーザーは、どこの誰がやっているかわからないものよりも、安心できるサービスを求めている」と語った。



URL
  ソフトバンクモバイル
  http://mb.softbank.jp/mb/
  mobidec 2006
  http://www.mobidec.jp/


(津田 啓夢)
2006/11/30 16:08

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