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CeBIT 2001(3/22~3/28)
スペシャルレポート

携帯電話業界にとっても世界最大の展示会

 3月22日からドイツのハノーバーで開催されている「CeBIT 2001」。すでに、現地からのレポートをお送りしているが、今週の連載は「CeBIT 2001」を見て、筆者が感じたことなどを中心にレポートをお送りしよう。


世界最大の展示会「CeBIT」

会場のほぼ中央に位置するプレスセンターのビルからHall1方向を望む
 CeBIT 2001の話を始める前に、CeBITそのものについて、少し触れておこう。CeBITはドイツのハノーバーにある「ハノーバーメッセ」というところで開催されている。昨年、万博が開催された(日本も出展)ので、ご存じの人も多いだろう。CeBITは日本語的に読むと「セビット」だが、英語では「シィビット」と表現される。

 CeBITが開催されているハノーバーメッセは会場の敷地が100万平方メートル以上、展示スペースだけでも46万平方メートルもあるという巨大な見本市会場だ。展示ホールが26もあり、通信関連だけでも7つもの展示ホールを使っている。なかには1つの展示ホールが幕張メッセの1~8番ホールの合計よりも広いホールも存在するのだが、展示スペースが足りないため、空いている敷地にテントが張られ、来年には新しいホールも完成するという。

 会場がこれだけ広いと、徒歩だけではとても移動できない(不可能ではないが、とっても疲れる)ため、来場者のため、プレスのために巡回バスや巡回タクシー(もちろん無料)が走っている。なかには会場を効率よく移動するために、キックボードを持ち歩く人もいる。筆者が取材する展示会の中でも群を抜いて体力を消費する展示会であり、帰国後には確実に数kgのダイエットができる(笑)。

 CeBITには期間中、全世界から70万人以上が訪れるため、ハノーバー市内はもちろん、周辺都市のホテルも満杯になる。ちなみに、筆者と編集スタッフYはハノーバーから100kmほど離れたブレーメンに滞在し、毎日、鉄道で1時間ほど揺られながら、会場に「通勤」している。同じインプレスの他誌のスタッフはハンブルグ、筆者の知り合いの他社スタッフはハノーバー市内の民宿といった具合いに、みんな周辺地域から鉄道などで通勤している。


来場者が会場内を移動するために提供されているバス。会場内のあちこちを何台も走り回っている 出展者向けにもバス(というには小さいが)が用意されている。主に展示ホール間の決められたルートを走っている。プレス向けバスも同サイズのクルマを使用

CeBIT 2001で始まるケータイ世界戦略

 CeBITはコンピュータや通信をはじめとするIT関連だけでなく、事務機器やOAなども含んだ総合的なビジネス展示会として開かれている。当然のことながら、ここ数年、PC関連の出品がトップニュースとして扱われているが、今年はどうも主役が携帯電話やPDAなどの小型デバイスに移行し始めているようだ。CNNなどのニュースで携帯電話関連がトップで報じられていることからも主役交代が実感できる。

 今年のCeBITを取材して気づくことは、携帯電話関連における日本企業の頑張りだ。昨年、CeBITを取材したとき、日本企業の出展が少なく、「もっと日本のケータイ文化を輸出すればいいのに……」と感じたものだが、今年はNTTドコモをはじめ、メーカーやソフトウェアベンダーなども数多く出展し、注目を集めている。

 我々日本人にとって、まず気になるのはNTTドコモの出展だ。iモードで国内市場をリードするNTTドコモは、AT&T Wireless(米国)やKPN MobileN.V.(オランダ)、Hutchison 3G UK(英国)など、海外の携帯電話事業者に出資し、iモードの世界市場への展開を目論んでいるが、ヨーロッパではどのように受け入れられるのだろうか。

 先日の速報レポートでも紹介したように、GSM携帯電話のエリアでは回線契約と端末販売が切り離されている。たとえば、ドイツ国内で携帯電話のサービスを提供するのはドイツテレコム系「T-mobile」、英Vodafone系「D2 mannesmann」といった携帯電話事業者で、端末を開発するのはノキアやエリクソン、モトローラといったメーカーだ。携帯電話ショップでは、基本的にどのメーカーの携帯電話でも好きな携帯電話事業者の契約をすることができる(事業者系のショップでは機種が制限されることもある)。日本でたとえるなら、503iシリーズをJ-フォンの契約で利用できるのと同じことになる。


NTTドコモのブースではiアプリのデモンストレーションの人気も高い。日本の展示会の風景に似てきたかも?
 こうした特徴を持つヨーロッパのエリアにおいて、NTTドコモという携帯電話事業者が503iシリーズのような高機能な端末を持ち込んでも今ひとつ理解されないというのが実情だ。業界関係者なら理解できるかもしれないが、おそらく一般の来場者の多くは「NTTドコモは事業者? メーカー?」と戸惑っているはずだ。

 ただ、iアプリをはじめとする日本のケータイの機能は、ヨーロッパの携帯電話と明らかに次元が異なるため、一般の来場者も難しいことを抜きに「これは面白そうだ」という反応を示しつつある。会場内で耳にした面白い反応としては、ハードウェアを開発する人たちからすると、NTTドコモのような多機能な携帯電話サービスには非常に興味がある反面、マーケティングを担当するような人々は「こんなの高くて売れない」「日本のやり方はヨーロッパで通じない」と捉えているようだ。

 また、NTTドコモは3月24日にCeBIT 2001の会場で企業向けセミナーを開催した。セミナーはなかなかの盛況で、Q&Aの時間が足りなくなるほどの反響だったが、ヨーロッパの業界関係者は「ホントにそんなに儲かってるの?」と疑心暗鬼に思っているようにも感じられた。当事者であるNTTドコモが語っている限り、なかなか信用してもらえないかもしれないが、日本のケータイの実情をいかに浸透させるのかが今後、NTTドコモが世界戦略を展開していく上での成功のカギを握っていると言えそうだ。


日本のケータイは世界を制することができるか?

 世界で最も普及している携帯電話と言えば、間違いなくヨーロッパで展開されているGSM方式だ。日本で提供されているPDC方式は日本ローカルのものであり、海外では採用されていない。

 しかし、携帯電話そのものの機能として見た場合、やはり、日本市場で販売されている製品の方が圧倒的に優れている。たとえば、世界最大のシェアを持つノキアでカラー液晶を搭載しているのはPDA型の「NOKIA 9210 Communicator」のみ、これに続くエリクソンがようやく今回はじめてカラー液晶を搭載した「T68」を発表した程度。日本の市場は今さら説明するまでもないが、発売されるほとんどのモデルにカラー液晶が搭載されており、TFTカラー液晶や6万色も表示が可能なモデルが発売されている。すでに海外市場で携帯電話事業を展開しているNECやパナソニックといったメーカーは、今回のCeBITにカラー液晶搭載モデルを投入し、来場者の注目を集めている。シャープや三洋電機といったメーカーも日本向けのカラー液晶搭載モデルを参考出品している。


三洋電機のブースではfeel H"のfeel soundの試聴コーナーが用意されている。着信メロディの出来に驚く人が多いようだ
 次に、着信メロディ。日本では和音対応の着信メロディが当たり前であり、feel H"のfeel soundのようなリアルな着信メロディも楽しむことができる。これに対し、GSM携帯電話はほとんどが単音であり、ようやく今回3~4和音対応のものがメーカーから登場したレベルでしかない。余談だが、日本向けの端末を参考出品している日本のメーカーのブースで、来場者は操作方法がわからず(メニューが日本語だから当然)、そのまま放置されていたところ、編集スタッフYが自ら操作して着信メロディを鳴らすと、周りに人だかりができたといったこともあった。

 この他、液晶ディスプレイのサイズにしても待ち受け画面にしても日本のケータイの方が確実に優れている。おそらく日本のメーカーに対抗できる海外メーカーがあるとすれば、韓国のSamsungくらいだろう。ノキアやエリクソンといった世界のトップメーカーが日本製ケータイを上回る部分があるとすれば、着せ替えやデザインセンス(個人によって好みはあるが)くらいだ。「NOKIAの携帯電話は、北欧のような寒い地域でも手袋をした状態で操作できる」と優位性を訴える人もいるが、はたして現在の携帯電話にとって、それは購入を左右する重要なことだろうか。今後、携帯電話が人間に最も近いコンピュータとして進化を遂げていく上で、環境の変化に対応できることより、機能やコストの方が優先されるはずだ。現に、CeBIT 2001の来場者は日本のケータイに触れ、確実にいい反応を示している。

 以前、旧DDI-セルラーの人が日本のメーカーにcdmaOne端末の開発を打診するとき、「cdmaOne端末を開発すれば、世界市場に飛び出せる」といって口説き落としたという。また、先日、NTTドコモの立川社長は「数年後、携帯電話メーカーのシェアは逆転している可能性がある」(日本のメーカーがトップ3に食い込めるという意味)と話していたそうだ。今回のCeBIT 2001を取材して、これらがまったく夢ではないことを実感させられた。普及率では日本を上回る国もいくつかあるが、提供されているサービスと端末の機能、そしてそれらを活用するユーザーを含めた総合的な成熟度は、日本の方が間違いなく優れている。こうした成熟した技術やノウハウを日本ローカルのもので終わらせるのか、かつて任天堂やソニーがゲーム機で世界市場を席巻したように、世界のケータイに成長させることができるのか。今回のCeBIT 2001はそのひとつのターニングポイントになるイベントなのかもしれない。


・ CeBIT 2001(英文)
  http://www.cebit.de/homepage_e


(法林岳之)
2001/03/27 00:00

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