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「CommunicAsia2001」レポート
ドコモ夏野氏講演、ドコモはiモードの世界進出にも自信

 シンガポールで開催されているIT総合展示会「CommunicAsia2001」で、NTTドコモ ゲートウェイビジネス部の夏野剛氏は「DoCoMo’s i-mode ? Toward Mobile Multimedia in 3G」と題した講演を行なった。


・ CommunicAsia2001(英文)
  http://www.communicasia.com/

iモードはテクノロジーではない

NTTドコモ ゲートウェイビジネス部 夏野剛氏
 講演は英語で行なわれ、夏野氏は冒頭、503iシリーズの「Java対応」や「16和音メロディ」「カラー液晶」などの特徴を流暢な英語で紹介。ヨーロッパではまだカラー液晶搭載の携帯電話は一般的ではなく、各社が発売予定の試作品を展示するにとどまっている。それに対して503iはこれらの機能を実現し、ヨーロッパの先を行っていることを「Not Conceptual!」と強調した。実際に夏野氏が手にした503iで着信メロディを鳴らせて見せると、日本の携帯電話を知らない聴講者が大多数の会場からは驚きの声があがった。

 続いて現在のiモードの状況として、「ユーザー数2460万人」「コンテンツプロバイダ994社」などの最新の数字を紹介し、ユーザーが増えたからコンテンツが増え、コンテンツが増えたからユーザーが増えた、という「ポジティブフィードバック」がiモードの拡大に寄与したと述べた。また、1月に販売開始された503iシリーズのユーザーが365万人いると数字をあげ、「このシンガポールの人口くらいだ」とすると会場は笑いに包まれた。

 このポジティブフィードバックが起きた理由として、夏野氏は「テクノロジーがコンテンツプロバイダーにとって魅力的」「ビジネスモデルがコンテンツプロバイダーにとって魅力的」「マニア向けにするのではなく、一般消費者向けにする」の3つのポイントを挙げた。

 特に夏野氏が強調していたのは「iモードはテクノロジーではない」ということである。優れたテクノロジーはマニアユーザーに受けるかもしれないが、夏野氏は「マニアでは2400万人にはならない」として会場の笑いを誘った。

 夏野氏によると、テクノロジー自身はコンシューマーに無益で、テクノロジーがポジティブフィードバックを産むのではないという。それよりも大切なのは、コンシューマーにとって有益なコンテンツを、コンテンツプロバイダーが作りやすいようなテクノロジーを採用することだという考え方を示した。


「iモードユーザー数」「コンテンツプロバイダー数」「一般サイト数」が影響を及ぼしあう「ポジティブフィードバック」。夏野氏の講演にはお約束の図であるが、数字は最新のもの。この数に、海外聴講者からため息も ポジティブフィードバックのための3カ条。通信事業者(Operator)や端末メーカー(Wireless vendor)よりも、コンテンツプロバイダーと一般消費者を重視するのが成功の秘訣という

iモードの開発戦略 夏野氏による講演のまとめ。通信業界だけでは何もできないので、あらゆる業界(ゲーム業界や金融業界など)の協力が必要とも語っている

「カラーのミッキーマウスの入った携帯電話が欲しくないか」

 講演の中で夏野氏は、iモードの海外進出についてはほとんど語らなかったが、講演後には欧米からの記者から「iモードの世界進出を考えた場合、世界的にスタンダードなWAPからiモードに乗り換えるのはおかしいのでは?」という質問があった。夏野氏はこれに対し、「スタンダードを数の面から考えるならば、iモードがデファクトスタンダードだ」と答え、コンテンツプロバイダーに有利なテクノロジーを採用することが重要だと語った。

 海外の講演だけあって、各国の記者が考える「iモードの成功は日本独自の現象なのでは?」という疑問に対し、夏野氏はあらかじめ予稿集内に設けたFAQで「カラーのミッキーマウスの入った電話が欲しくないかい?」と答えている。また講演の中でも「欧米人がボタンの小さな携帯電話でインターネットはできないと考えるのは言い訳に過ぎない」と語って会場を沸かせるとともに、iモードは世界で成功するという自信を示した。

 なお、夏野氏は次世代携帯電話のサービス「FOMA」については、公演中ほとんど触れなかった。Javaや動画配信についても、それらはあくまでHTMLの付加機能と位置付けており、テキストのままで十分なものは、テキストのまま残るだろうという考え方を示した。

 最後のまとめとして夏野氏は、モバイルインターネットがすでに現実のものとなっていることを世界に対して証明することがドコモの今後の課題だと語った。


iモードユーザー数の変遷 iモードユーザー数の増加と、1人あたりのパケット通信料の増加グラフ。ユーザ数が増えると互いのコミュニケーション量も増え、さらにコンテンツも増えるので通信料が増えていく。この流れを作るのが重要とか

・ NTTドコモ、「CommunicAsia2001出展」のお知らせ
  http://www.nttdocomo.co.jp/release/topics.html


(白根 雅彦)
2001/06/21 00:00

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