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【BREW 2008 CONFERENCE】
MediaFLOもアピールするBREW CONFERENCEの展示エリア

ソフィアシステムズによる開発ツールの展示
 「BREW 2008 CONFERENCE」では、講演セッション以外にも展示エリア(パビリオン)も設けられている。BREW CONFERENCE自体がメーカーや開発者をターゲットとしたイベントなだけに、パビリオンも開発者向けの展示がメインとなっている。

 日本からは組み込み機器向けの開発ツールなどを手がけるソフィアシステムズが、BREWのデバッグツールを展示している。同社のツールは、BREW端末とパソコンをケーブルで接続することで、BREW端末上で動作するプログラムのエラーなどをパソコン上で追跡できるというもの。BREWアプリのデバッグ用には、パソコン上のシミュレーターなども提供されているが、同社のシステムならば実機上でより正確なデバッグが行なえるという。

 このほかにもパビリオンには、BREW関連の開発ツールやミドルウェア、米国のコンテンツプロバイダーや一部の端末ベンダーもブースを出展していた。

 直接BREWに関する展示ではないが、パビリオンの中央には、クアルコムによるMediaFLOの特別仕様車両が展示されていた。同車両には、運転席と助手席のヘッドレスト背面にディスプレイが埋め込まれていて、後部座席からMediaFLOの番組を視聴できるようになっている。


MediaFLOの特別仕様車 後部座席の前にMediaFLO用の画面が搭載されている

MediaFLO対応のモトローラ製Verizon端末(左)とサムスン製AT&T端末(右)
 MediaFLOは、米国では昨年3月からVerizon Wirelessの「V CAST Mobile TV」が、今年5月からはAT&T Wirelessが「AT&T Mobile TV」としてサービスを開始している。まだアナログ放送が残っている地域もあるため、全国で使えるわけではないが、今年からはサンディエゴでも放送が始まっているため、実際の商用サービスを試すことができた。

 VerizonとAT&TのMediaFLOはいずれも、MediaFLO事業者であるMediaFLO USAが番組編成から放送波送信までを行なっているため、サービスの内容や品質にはあまり差がない。基本の8チャンネルは共通で、VerizonとAT&Tそれぞれが2つずつ、独自編成のチャンネルを放送し、さらに現在はAT&Tがライブコンサート専門の特別チャンネルを放送している。

 対応端末は、サムスンやモトローラ、LGから数機種が発売されている。今回試したサムスンとモトローラの端末は、画面サイズはいずれも2インチ程度。海外では標準クラスだが、日本の水準からするとちょっと小さめだ。しかしその分、手に持ったときには2回りも小さく感じられる。LGからは、ちょっと画面が大きめの、「PRADA Phone」と同じUIを持つMediaFLO対応端末が販売されている。


AT&TとVerizonで同じ番組が放送されている 国内のワンセグ端末(右)との比較。画面は国内端末の方が大きい

放送画面。動きの少ない場面では細かい文字も読み取れる
放送はQVGA解像度となっている(コンテンツによっては上下に黒枠が入ったりもする)。動きの激しい場面ではブロックノイズが見られるものの、画質はおおむね日本のワンセグより上だと感じられた。ちなみにMediaFLOの仕様では、ビットレートは可変で、端末側が対応できれば、特定のチャンネルや特定の番組だけ高ビットレートにしたり、VGAで放送したりできる。

 受信状況は安定していて、アンテナ(端末)の方向を問わず、屋内でも視聴が可能だった。しかし、車での移動中に山に囲まれた高速道路の陸橋をくぐった際、短時間だが画像がとぎれるところも見受けられた。

 MediaFLOは、携帯電話事業者と「Subscription(購読権)」を契約して視聴する。基本契約はVerion、AT&Tともに月額15ドルで、パケット定額付きのパックだとVerizonは月額25ドル、AT&Tでは月額30ドルとなる。料金を支払うと、通信で視聴用の鍵がダウンロードされ、放送波を再生できるようになる仕組みだ。

 このためテレビ視聴アプリには、Subscriptionの管理メニューがある。このほかにも、テレビアプリのオンラインアップデート機能やペアレンタルコントロール機能、番組表機能などが搭載されている。ただし、タイマー録画機能はない。


番組表画面。端末によって実装が異なる模様 購読権(Subscription)の管理機能

MediaFLOのサブメニュー ペアレンタルコントロール機能

 MediaFLOの仕様には、放送された映像を自動的に端末へ保存する「Clipcasting」機能が用意されているが、現在のサービスではサポートされていない。その理由をクアルコムは「現在は伸縮アンテナの機種があるが、そういった機種だと待受状態の受像環境が安定しないから」と説明している。将来的に、安定して受像できるように環境になれば、Clipcastingのサービスにも期待できそうだ。

 米国ではMediaFLOが昨年3月から開始されているとはいえ、まだ放送が開始されていないエリアがあるなど、本格的なサービス開始とは言い切れないイメージもある。しかし実際に使ってみた印象では、端末の完成度は十分、放送品質も申し分ないと感じられた。



URL
  BREW 2008 CONFERENCE(英文)
  http://brew.qualcomm.com/brew/brew_2008/
  ソフィアシステムズ
  http://www.sophia-systems.co.jp/

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(白根 雅彦)
2008/05/30 23:10

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