ケータイ Watch
インタビューバックナンバー

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「P-08A」開発者インタビュー
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[2009/06/23]



「P-09A」開発者インタビュー
基本機能が充実、ハイエンド志向の薄型ケータイ
[2009/06/19]



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[2009/06/18]



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[2009/06/17]



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[2009/06/12]



「K002」開発者インタビュー
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[2009/06/03]



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[2009/05/27]



「N-06A」開発者インタビュー
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[2009/05/22]



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[2009/05/22]



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[2009/05/22]



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[2009/04/09]



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[2009/04/01]



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[2009/03/11]



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[2009/03/05]



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[2009/02/27]



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[2009/02/19]



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[2009/02/06]



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[2009/02/06]



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教師側から見たケータイ文化
[2009/04/17]



ケータイユーザーの“本音”
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[2009/01/22]



キーパーソンインタビュー
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[2009/04/23]



キーパーソンインタビュー
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キーパーソンインタビュー
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[2009/02/19]



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請負から提案へ、東芝の目指すモバイルインターネットの世界
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ドコモ「パケ・ホーダイ」インタビュー
「トラフィック依存の体質から脱却するために」

 6月1日からスタートしたNTTドコモのパケット通信料定額制サービス「パケ・ホーダイ」。FOMA端末で利用するiモードメールや、iモードサイトへのアクセスといったサービスを月額3,900円(税込4,095円)で使い放題となるサービスだ。

 「パケ・ホーダイ」の出現は、どのような利用スタイルをもたらすのか、そしてNTTドコモはどんなサービスを提供していくのか。「パケ・ホーダイ」の立ち上げに関わった同社 iモード事業本部 iモードビジネス部 営業推進担当部長の永田 英昭氏に話を聞いた。


トラフィック依存のビジネスモデルから変化する

ドコモの900iシリーズ。「パケ・ホーダイ」はFOMA全端末で利用可能だ
 携帯電話・PHSにおける定額制サービスは、auやDDIポケットが先行してスタートしている。業界内でダントツのシェアを誇るドコモは、どういった理由で「パケ・ホーダイ」を提供することになったのだろうか。

 企画立ち上げから関わっていたという永田氏は、大きな狙いとして「トラフィックに依存した収益モデルからの脱却」を指摘する。

永田氏
 「従来のビジネスモデルは、たとえば大容量のiアプリを提供して、そのトラフィック収入で稼ぐというスタイルでした。しかし世の中の流れとして、トラフィックに依存する形は変えていかねばならないと考えた。固定網のインターネット接続サービスでは定額が当たり前。携帯電話でも他社が定額制サービスをスタートしており、今後はそうなっていくんだろうと。その時期が来たということです」

−2003年度の決算発表会では、今年度の収益予想として減収になるとの見込みが明らかにされましたが。

永田氏
 「一時的に苦しくはなるでしょう。従って、パケット通信をさほど使っていないユーザーがパケ・ホーダイを契約するというように、APRUの底上げを狙うことは課題の1つですね。もっとiモードを使ってもらえるサービスを提供しなければならない。ただしユーザー数は飽和しているので厳しい環境でしょう」


検討開始から約3カ月で発表

 永田氏によれば、本格的に「パケ・ホーダイ」の検討が開始されたのは2003年末頃という。同サービスが発表されたのは、3月下旬に催された立川社長の定例記者会見だ。検討開始から3カ月ほどで発表されたことになる。

永田氏
 「1つは、トラフィック依存のビジネスモデルでよいのかという点から料金施策を検討してきたんです。その結果が、今回のパケ・ホーダイやパケットパックの値下げですね。それ以外にもあるんですが、現時点で実行できるのはその2つということ。それから(検討開始から3カ月で発表したのは)競争環境の激化という面もあります。インターネット、特に携帯電話では流れが速いですから、スピーディに意思決定していかなければならないということです」

 2001年10月にスタートしたFOMAは、しばらく契約者数が伸び悩んだ状態が続いたものの、パケット通信料の割安感などがユーザーの間で広まり、昨秋から急激に利用者数が増加している。その一方で、ドコモ全体としては単月の加入者純増数が伸び悩む傾向が見られ、さらにauが「CDMA 1X WIN」の提供を開始。「パケ・ホーダイ」の登場は、携帯電話を巡る環境の変化をドコモが危機感を持って捉えたことの表われとも言えそうだ。


ネットワーク制御は2種類

「パケ・ホーダイ」は、3月24日の立川社長の定例会見で発表された(3月のドコモ定例会見資料より)
 「パケ・ホーダイ」の発表時、ネットワークの混雑状況によって帯域制限を受けるケースがあるとされていた。しかし永田氏によれば「地域や時間帯だけで制限するわけではない」という。

永田氏
 「パケ・ホーダイを実現したネットワーク制御技術は、(プロジェクト立ち上げ時期と)ほぼ同じ時期に開発を開始しました。技術の詳細は話せませんが、概念としては、無線系で混雑する地域や時間帯を監視し、さらにサーバー側でパケ・ホーダイユーザーの通信量や回数を監視するということです。パケ・ホーダイを利用すれば、どうしても回線の占有がありえます。サーバー側の制御に関しては、それを避けるために基準値を設けて、それに達したユーザーのスループットは抑えられる仕組みになっています」

−サーバー側の制御では、地域や時間帯は関係ないと?

永田氏
 「そうです。ユーザーの使い方次第で、全国どこでも基準値に達すると通信速度が抑えられるということです。もちろんあまりにも基準値が低ければ“パケ・ホーダイは使い物にならない”ということになりますから、そのバランスを保たなければならない。難しいところですが」

−では、その基準値というのはどういうものなんでしょう?

永田氏
 「それは、Webサイトなどを通じていずれ公開していきたいと考えています。やはりお客様にとってもどのような使い方をすれば基準値になるのか、知りたいと思われるでしょうから」

−ということは、現時点ではネットワーク制御の状況はどうなってるんでしょう?

永田氏
 「現時点では無線系の制御だけです。パケ・ホーダイユーザーが増加し続ければ、年末年始の時のように、ある程度制御することになります」


年度末にはパケ・ホーダイユーザーは200万人に

 携帯電話、そしてiモードのようなインターネットサービスが普及したことで、「パケ死」という言葉も生まれた。定額制の「パケ・ホーダイ」は、大きな安心感をもたらすが、本誌コーナー「けーたい お題部屋」を見れば、「必要ない」というユーザーの存在も大きい。

永田氏
 「ドコモとしては、全てのユーザーがパケ・ホーダイを利用するとは考えていません。FOMAユーザーのうち、15%程度が“得をするユーザー”ではないかと思っています。今年度の利用者数予測としては、年度末までに200万人程度になるのではないでしょうか。3,900円で定額制を利用するよりも、1,000円のパケットパックを選ぶユーザーは当然いるでしょう」

−ちなみに現時点での利用者数は?

永田氏
 「現時点ではまだ統計をとっていません。ただ、メインターゲットとして捉えているのは、やはり20代の方でしょうか。着信メロディなどのコンテンツをよく利用して、パケット通信量が多いのはいわゆる若年層。学生といった年齢層になってくると高額の利用料は厳しい場合もあるでしょうから、パケ・ホーダイを利用してもらえるでしょう。実際、今(パケ・ホーダイを)使ってる方は、利用スタイルをあらかじめ決めている人が多いでしょうね」

 現時点での詳細な利用者数は明らかにされなかったが、永田氏は「好調ということは申し上げられます」と述べ、自信を見せた。


パケ・ホーダイとあわせて発表されたパケットパックの料金改定は5月より実施されている(3月のドコモ定例会見資料より) ドコモでは、トラフィック依存のビジネスモデルから脱却していく考えだ(3月のドコモ定例会見資料より)

対象プランの追加はあり得る

−3,900円という価格、そしてプラン67以上が対象というのは、どういう点から決定されたのでしょう?

永田氏
 「正直言って、いろんな金額設定を検討しました。どの金額でどの程度利用されるのか、そして収益に与える影響ですね。さらに他社との競争も踏まえて3,900円という価格に行き着きました」

 「プラン67以上を対象にしたのは、もともと高トラフィックのユーザーを対象にしていたのです。いわゆるヘビーユーザーは、パケット通信だけではなく音声通話も比較的よく利用しているので、ある程度のプラン以上のほうが良いということになりますから。全ユーザーに対しては、ネットワークへの影響などを考えると厳しいですし、『定額制はちょっと……』というようなユーザーには、パケットパックでフォローしています。もちろん、音声通話はあまり使わないけれど、パケット通信はよく使うというユーザーを対象にして、プラン67よりワンランク低いプランでも適用できるようにすることはあり得ますね」

−ドコモでは高速なデータ通信が可能になるというHSDPA方式を来年度に導入するとしていますが、これが実現すればパケ・ホーダイの値下げに繋がると期待して良いでしょうか?

永田氏
 「いや、HSDPAだからといって値下げするわけではありません。競争上、そして価格政策上から検討していくことですから。検討の結果として同額のまま、あるいは値下げという可能性はあります」


どう使えばよい?

今夏にも非接触IC搭載端末を利用した「iモードFeliCa」がスタートする予定だ
 定額制が開始されたとはいえ、“定額制を前提としたサービス”は登場していない。ユーザーに対してどのような利用シーンを提案するつもりなのか。

永田氏
 「通信料を気にせず、携帯電話を生活のあらゆるシーンで利用してもらえることが大切だと考えています。今夏開始予定のiモードFeliCaもその1つですし、2次元コードもその一環と言えるかもしれません」

 「どのように使うか、というのはドコモが決めることではなく、それぞれのお客様自身が決められること。我々としてはパケ・ホーダイだけではなく、良い端末や良いプラットフォームを提供してトータルとして高い利便性を実現したいのです」

 たとえばiモードFeliCaは、今年度のドコモが予定するサービスにおいて、目玉の1つと言える。しかし現時点ではあくまでも将来像に過ぎない。パケ・ホーダイだから何ができるのかという面では明確になっていない点はあるが、永田氏は「まだ詳細は言えないが、トラフィックに依存しない新たなビジネスモデルは検討している」と語った。


ドコモはこれからも進化していく

−他社の定額制サービスと比べた場合、パケ・ホーダイのメリットは?

永田氏
 「3,900円という価格ではないでしょうか。基本料と合算した金額で見れば、ちょっと高いと思われるかもしれませんが、さまざまな割引サービスもありますし、FOMA端末であれば全て利用できるということも大きなポイントでしょう」

−ドコモへの乗り換えを検討しているユーザーへのアピールポイントは?

永田氏
 「既存の考えにとらわれることなく、進化していきたいと考えています。ユーザーからの声はもちろん届いていて、悪い言い方をすれば、『ドコモは儲けてばかりか』ということや、『トップだから驕りがある』という批判もありましたが、それを変えていきます。これからもユーザーを見つめながら、“ドコモは便利”と捉えてもらえるような施策をやっていきます」

 「パケ・ホーダイを利用するかどうかは、利用スタイルによって異なると思いますが、パケット通信をどんどん使うユーザーにとっては、本当にお得です。さほど使わない方にはパケットパックが魅力的でしょう。自信を持って勧められますね」

−ありがとうございました。

 ドコモとしては、料金面だけではなく900iシリーズのように従来よりも連続駆動時間や操作性などを改善した端末を提供していくなど、全体的に携帯電話の利便性を高めていきたいという。「パケ・ホーダイ」は、携帯電話の存在をより浸透させて、“生活ケータイ”に変貌させるための施策の1つと言えるだろう。



URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/

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(関口 聖)
2004/06/07 15:50

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