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【WIRELESS JAPAN 2001】
ツーカー、3G時代の2Gサービス~横並び・追随から“独自性”へ

ツーカーセルラー東京 取締役企画部長 有田 重夫氏
 WIRELESS JAPAN 2001と併催されているコンファレンス「WIRELESS CONFERENCE 2001」の2日目、ツーカーセルラー東京取締役企画部長 有田 重夫氏が「ユーザーの要望に応えるPDC携帯電話サービスのあり方」と題して講演を行なった。

 有田氏は講演の冒頭で、これまでの携帯電話の進化の歴史を紹介した。エリア拡大競争から始まり、端末の軽量化やバッテリーの持ち、割引パックプランの登場、ショートメッセージサービス、着メロ、インターネット接続などの競争が続いてきたことを説明。1999年以後、携帯電話の高機能化が進み端末価格が上がったが、加入者獲得競争が激しいためその分をユーザーに負担させるわけにいかず、加入コストが上がりキャリアの収益を圧迫する状況になっていると述べた。

 有田氏は、これまでのような横並び・追随競争について、「同じ土俵で戦えば、結局は体力、つまり資金力とマンパワーが豊富なところが勝つ。そういう意味では、国内移動体キャリアではドコモに勝てるところはないだろう。そのくらい格差がある」と、ツーカーにとってすべてのユーザー層をターゲットとする総花的な投資は得策ではないと強調。『横並び・追随から“独自性”へ』というテーマを掲げた。

 3Gへの移行を見送ったツーカーグループにとって、「2.5G(cdma2000 1x)、3G(W-CDMA)の時代にどうやって2Gが生き残っていけるか」の鍵は、この独自性にあるという。携帯電話の加入者数はすでに6000万人を超えたが、有田氏は「今後伸び率は従来より鈍化し、8000~8500万加入で市場が飽和すると見ている。そこまで普及すると、ユーザーニーズも多層化してくる」と述べ、「確かに3Gは素晴らしい。しかし、3Gのポテンシャルとユーザーの利用実態にはかなり大きなギャップがある」と指摘。2000年10月の野村総研の調査によれば、加入者全体のうち、保有している携帯電話がインターネット接続に対応していないユーザーが全体の58.3%を占め、保有している携帯電話がインターネット接続に対応しているが利用していないのが23.2%。携帯電話でインターネットを利用しているのは全体の18.5%という数字を紹介。また、携帯電話でのインターネット利用はメールが中心で、Webサービスも着メロ、画像、天気予報、ニュースなどデータ量の多くないサイトが主流であると述べた。

 有田氏は、これらユーザーの利用実態や、3Gの想定される料金を考えると「PDCは3Gには席巻されず、ユーザーは階層化していくだろう」と述べた。こうした状況の中、ツーカーは「いたずらにハイスペックを追わない」「常に手軽さとリーズナブルな料金を意識」しながら、その枠の中で新しさ・楽しさを提案していくのがツーカーの今後のスタンスであるとした。「この考え方で、満足していただけるユーザー層をターゲットとしてビジネスを展開していく」。


3Gのキャパシティと、携帯電話でインターネットを利用しているユーザーが2割程度という現状。3Gスタート後、そのギャップがどれほど埋まるのかと指摘 今後携帯電話のユーザー層は階層化。ツーカーではターゲット層を明確にし、ツーカーならではのユーザーニーズに密着した魅力を提供していくという

今後ツーカーでもPDCで28.8kbpsパケット通信サービスの提供を予定。「28.8kbpsであれば、テレビ電話などの動画を除けば、静止画通信、Webアクセスなどはストレスなく利用できる」と3Gに移行しなくてもユーザーのニーズはほぼ満たせることを強調した。また、PDCの強みとしてはすでに成熟した技術であり安定性があること、東名阪で99%の人口カバー率を持つこと、1.5GHzのPDCという単一システムであるため、設備効率が高いなど、運用実績があるシステムならではのメリットも多いことを挙げた。さらにツーカーグループでは、今後は地下などのアンテナ設置を進め、いつでもどこでも安定して使えるという携帯電話の基本性能を高めていくとした。

 有田氏は最後に、こうしたツーカーの差別化戦略第1弾として発表された64和音の音楽データ配信サービス、“funstyle”対応端末「TK11」を紹介。MIDI音源チップを端末に搭載し、MIDIデータのダウンロードサービスを行なうことで、音楽データなら1曲3~4MBとなるところ、ダウンロードする間の通信料が平均約13円(データは30~40KB)に抑え、良い音をより手軽に利用できると説明した。「おかげさまでTK11は、発売3週間で大変好調に売れている。今後他社が追随してきた時には、また別の新しい価値を作っていく。手軽に、身近に、ユーザーが必要とするもの、望むものを提供していくということが、ツーカーグループの存在意義だ」として、講演を終えた。


ツーカー、64和音の音楽データ配信サービス「funstyle」
ツーカー、funstyle対応のEZweb端末「TK11」

・ 情報通信利用に関する第8回実態調査(野村総研、2000年10月25日発表)
  http://www.nri.co.jp/news/2000/001025.html


(工藤 ひろえ)
2001/07/23 00:10

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