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石井英男の「COMPUTEX TAIPEI 2001」レポート
1枚4役のPCカードアダプタやCFカード型HDDなど

 昨日に引き続いて、COMPUTEX TAIPEI 2001レポートをお届けする。今回は、会場で展示されていたPCカード関連製品を紹介していくことにしたい。なお、Bluetoothに関しては別途まとめて紹介する予定であり、ここでは主にストレージに関する話題を紹介する。


1枚4役のPCカードアダプタが登場!

 デジカメやICレコーダなど、記録メディアとしてスマートメディアやCFカードに代表される小型メモリーカードを採用している機器は多い。そうした製品を複数使っていて困るのは、小型メモリーカードの規格が乱立しているため、ノートパソコンとの間などでデータをやりとりしようとすると、それぞれ別々のアダプタが必要になることだ。例えば、デジカメひとつとってみても、スマートメディアを採用している製品もあれば、メモリースティックやCFカードを採用している製品もある。

 USB接続のカードドライブの中には、1台でスマートメディアとCFカードのそれぞれに対応するスロットを装備している製品もあるが、やはりノートパソコンにデータを転送するなら、PCカードアダプタを利用するのがスマートだ。自分の使っている製品は1種類の記録メディアで統一しているという人でも、友人のデジカメで撮影したデータを受け取ろうとした場合など、対応するPCカードアダプタを持っていなくて受け取れなかったという経験のある人もいるだろう。

 そんなユーザー(筆者もその1人だが)に朗報なのが、Carry Computer Engineeringが展示していた1枚4役の「Multi-Card Adapter」である。Multi-Card Adapterは、1枚でスマートメディア、SDメモリーカード、マルチメディアカード、メモリースティックの4種類の小型メモリーカードに対応しているので、複数のPCカードアダプタを持ち歩く必要がなくなる(残念ながらCFカードには対応していないが、物理的なサイズから考えても1つのスロットで5種類のカードをサポートするのはかなり困難であろう)。


1枚でスマートメディア、SDメモリーカード、マルチメディアカード、メモリースティックに対応したMulti-Card Adapter Multi-Card Adapterのキーパーツである4in1 Socket(左)とASIC(右)

 世界で初めて1枚で4種類のメモリーカードに対応するMulti-Card Adapterを実現できた秘密は、同社独自開発のASICと接点の形状に工夫が凝らされた4in1 Socketにある。メディアによって異なる形式のデータをASICがコンバートすることで、データのやりとりを可能にしているのだ。

 Multi-Card Adapterの量産開始は今年9月頃の予定で、実売価格は9800円程度になるという。スマートメディアやメモリースティックに対応したPCカードアダプタがそれぞれ8000円前後で販売されていることを考えると、値段的にもリーズナブルである。日本向けにOEM供給をおこなう話がまとまっているようなので、一刻も早い登場を期待したい。

 また、同社のブースには、4in1 Socketと通常のPCカードスロットを装備した3.5インチベイ内蔵タイプのPCカードドライブも展示されていた。こちらの製品は、IDEインターフェースにそのまま接続できるので、デスクトップパソコンと各種のデジカメなどを組み合わせて使う場合に最適であろう。その他、4in1 Socketではなく、先ほどの4種類に加えてCFカードに対応したスロットをそれぞれ装備(マルチメディアカードとSDカードは同じスロットで対応できるので、合計4つのスロットで5種類のカードに対応)した外付けタイプのカードドライブも展示されていた。こちらの製品の対応インターフェースはIEEE-1394である。4in1 Socketに比べるとエレガントさに欠ける気もするが、据え置きで使うには便利そうだ。


こちらは3.5インチベイ内蔵タイプのPCカードドライブ。この写真ではわかりにくいが、PCカードスロット(TypeIII対応)の下に4in1 Socketを装備している PCカードドライブを正面から見たところ。PCカードスロットと4in1 Socketのサイズの違いがはっきりわかる

PCカードスロットにささっていたPCカードを抜いたところ。4in1 Socketが見える IEEE-1394経由で接続する外付けカードドライブ。4つのスロットを装備し、5種類のメモリカードに対応する

マイクロドライブへの対抗馬登場! RITEKのCompactStor

RITEK Corporationが展示していたCFカードTypeII HDD「CompactStor」
 RITEK Corporationのブースでは、CFカードTypeIIのサイズで1.1GBの容量を実現した超小型HDD「CompactStor」が展示されていた。CFカードTypeIIのHDDといえば、IBMのマイクロドライブがすでに市販されているが、CompactStorはコストパフォーマンスの高さを武器に、マイクロドライブの強力なライバルとなりそうだ。

 ブースでは、実際にCompactStorに格納した動画データをノートパソコンで再生するデモをおこなっていた。CompactStorの量産開始は今年8月の予定で、価格はオープンプライスだが、IBMの1GBマイクロドライブの半額程度で販売したいとのことだ。また、今後のロードマップだが、2002年には2GBの製品を投入する予定で、3GBの容量も視野に入っているとのことだ。2~3GBの容量があれば、PDAで高品質の動画を再生することも十分可能になる。

 また、同社のブースでは、超小型光メディアDataPlayも展示されていた。DataPlayのメディアは、同社が製造してDataPlay社にOEM供給されるとのことだ。


CompactStorに格納した動画データをノートパソコンで再生するデモ。CompactStorは、テスト用基板経由で接続されている(左端がCompactStor) CompactStorにもう少し寄ったところ。CompactStorがシースルーになっているので、内部の動作が確認できる

こちらにも電源が入って、動作しているところを見せていた(実際にデータの読み出しや書き込みはおこなっていなかったが) 超小型光メディア「DataPlay」。500円玉大の大きさで500MBの容量を実現

中身が透けて見えるシースルーCFカードや640MBの大容量CFカード

Pretec Electronics Corporationブースで展示されていたシースルーCFカード。このCFカードでは、Pretec製のコントローラとSAMSUNG製のフラッシュメモリが使われていることがわかる
 CFカードやPCカード関連製品を積極的に開発しているPretec Electronics Corporationのブースで見つけたのが、内部が透けて見えるSee-Thru(シースルー)CFカードである。中身が透けて見えるからといって機能的なメリットは特にないが、なんとなく物欲をかきたてられる製品だ。

 ハギワラシスコムやメルコから販売されているスマートメディアの中に、こうしたシースルー(いわゆるスケルトン)タイプの製品があったと思うが、スマートメディアの場合、金色の接点部分の下にフラッシュメモリチップのダイが直接実装されているので、シースルーになったからといってそれほど面白くはない(裏から見れば実装の様子が分かるはずだが)。

 しかし、CFカードでは、フラッシュメモリチップとコントローラチップが基板上に実装されている。そのため、中身が透けていると、フラッシュメモリやコントローラチップのベンダーが分かるので面白い(などと思うのは筆者だけかもしれないが)。シースルーCFカードは完全にシースルーというわけではなく、周囲が額縁状に塗装されていたが、その色も何色か用意されているようだ。シースルーCFカードは、すでに量産出荷中で、価格は通常のタイプのものに比べてわずかに上がる(例えば、128MB品なら通常のタイプが100ドルくらいなのに対し、シースルータイプは105ドル程度になるそうだ)。


 その他、CFカードTypeIIながら640MBの大容量を実現した製品やCFカードTypeIで512MBを実現した製品も展示されていた。PretecのCFカードは防水仕様であるとのことで、水をかけながらCFカードにアクセスを行なうデモも実演されていた(もちろん、CFカードスロットの接点部分や基板部分は全てコーティング剤でしっかりカバーされている)。

 また、ケータイWatchネタからはやや外れる気もするが、IDEインターフェース経由で接続するフラッシュドライブも展示されていた。その中でも最も小型のMIDEと呼ばれる製品は通常のIDEコネクタを少し延ばした程度のサイズしかなく、IDEコネクタに直接装着することができる。容量は128MBや192MBのものが展示されていたが、Linuxベースで小型のインターネットアプライアンスを作る場合などに向いているだろう。


カラーバリエーションも4色ほど用意されているようだ CFカードTypeIIに準拠した640MB CFカード。出荷は512Mbitフラッシュメモリチップの量産が開始されてからになるとのことだ

CFカードTypeIに準拠した512MB CFカード。こちらも出荷は512Mbitフラッシュメモリチップ待ちになる 動作中に水をかけても大丈夫というデモ。CFカード以外の部分には、完全に防水加工が施されている

IDEインターフェイス対応のフラッシュディスク。下が1.8インチタイプ(PCカードTypeIIIとほぼ同じサイズ)と1.3インチタイプで、上にあるのがIDEコネクタサイズのMIDE 2つのIDEコネクタにMIDEがそれぞれ装着されている。奥のMIDEはプラスチックカバーが外され内部の基板が剥き出しになっている


(石井英男)
2001/06/06 00:00

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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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