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【BREW 2008 CONFERENCE】
ケータイとノートパソコンの間を狙うSnapDragonチップセット

クアルコムのMangit Gill氏
 「BREW 2008 CONFERENCE」にあわせて行なわれたプレスツアーでは、クアルコムの半導体部門であるCDMA TechnologiesのQCT Product Magagement DirectorのManjit Gill氏が、同社が開発した新しいチップである「SnapDragon」についての説明を行なった。

 SnapDragonはCPUとDSP、さらにCDMA2000やUMTS(W-CDMA)などの通信機能を包括したチップセットのファミリーネームである。同社の携帯電話向けMSMチップセットシリーズよりも高機能で、新しいデバイス分野にフォーカスして提供される。

 Gill氏はまず、「Pocket」と「Mobile」のデバイスを、ディスプレイサイズを基準に分類。2インチ以下が通常のケータイ、2.5インチ前後が高機能ケータイ、3.5インチまでがスマートフォンで、そして12インチ以上をノートパソコンとした。そして、スマートフォンとノートパソコンの間の4~6インチのディスプレイを搭載した端末を「Pocket Computing Device(PCD)」、7~12インチを「Mobile Computing Device(MCD)」と定義した。SnapDragonはこのPCDとMCDをターゲットとしたチップセットとなる。

 PCDは、大きさなどはインテルが提唱するMIDとほぼ同等となる。ディスプレイは常に表示され、エンターテイメント機能なども搭載する。ただしインテルと異なり、クアルコムは音声通信機能も必須だと定義している。

 MCDはEeePCなど簡易ノートパソコンと似た位置付けで、タッチタイピングが行なえるようなフルキーボードの搭載などが想定されている。Gill氏は、「SnapDragonによって小型化されれば、新しいセグメントとして立ち上がるだろう」と語った。


クアルコムによるモバイルデバイスの分類 PCDとMCDの特徴

SnapDragonが動作する試験用のボード
 今回のプレスツアーでは、クアルコムの開発試験用ボード(SURFと呼ばれている)でSnapDragonを動作させるデモも行なわれた。

 デモで使われたSnapDragonは、CPUコアが1GHzのもの。CPUコアは、ARMからアーキテクチャライセンスを取得し、クアルコム自身がデザインしたもので、「Scorpion」と名付けられている。これまでもMSMチップなどでARMのコアは使用されていたが、クアルコム自身が設計するのはScorpionが初めてだという。このほかにも、DSP(第6世代のQSD)やATIによるグラフィックコア(22メガポリゴン/秒クラス)などが内蔵されている。

 デモでは、SnapDragonでWindows MobileやLinux OSを動作させていた。いずれも高速に動いていて、アプリこそWindows MobileやLinux向けのものだが、OfficeアプリやGoogle Maps、フルブラウザなど、パソコンと遜色のない動作だと感じた。

 SnapDragonはチップの構成としてはMSMチップなどと大差はなく、SnapDragon以外にはメモリコントローラーなどがあれば動作するという。デバイスとしてはケータイ並に小型化が可能だが、用途からするともっとディスプレイの大きなデバイスに搭載される可能性が高いという。

 デモでは動画の再生など、高度な処理も行なわれていたが、チップ自体にはヒートシンクなどの冷却機器はつけられておらず、素の実装状態のままで動作していた。また動作中に素手で触っても、「暖かいが熱くはない」というレベルの発熱で収まっていた。SnapDragonは高負荷をかけても消費電力は500mW程度ということで、こうした低発熱・低消費電力性も特徴の一つとなっている。


試験用ボード上のSnapdragon。ヒートシンクなどは装着されていない SnapDragonで動作しているWindows Mobile。VGA解像度でサクサク動いている


URL
  BREW 2008 CONFERENCE(英文)
  http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2008/

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(白根 雅彦)
2008/05/29 19:39

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