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Palm Computing Wireless Summit 2000(10/19)
【Palm Wireless Summit】DoPa対応のPalmを来年前半発売と発表

 パーム コンピューティングは都内で開発者向け会議「Palm Computing Wireless Summit 2000」を開催し、ワイヤレスインターネット接続サービスの概要を説明した。


米Palm社
最高マーケティング責任者
サジブ・チャヒル氏
 午前中に行なわれた基調講演の冒頭では米国Palm社の最高マーケティング責任者サジブ・チャヒル氏がスピーチを行なった。同氏は「モバイルインターネットサービス」「SDカードのサポート」「デベロッパー・ライセンシーの拡大推進」など、パーム社の戦略を示すとともに、今年7月と8月に全世界で販売されたPDAのうち、90%以上がPalm OS搭載機であったとして「Palm OSが事実上スタンダードになったと考えている」と語った。

 チャヒル氏のスピーチの途中にはジャストシステム社長の浮川氏が登場。同氏は10月下旬にパーム コンピューティングが発売するポータブルキーボードを手にとり「最初にこのキーボードを見たとき、ジャストシステムで販売したいとも思ったが、パーム コンピューティングが国内で販売する計画があると聞いて一緒にやらせてもらうことにした」と語り、ATOK Pocketがポータブルキーボードにバンドルされるようになった経緯を明かした。さらに同氏は、iモードやPC向けに提供されているASP型グループウェアサービス「eejoo」のPalm OS版を披露するなど、ジャストシステムがPalm OSプラットフォームに力を注いでいることを示した。

内ポケットから取り出したポータブルキーボードを広げ、手に掲げるジャストシステム社長の浮川氏 eejooのPalm OS版は後述するウェブクリッピングではなく、通常のブラウザ向けに提供される




 続いて「Palm.Netによるコンテンツ&アクセス総合ワイヤレスサービス」と題して米Palm社の最高執行責任者 バリー・コトル氏が米国におけるPalm向けワイヤレスネットワーク接続についてスピーチし、それに続いて「日本でのワイヤレス展開および戦略」と題して日本のパーム コンピューティング社長のグレイグ・ウィル氏らが日本におけるワイヤレス事業の展開についてスピーチした。

 スピーチの中では、NTTドコモのパケット通信サービス「DoPa」の通信機能を内蔵したPalmが来春に発売されることが明らかにされた。製品や通信仕様の詳細は公表されなかったが、米国で販売されているPalm VII同様に、Palm単体でネットワークに接続し、「ウェブクリッピング」という技術に基づくコンテンツを閲覧できるという。

 ウェブクリッピングはHTMLベースで記述されるパーム独自のコンテンツ技術。コンテンツプロバイダーはウェブクリッピング用のコンテンツを用意する必要があるが、iモード向けのコンテンツなどは容易にウェブクリッピング向けに移植することができるという。

 さらに、ウェブクリッピング専用のプロキシーサーバーと、「MyPalm」というポータルサイトもあわせて提供されるという。ユーザーはMyPalm上で検索し、コンテンツへのリンクを「ウェブクリッピングアプリケーション」という形でダウンロードすることができる。ウェブクリッピングアプリケーションはプログラムの形(.prcファイル)で提供され、ユーザーは通常のアプリケーションを起動させるようにしてウェブクリッピングのコンテンツにアクセスすることができる。

 また、ウェブクリッピングのコンテンツからPalm上のアプリケーションを起動させることも可能で、たとえば株価の数値データだけをダウンロードし、それに基づいてPalm上のアプリケーションがチャートを表示させるといったウェブクリッピングコンテンツも作れるという。

 なお、国内におけるウェブクリッピングは、近日中に日本語に対応したコンテンツ開発ツールとプロキシーサーバーが公開されるとのこと。また、コンテンツプロバイダーに代わってユーザーからコンテンツ利用料金を回収をする課金システムの導入も検討されているという。DoPa以外の方法でのウェブクリッピングの利用が可能になるかどうかは不明だが、海外ではモデムなどで対応コンテンツにアクセスすることができるようになっている。

 ウィル氏はスピーチの中で「コミュニケーションに主体を置くiモードなどではビジネス分野からの要求には十分に応えられない」として、「より表現力が豊かで、プログラミングも可能なPalmは、iモードなどの携帯電話と共存していくことができる」と語った。また、Palm単体でネットに接続するウェブクリッピングだけでなく、PCとのHotSyncを経由したウェブコンテンツのダウンロードも、Palmでのネット接続手段の1つとして今後も使われ続けるであろうという考え方も示した。

ウェブクリッピングの概要とシステム。基本的に米国で提供されているサービスと同じだが、Palmからプロキシサーバまでの接続にDoPaを使う点が米国と異なる。ちなみに米国ではワイヤレス接続システムを全体で「Palm.Net」と呼んでおり、8kbpsの通信速度で、一部の都市部においてのみ提供されている


ローカル上にあるリンク集とネット上にあるポータル「MyPalm」の画面 国内で提供が予定されているコンテンツ。「WCA」はウェブクリッピングアプリケーションの略


パーム コンピューティング社長のウィル氏はスピーチの中で、Palmとiモードなどの携帯電話とは違った方向性の端末であることを強調していた。しかし「未来はスマートフォンに統合」とも




 日本国内でサービス開始が予定されている10個以上のウェブクリッピングアプリケーションもあわせて紹介され、その中から数社が試験的に制作したコンテンツのデモを行なった。

 読売新聞社の羽布津氏は、iモード向けのコンテンツをウェブクリッピングアプリケーションに変換したもののデモを行なった。同氏によると、HTMLをベースとしているウェブクリッピングへの変換は、比較的簡単だったという。

 クリエイティブ・リンクの實方氏は「askU.com」のウェブクリッピング版のデモを行なった。askU.comはレストランやワインなどのガイドをするPC向けのサイトで、ユーザーによる評価も掲載している。デモではレストランの店舗情報やユーザー評価など、長文のコンテンツを表示させていた。

読売新聞によるデモ。ほぼiモードコンテンツのまま。長い新聞記事の表示などは、iモードより読みやすい。ちなみに写真はPC上のPalmエミュレータのもの askU.comのサービスメニュー。表示されているもののいくつかはまだ開始されていないサービス。1画面まるまる使って表示するため、アプリケーションを起動しているようにも見える



URL
  ニュースリリース
  http://www.palm-japan.com/pr/20001002.html
  パーム コンピューティング
  http://www.palm-japan.com/
  デベロッパー向けページ
  http://www.palm-japan.com/devzone/spp.html


(白根 雅彦)
2000/10/19 20:52

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