ケータイ Watch
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iモード FeliCa関係者インタビュー
“誰もが使えるプラットフォーム”を目指すNTTドコモ

 いよいよスタート時期が近づいてきたNTTドコモの新サービス「iモード FeliCa」は、実際の店舗でもスムーズに利用できるなど、通話や通信とは一線を画した存在だ。

 NTTドコモは、どのようなビジョンに基づいて「iモード FeliCa」を提供するに至ったのか。そこに込められた狙いや考えについて、同社 プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部 ECサービス戦略担当の寺西 由起氏に話を聞いた。


“空港”のようなサービスに

NTTドコモ プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部 ECサービス戦略担当の寺西 由起氏
 寺西氏が「iモード FeliCa」に関わり始めたのは、ちょうど1年前とのこと。新サービスをどのような方向、戦略にしていくのか、全体的な舵取りの一員を務めたという。

−NTTドコモが「iモード FeliCa」という構想を持ち始めたのは、いつ頃だったのでしょう。

寺西氏
「FeliCaの採用が決まる前から、社内では“携帯電話が財布になれば良いよね”という考えはずっとありました。FeliCaありきでスタートしたわけではありません。その考えを実現することを検討する際に、電子マネーのような価値を携帯電話に入れる仕組みはあっても、それを外に出すための手段が必要でした。ビジネス面での話があがったのは、3年くらい前と聞いていますが、本格的にビジネスのプロジェクトとして立ち上がったのは1年前ですね」

−FeliCa以外にも非接触IC技術は存在しますが、なぜFeliCaになったのでしょう?

寺西氏
「そもそもiモードは、世の中にどんどん近づいていったという背景があると私たちは考えています。たとえばパソコン向けのHTMLが既にあって、iモードではSubset of HTMLを採用したということです。つまり世間で何が標準となっているかという点が重要だったのです。FeliCaは、国内だけでも2,600万枚以上が利用されていて、既に市場が立ち上がっていましたので、そこへ近づいていったというわけです。

 タイプAやタイプBといった他の非接触ICも検討しましたが、ある程度の枚数は登場していても日常的に使われていないものです。ユーザーの日常に携帯電話がもっと入り込んで、手放せない存在にするためという視点でも判断したわけです」

−サービスを提供する側にとっても、参入しやすい技術を選ばれたわけですね。

寺西氏
「実際に(iモード FeliCaが)どの程度まで使われるかわかりませんから、不安やリスクはできるだけ低減されるほうが良いですよね。もしFeliCa以外を採用していれば、店舗側も戸惑うでしょうし、リーダーライターなどを総入換えしなければいけない状況が起こっていたかもしれません。“使われてナンボ”ですから。

 今はiモードで待受画像や着信メロディを得られるというスタイルですが、iモード FeliCaによって、より生活に密着したサービスがもっと近く見られるのではないかと考えてます。サービスと顧客をもっと結びつけるということですね。ユーザーにとってはかゆいところに手が届いて、自分だけのものが手に入るようなツールになるではないかと思います」


iモード FeliCa対応端末には、このロゴマークがプリントされている
−実際の店舗にとっては、従来よりもきちんとターゲットを定めてユーザーにコンテンツを提供できるという形になりますが、オープンなiモードの門がさらに開かれて、iモードで提供してきた“ドコモが選んだ安心できる”という公式メニューのようなスタイルが崩れるという懸念はありませんか?

寺西氏
「それはありません。むしろ新たなビジネスチャンスが生まれるのではないでしょうか。今までは手軽にコンテンツを選べるという公式メニューを魅力に感じられている場合もあったかもしれませんが、(iモード FeliCaは)限られた器の中で泳ぐのではなく、ユーザーの求めるものが必ず手に入るインフラになるでしょう。

 既存のビジネスモデルに取って代わるものではなく、新たなビジネスモデルになるということです。今までも実現可能だったサービスを、店舗にとってはもっと手軽に提供できるようになるのではないでしょうか。iモード FeliCaは、人々が集まってさらに飛び立っていくという空港、ハブのようなものですね。サービスは抑揚感が大事ですから」

−JR東日本のSuicaは、少なくとも首都圏に住む方にはかなり認知度が高いと思いますが、FeliCaの認知度はどの程度と考えていますか?

寺西氏
「かなり低いと思います。私自身も、(iモード企画部長の)夏野から初めて聞いたときはよくわかりませんでしたから。iモード FeliCaは何らかのプラットフォームとして認知してもらえれば良いなと思います。あとは提供されるサービスがもっと知ってもらえれば良いのではないでしょうか」

−“iモード FeliCa”という名称ですが、ほかに候補はあったんでしょうか?

寺西氏
「なかったですね。“非接触IC搭載iモード対応携帯電話”とそのままの案はありましたが、最初から、絶対に“iモード FeliCa”が良かったんです。強引に聞こえるかもしれませんが、認知度の高い“iモード”という言葉と、サービス提供者側に理解されている“FeliCa”の組み合わせが良いだろうと思ったのです。どちらも商標で、最初はダメだと言われましたが、ずっと関係者に訴えかけた結果、この名称になりました。これはもう、直感ですね。iモードと一緒になるなら、これ以外の候補はなかったですね」


いかにシンプルに見せるか

−iモード FeliCaを開発していく間、苦労されたことは何でしょう?

寺西氏
「ユーザー様から見て、いかに簡単に見せるかと言う点ですね。技術的なことは、いくらでも難しく言えますが、“iモードはユーザーに近づくもの”という姿勢は崩したくありませんでしたので、ここは非常に苦労しました。社内でも端末担当者や品質管理の担当者とのやり取りで『これではユーザーは使わない!』という言葉は、もう数え切れないほどありました。

 新しいものは最初が大事です。最初のイメージはなかなか崩れません。いかに一言で簡単に説明できるかということは、常に念頭にありました。iモード FeliCaにおいて、端末を開発する上で、技術が少し進んでいた部分があったことは否めません。しかし、ユーザーインターフェイスの垣根を取り除いていくことには、本当に注力しました。

 プレビューサービスの間、生活の中に馴染んでいくものになるか、いかに使ってもらえるサービスにするかをずっと考えていました。一ユーザーとして、財布の中からカードを出して考えましたね。この精神は忘れてはいけないでしょう。

 またiモード FeliCa対応のiアプリをダウンロードする時間も短くしようと注力しました。最初の段階ではかなり時間がかかるものでしたので。あとは運用面で、“Edy”のレスキューサービスのようなものをサービス提供者様にに提供していただいくといったことがありました。従来とは全く異なる考え方になっていただくことになるわけですから、大きな決断をしていただいたと思います」


実はマイボックスと親和性が高い

 NTTドコモでは、ユーザーの好みに応じたコンテンツ提供が可能なサービス「iモードマイボックス」を2月から本格提供している。ユーザーはアクセスするたびにIDやパスワードを入力することなく、サービス事業者から嗜好にあわせた情報を得られるというサービスだが、寺西氏は「マイボックスとiモード FeliCaは親和性が高いのではないか」と指摘する。

寺西氏
「マイボックスでは、たとえば店頭で4桁の暗証番号を書いて会員サービスなどに申し込めば、会員証のようなものがiモード内に作成されます。ユーザーさんが意識的に“iモードで会員証をつくる”という行動を取らなくても、個人と店舗を結びつけられるわけです。

 マイボックスとiモード FeliCaを組み合わせれば、端末とサービスというつながりではなく、個人とお店という1対1のマーケティングが可能になります。ユーザーさんの購入履歴にあわせた販促活動など応用が利くと思います。私たちとしては、マイボックスに限らず、より多くのツールを提供することで、携帯電話の使い方を広げていきたいですね」


端末ラインナップについて

現時点で明らかにされているiモード FeliCa対応の4機種。このうち「P506iC」は7月10日に登場する
−900iシリーズについては、iモード事業部が主導したとのことですが、今回のiモード FeliCa端末についてはいかがでしょう?

寺西氏
「iモード FeliCaに対してはサービス内容にも注力しましたし、端末についてはメーカー様を含め、社内一丸で進めました」

−FOMAが1機種、PDC端末が3機種という形で提供されますね。

寺西氏
「PDCを利用されているユーザーさんはまだまだいらっしゃいますからFOMAだけということは難しいです」

−ドコモの意向で、たとえばFOMAを2機種、PDCを2機種という形にできたのでしょうか?

寺西氏
「私たちは売れると信じていますが、メーカー様にも戦略や経営判断などがあります。ですので、ドコモだけで判断することはできません」

−バッテリーの扱いが、従来と異なり、携帯電話としては利用できなくてもFeliCaは使えるという形になりますね。バッテリーが切れた状態で、どれくらいFeliCaが使えるのかという試験は行なわれたのでしょうか?

寺西氏
「ええ、やっています。ただし機種によって異なりますし、私たちも詳細は知りません。携帯電話として使えなくなったとしても、自宅に帰るまではFeliCaは使えると思います」


−サービスを格納するFeliCaチップでは、共通領域とフリー領域に分かれていますね。それぞれの領域はどうなってるんでしょう?

寺西氏
「共通領域は4.5KB、フリー領域は0.5KBですね。FeliCaチップには、全体の鍵がありますが、共通領域はさらにサービスごとの鍵やさらにその中にも鍵をかけられるようになっています。フリー領域には、3つのアプリケーションを格納できます。3つにしたのは、打ち合わせを重ねた結果、FeliCaを利用する場合はセキュリティを重点を置くケースが多いのではないかといった理由ですね。

 ドコモのWebサイトでiモード向けサービスの技術概要を公開していますが、iモード FeliCa関連の情報も提供していますので、フリー領域を使って、たとえば大学の研究室などでドアの鍵になるアプリを作成して試していただけるのではないでしょうか」

−容量が限られているということで、場所取り合戦になってしまうのではないかとも思うのですが。

寺西氏
「確かに有限のものですが、場所取り合戦にならないようにフェリカネットワークスが管理するわけです。たとえば2.5KBのアプリケーションを作ると言うサービス事業者がいれば『それはちょっと……』という形になるかもしれません。場所を占めるという考え方よりも、ちゃんと譲り合う共存共栄ということを考えることになるのではないしょうか」

−FOMAの場合、UIMカード(FOMAカード)を差し替えるだけで、ユーザーは端末を自在に変更できますが、iモード FeliCaの提供にあわせてUIMカードにFeliCaチップを載せたり、メモリカードとFeliCaチップを1つにするということも考えられたと思うのですが。

寺西氏
「現状はiアプリをメモリカードに保存できませんが、仕様変更があれば将来的にあるかもしれませんし、検討としてはあります。ただし、そういったニーズがあるかどうかですね。欧米などではSIMカードを差し替えるというのは当然かもしれませんが、日本ではまだまだ一般的ではありません。そういったメリットやデメリットを見直して、今の技術が解決できるという点も踏まえると、今回FeliCaチップを内蔵したのは良かったと考えています」


FeliCaチップは、共通領域とフリー領域に分かれている

財布と同じと思って欲しい

am/pmなどでは、Edyを利用することで、iモード FeliCa対応端末をかざすだけで決済できる。現金と同じ価値を持てるということは常に意識したほうが良いだろう
−「F900iC」には遠隔FeliCaロックという機能が用意されていますが、他の機種に搭載されなかったのはどうしてでしょう?

寺西氏
「それは富士通様が搭載された機能です。メーカー様のプラスαということです。ただ、その機能については将来的に全機種につけていきたいとは考えています」

−未知のサービスであるiモード FeliCaに対して、ユーザーはどう捉えていると分析していますか? 不安に思うユーザーについてはどう対応していくのでしょう?

寺西氏
「それはやはり“何ができるの?”という点と、“怖い”という気持ちではないでしょうか。遠隔FeliCaロックについても、万全ではありません。無線が届かないところであればロックできませんから。それによって少しでも安心感を提供できるとすれば嬉しい限りですが、現状ではやはりユーザー様には“財布と同じだ”という意識を持っていただけるようにアピールしていきたいですね。財布を置いたまま、どこかへ行ってしまうという方は少ないでしょうから。

 “便利”と“危険”というものは、常に背中合わせのような点があります。不安をどうやって払拭するのかは課題ですね。そして、財布と同じように思っていただきたいのと同時に、財布より便利なものだということを伝えていきたいです。

 もちろん『大事なものという意識を持ってください』と言うだけではなく、私たちとしても、先ほど申し上げたように遠隔ロックのようにリモートでサービスを止めるような機能を検討しています。一定の条件に限られる形になりますが。100%守れるというわけではありませんので、オプションのような存在になるでしょう。

 iモード FeliCaの登場によって、生活スタイルがより便利に変わるだろうと考えています。従って、iモード FeliCaを使っていけば自分の行動もより豊かに変化していくのではないだろうかと。『財布と同じように思ってください』とアピールしていって、ユーザー様もそのように思っていただけるかもしれません。

 しかし、“自己責任”と突き放すわけでもなく、ユーザー様を守れるサービスを各提供者様にお願いしていきます。実際に対応していただけるかどうかは、各社によって異なるのでしょうが、ここでも良い意味での競争が起こるのではないでしょうか。私たちとしては、良い競争が起こるような土壌にしたいです」


どのサービスが当たるかわからない

−iモード FeliCaに対しては、39社から対応サービスが提供される予定ですね。どのようなサービスが人気を呼ぶと思いますか?

寺西氏
「今までの端末であれば、それぞれ年齢層や性別などターゲットが固まっていた場合があると思います。しかしiモード FeliCaでは、かなり幅広いユーザー層に利用していただける形ですので、年齢層などによってそれぞれ異なってくるのではないでしょうか。

 今、ユーザー様からの問い合わせでは、“どんなサービスが使えますか”という声すでに上がってきています。“新しい端末はどんなものですか”というものではありませんので、従来と違う流れだなと感じています」

−普及するためには首都圏だけではなく、各地域での展開が必要ではないでしょうか。

寺西氏
「ドコモとしてできる範囲は限られますので、サービス提供者様がいかに対応店舗を増やしていくかというのがポイントになります。iモード FeliCaへ直接サービスを提供していただく形もありますが、たとえばビットワレット様のEdyを使えるようにする加盟店として参加する店舗もあるでしょう。各地域での展開は検討中ですが、忘れてはいけない点ですね。たとえばテーマパークなどに技術協力するという形もあり得ますね。ドコモショップでの体験コーナーなどを設けていければ良いなと思います」


iモード FeliCaがドコモにもたらすもの

−iモード FeliCaによって、ドコモのビジネスモデルはどう変化するのでしょう?

寺西氏
「ライセンスビジネスやパケット通信というものもありますが、それよりもナンバーポータビリティを見据えています。それまでにiモード FeliCaによって、“ドコモじゃないとダメだ”と思って頂けるような市場にしたいという考えはあります。他社も非接触ICを利用したサービスも提供してくるかもしれませんが、実際にスタートするまでは私たちにとって大きなアドバンテージになります。ユーザーの囲い込みや解約率の低下といったことに繋がって、ナンバーポータビリティが開始されても他社へ移行したくない形にしていきたいのです。

 また、他社がスタートするまでに対応店舗をどんどん増やしていくことで新たなビジネスモデルが生まれるでしょうし、結果的に安心感にも繋がるだろうと。新たなビジネスモデルについては、これからのことですので、もう少し見守っていただきたいです」

−iモード FeliCaはいつ普及すると思われますか?

寺西氏
「一寸先は闇ですので、こればかりはわかりませんね。しかし爆発して欲しいのは本音です。ただ、あくまでも私見ですが、サービスが隅々まで行き渡って、みんなが普通に使ってるという状況になるのは2年後くらいでしょうか」

−発表済の4機種だけで乗り切られる考えでしょうか?

寺西氏
「それは現時点では何とも言えません。ただ、これまでドコモは春モデルや冬モデルといったスパンで端末を提供しています。また901iシリーズが登場することも既に明らかにしています。新機種は出てくるかもしれませんね」

−ではユーザーに向けて一言お願いいたします。

寺西氏
「今までのiモード以上に、身近に感じて欲しいですね。それはドコモだけではなく、メーカー様、サービス提供者様なども含めてそういう感覚で作っていると思います。iモード FeliCaの登場は、来るべき時が来たという感じです」

 最後に寺西氏は「マリッジブルーからマタニティブルーですよ。でもこれからは楽しい子育てですね」と笑いながら語っていた。ドコモが掲げる“生活インフラ”という戦略を具現化したiモード FeliCaは、実際に普及するまで、ユーザーの不安を払拭したり、全国各地での対応店舗を増加させたりするなど課題は少なくない。

 香港では、FeliCaを利用した「オクトパスカード」が普及しており、現地の人々の生活に密着しているという。はたして「iモード FeliCa」がそのような存在になれるのか、今後も同社の動向に注目していきたい。



URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/
  「iモード FeliCa」サービス概要
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/service/felica/

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(関口 聖)
2004/07/07 17:23

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