|
W52T(ブラック)
|
1月16日、auの2007年春モデル10機種が発表された。その中でも高機能な端末でユーザーの注目を集めていたのが東芝製の「W52T」だった。同端末は、3インチのワイドVGA液晶にオートフォーカス&手ぶれ補正カメラを搭載し、ワンセグも視聴できるなど、充実した機能が用意されている。今回、auの“全部入り”、東芝製「W52T」について、東芝 モバイルコミュニケーション社 モバイル国内営業第一部の東條正勝氏に話を聞いた。
■ W52Tは「先進ユーザーのニーズを満たす機種」
|
東芝の東條氏
|
――それではまず、W52Tの開発コンセプトを聞かせて下さい。
我々は、W52Tの企画開発当時にできると言われている機能を全て携帯電話に盛り込んでみようと考えました。「W52Tがあれば何でもできますよ」というような、とてもわかりやすいコンセプトの下、高機能端末を求めるユーザーが望むものを全て盛り込みました。
昨年のトレンドとして、ワンセグやBluetoothといったものがありました。2007年はこうした流れに加えて、ワイドVGAの液晶が当然入ってくるものと予想し、先進ユーザーのニーズを満たす機種に仕上げていきました。
――先進ユーザーの具体的なターゲットは?
コアターゲットは男子高校生です。実は、昨年の発売した「W44T」の購入層で一番多かったのが男子高校生でした。やはり若い世代は携帯電話に相当敏感なのかもしれませんね。
今回はさらに、利用意向調査で男性19才以下の支持がもっとも多かったワンセグも搭載していますし、10~20代の若年男性を中心と捉えています。高いデジタル家電にはなかなか手を出しにくい世代だと思いますが、自分にとても身近な携帯電話でこうした欲求を満たすのかもしれません。
――ということは、W52TはW44Tの後継機?
そうですね。W44Tの跡を継ぐ、東芝のフラッグシップモデルです。
■ スライド式のスーパーラウンデッドボディ
|
|
パープル
|
カッパー
|
――今回、スライド式の端末となりましたね?
一番のポイントである世界初となる3インチVGAの大型液晶をできるだけ見せていきたいので、今回はスライドタイプを採用しました。東芝の端末では、初のスライドタイプとなりました。
――丸みのあるデザインとなっていますが、どういったイメージなのでしょう?
今回の形状を、スーパーラウンデッドボディ、社内的には「スーパーR」と呼んでいます。イメージしたのは次世代感です。最新式の新幹線で流線的なデザインが採用されているように、次世代らしさを追求したデザインとしました。
また、3インチの大型液晶を搭載するための工夫として、できるだけボディを小さく感じて頂けるように、手に持ったときに丸みを感じられるようにしました。角のあるボディーにすればもっと小さくすることができたのですが、今回はあえてホールドのしやすさなども考慮しました。
さらに、スライド式のボディということで、液晶ディスプレイ側ボディのビジュアルサイドと、背面側ボディのサウンドサイドがきれいにツートン構成になっています。ビジュアルサイドはツルッとしたデザイン、サウンドサイドはパンチをきかせたサウンド系のイメージを採用しました。
なお、サウンドサイドに搭載されたステレオスピーカーは横配置となっており、ワンセグやムービーなどのビジュアルコンテンツをできるだけ横画面で楽しんで頂けるようになっています。ステレオスピーカーを活かせるように、充電台も特殊な形状となっています。スピーカーの部分に隙間を開けて、裏に向かった音が手前に跳ね返るようにしました。ワンセグを利用する際などに、最適なステレオ感が得られるようにチューニングしてあります。
■ 世界初の3インチワイドVGA液晶搭載
|
セールスポイントは「世界初の3インチワイドVGA液晶」
|
――“全部入り”のW52Tですが、一番のセールスポイントは?
やはり、世界初の3インチのワイドVGA液晶です。大きくてキレイな液晶で、ワンセグが楽しめ、Bluetoothヘッドセットなどでワンセグの音声も楽しめます。
さらに、データフォルダの容量は1GBとなっています。実は、W44Tのユーザーに対して、購入理由を調査したところ、「データフォルダが1GBだったから」というのが一番でした。写真でも音楽でも放り込んでおける1GBというサイズは、やはり使い勝手良いようです。W52Tでもそれを踏襲し、ワンセグであれば約5時間の録画が可能となっています。また、microSDカードにも録画可能で、2GBであれば最大10時間分保存できます。
――ワンセグにはQosmioの技術を採用されたとか?
ワンセグのチューニング部分をQosmioのチームにお願いしました。東芝ケータイ初のワンセグでしたので、すでに経験のあるチームにテストチューニングを担当してもらいました。
――カメラ機能はどうでしょう?
3メガピクセルのオートフォーカス、手ブレ軽減機能付きカメラを搭載しています。auの春モデルでは、東芝製モデル(W52T、W51T)のみ3メガカメラですね。
今回、ムービーも強化しました。VGAサイズの30fpsに対応し、テレビと同じ滑らかさで美しい映像が撮影できるようになりました。これまでの解像度ではわからなかった細かい質感まで伝わるのではないでしょうか。テレビ出力も可能なため、例えば、ゲレンデで撮影して、夜ホテルに戻ってから仲間と上映会を楽しむということも可能です。
ちなみに、テレビ出力は、PCドキュメントビューアーにも拡張されたので、携帯電話でプレゼンテーションという使い方もできるでしょう。
――今回描画エンジンを変更されましたね?
そうですね。従来のT4Gから、T5GPと呼ばれる新世代マルチメディアチップを採用しました。このチップを搭載したことで、ワイドVGAの表示や30fpsのムービー撮影が可能になっています。
――おサイフケータイ対応ですが、モバイルSuicaの対応は?
発売後の最終審査をパスすればOKです。
――全ての画面でワイドVGAサイズになるのでしょうか?
ワイドVGAの解像度で表示しているのはPCサイトビューアー、PCドキュメントビューアー、EZナビウォーク、カメラやデータフォルダでの静止画/ムービー再生(※ムービーは最大VGAサイズ)などです。メニューのFlashや文字入力、メールなどレスポンスが重要な部分はワイドQVGAの倍角表示となっております。QVGAからワイドVGA化することで情報量が5倍になりますのでレスポンスへの影響を考慮してこのような仕様にしております。
――ワイドVGAサイズでは、アプリの表示はどうなるのでしょうか?
コンテンツプロバイダー各社は、基本的にコンテンツをQVGAサイズで開発しています。そのため、ワイドエリアに表示する部分がありませんのでKDDIのロゴを入れました。EZナビウォークやEZ助手席ナビのようなワイド対応アプリが出てくることに期待したいと思います。
|
|
ワンセグ対応
|
ワンセグの横画面表示
|
|
|
PCサイトビューアー
|
BREWアプリ画面
|
■ BoAがテレビCMジャック
|
W51T
|
――今回、キャンペーンのキャラクターにBoAを起用していますが。
W52Tの溢れる躍動感や機能を表現していただく上で、歌って踊れるBoAさんにお願いしました。端末にはBoAさんの「Winter Love」のムービーがプリセットされています。
2月10日には18時59分15秒から19時までの45秒間、全国40局ぐらいのテレビ局をジャックしてW52TのテレビCMを放送しました。その間、チャンネルのどこを回してもBoAさんが出ているという状態だったのです。
――ワンセグがスタンダードになってくると、これまでのようにメディア機能を打ち出しにくくなるのでは?
そうですね。ワンセグはある程度スタンダートな機能になってくると思います。今後はワンセグ+α、つまりワンセグのほかもう1点特化したポイントが重要になってくると考えています。今回のモデルでは、ワンセグのほかに3メガカメラも搭載しています。
――今回のauの春モデルでは、高機能なW52T、ミドルクラスのW51T、エントリーシニア向けのW5523T、と、全方位に対して端末を提供していますね。
うまく棲み分けられる端末を揃えたかなと思っています。実は我々は“家族丸ごと東芝”を狙ってるんですよ(笑)。
――本日はお忙しいところありがとうございました。
■ URL
製品情報(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/product/etsg/cmt/au/w52t/w52t_menu.htm
製品情報(KDDI)
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w52t/
ニュースリリース(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2007/0116/
ニュースリリース(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2007_01/pr_j1602.htm
■ 関連記事
・ W52T(カッパー)
・ ワイドVGA液晶搭載でBluetoothに対応した「W52T」
・ au、MEDIA SKINやワンセグ6機種など10モデル発表
(湯野 康隆, 津田 啓夢)
2007/02/15 11:14
|