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シャープおよび三洋のブースの模様については、それぞれ個別にレポートしたが、今回は各社の参考出品・新製品の展示や説明員の話から今後の携帯電話ディスプレイのトレンドを占ってみよう。 日立、三菱、エプソン、NECなど国内メーカーは、26万色表示・132×176ドット相当のTFT液晶を展示しており、いずれのメーカーも来年早々にも、こうした新型に置き換わっていくという見方を示していた。しかし、現行の携帯電話のインフラでは、６万5536色表示のTFT液晶で十分とするメーカーがほとんど。NECの説明員は「液晶の高機能化は第３世代携帯電話を見据えたもので、その布石として現行の携帯電話にも搭載される可能性が高い」と話しており、主な関心は第３世代携帯電話にあるようだ。 形状に関しては、従来、コントロールドライバが左辺・もしくは右辺に配置されている関係で、携帯電話に実装した場合にディスプレイ部分が横に若干ずれるなど、レイアウト上での問題があった。しかし、展示されていたほぼすべての新製品・プロトタイプは、液晶下部以外にドライバを配置しない「３辺フリー」となっており、今後の標準になるだろう。また、ドライバ部分を完全にパネルと一体化する製品も多く見られ、サブディスプレイの搭載などで巨大化が進む折りたたみ端末も、徐々にコンパクトになっていくものと見られる。 大まかなロードマップを描くとすれば、2002年前半には現在、一部機種が搭載するにとどまっている６万色・120×160ドットのTFT液晶が標準となり、その後、2002年中頃までにワンランク上となる26万色・132×176ドット相当のTFT液晶搭載機が登場すると見られる。同時期に三洋が有機ELを量産を開始する予定だが、複数のメーカーの説明員によれば「有機ELが液晶に完全に取って代わるのはまだしばらく先」とのことだ。 ブース内で目立った製品としては、NECが開発した低温ポリシリコンTFT液晶が挙げられる。シャープのシステム液晶同様、テキスト部分を完全に別にコントロールすることができ、字幕や文字放送といった動画配信を見据えたスペックになっている。360×480ドット（2.6インチ）で26万色の表示が可能だ。 一方、東芝ブースでは、携帯電話向け液晶パネルの展示がほとんどなく、低温ポリシリコンTFT液晶の製造技術で定評ある会社のブースとしては若干寂しいものがあった。 また、携帯電話向けではないが、ユニークなパネルがデンソーブースで展示されていた。「透明EL」と呼ばれるもので、まったく透明なガラス版に単色の表示がネオン版のように映るパネルだ。現在、どういった製品に応用できるかを検討しているという。ブースには、水槽内に透明ELを入れ、テロップを流すといったデモが行なわれていた。
・ LCD/PDP International 2001 http://expo.nikkeibp.co.jp/lcd/ ・ セイコーエプソン http://www.epson.co.jp/ ・ NEC http://www.nec.co.jp/ ・ 三菱電機 http://www.mitsubishi.co.jp/ ・ デンソー http://www.denso.co.jp/ ・ 東芝 http://www.toshiba.co.jp/ （伊藤 大地） 2001/10/31 20:02 | ||||||||||||||||
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