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【NGN+S2007 Autumn】
アッカ湯崎氏、免許取得に向けてモバイルWiMAX事業をアピール

アッカ・ワイヤレスの湯崎氏

事業計画
 11月20日と21日、東京ステーションコンファレンスにおいて、リックテレコム主催による次世代ネットワーク関連のイベント「NGN+S2007 Autumn」が開催されている。初日の特別講演では、WiMAXによるモバイル事業への参入を目指すアッカ・ワイヤレスの取締役 湯崎英彦氏が登場し、同社のモバイルWiMAX事業を説明した。

 アッカ・ワイヤレスは、2.5GHz帯でのモバイル事業参入に向けて、現在、総務省に対して免許申請を行なっている。湯崎氏は、アッカ・ワイヤレスの親会社であるアッカ・ネットワークスの取締役・副社長執行役員でもあり、まずはアッカ・ネットワークスの企業理念を説明した。

 この中で同氏は、同社をADSLサービスの事業者ではなく、コミュニケーションカンパニーであるとし、事業目標がユビキタスブロードバンドの実現だと語った。2000年に創業したアッカ・ネットワークは、ADSL事業を中心として企業や個人、M2M(Machine to Machine)向けのサービスやソリューションを展開しており、ここにさらにモバイルWiMAX事業を追加したい考えだ。

 なお、アッカ・ワイヤレスは、今年7月に無線ブロードバンド事業を展開する子会社として設立された。当初はアッカ・ネットワークスの100%子会社であったが、インフラ構築のパートナーとしてNTTドコモが出資を表明。このほか、三井物産やアイテック阪急阪神、京浜急行電鉄、韓KT Corporation、朝日ネット、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント(So-net)、ニフティ、フリービット、YRP事業開発研究所、JPモルガン証券、Ignite Group、DCMで、計16社が参加し、資本金は300億円にまで拡大した。

 アッカ・ワイヤレスの基本方針について、湯崎氏は「グローバルスタンダードをベースとしたオープンな水平分業モデルを展開する」と説明。携帯電話事業者を中心に展開される従来の垂直統合型のビジネスモデルではなく、世界標準でオープンな環境を提供することで、低コストでビジネス展開できるとした。

 また、既存の携帯事業者のビジネスについて、技術的に新しいものを取り入れる面はあるものの、「いわゆる日本仕様となるためどうしてもコストがかかる」と話し、「水平分業モデルであれば、グローバルの安い端末が出てくるだろう。例えば、私の持っているドコモの端末は3万円ぐらいだが、グローバルでは100ドルや200ドルで買える。グローバルスタンダードを取り入れることで競争力が上がる」と語っていた。

 さらに、固定と移動の融合を意味するFMCについては、電話の融合ではなく、データ通信の融合が必要とし、「会社でも家でも同じメールアドレスで使える」とアピールした。

 こうしたアッカ・ワイヤレスの事業の実現性について、湯崎氏は「我々には無線に関して守るべきビジネスを持っていない。今回のWiMAXは全く新しいビジネスであり、極端な話、既存のものを壊していこう、変えていこうとするもの。我々は真の意味でモチベーションが高い」と語った。


モバイルWiMAXによって、アッカの事業基盤が拡大 アッカ・ワイヤレスの基本方針

モバイルビジネスの変革 1つのIDで複数の端末を利用

MVNOの推進
 またその一方、アッカ・ワイヤレスについて小さい会社だと話し、アイピーモバイルの倒産を契機に、市場から「うまくいかないではないか?」と言う声が出ている状況を説明。「ちょっと待って欲しい。我々は7年間ブロードバンドサービスを展開しており、数百億円のキャッシュがある」と述べた。

 新聞報道において、総務省の発表を待たずに2.5GHz帯の免許割当てが決定されたかのように報じられた件について、湯崎氏は「アッカにとって免許の取得が必要なビジネスは初めて。免許競争にも初めて参加するが、こういっったものがいかに政治的かというのを感じている」と話した。

 湯崎氏は、オープンな水平分業型のビジネスモデルを導入することで、モバイルWiMAXのネットワークを使ったさまざまなサービスが展開されるとし、IPテレビ放送やゲームや音楽、医療などの分野を紹介した。また、1つのIDで複数の端末が使えるようにするため、各端末が安く購入できる必要があるとした。

 アッカ・ワイヤレスでは、免許取得後、2009年3月にもサービスを開始する方針。利用料は定額制となり、3,000~5,000円程度になる見込み。当初はカード型端末を投入し、その後、スマートフォンやゲーム機、ビデオカメラ、車などにも展開するとしている。

 また、MVNOも積極的に展開していく方針で、料金などを明示した標準プランを明示する方針だ。事業計画では、2012年に経常利益の黒字化、2013年に500万加入を達成するとしている。なお、設備投資額は累計2,000億円としており、湯崎氏は「売上げ310数億円の会社で2,000億円の設備投資ができるのかと言われるが、そこはパートナーと一緒にしっかりとやっていきたい。ドコモには寛大な支援をいただいており、ドコモのビジネスと衝突を起こす部分もあるが、どんどんやって欲しいと言われている」と語った。


事業計画 人口カバー率は2012年にも50%へ

エコシステム 出資パートナーによるサービス体制


URL
  NGN+S2007 Autumn
  http://www.ric.co.jp/expo/ngns2007a/
  アッカ・ネットワークス
  http://www.acca.ne.jp/

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(津田 啓夢)
2007/11/20 19:47

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