ケータイ Watch
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「N905i」「N905iμ」開発者インタビュー
コンセプトの異なる2モデルで巻き返しを図るNEC

 905iと705iの発表会において、NECから4機種が登場することがわかった。フラッグシップモデルとなる「N905i」は、5.2メガカメラやNシリーズ初のワンセグ対応など機能が満載。「N905iμ」は、90Xiシリーズのμモデルとして、機能と薄型化のバランス重視モデルとなっている。

 今回は、発売された「N905i」と「N905iμ」について、NECのモバイルターミナル事業本部 モバイルターミナル事業部 商品企画部 主任の黒田正洋氏と二滝孝氏に話を聞いた。


N905i N905iμ

N905i

NECの黒田氏

端末を開いたところ
――それではまず、「N905i」のポイントを教えてください。

黒田氏
 「N905i」には、大きく分けて3つのポイントがあります。1つ目は顔検出オートフォーカス機能と手ぶれ&被写体ぶれ防止機能付きの5.2メガカメラ、2つ目は他社の機能を取り込みつつ、NECらしい機能を盛り込んだNEC初のワンセグ、3つ目は、iモードのタブブラウザやクイック検索といった検索関連、形状と機能が融合したスピード操作といった機能となります。

――どういったユーザーがターゲットになるのでしょうか。

 リーダーシップを発揮できるコミュニティリーダーで、仕事でもプライベートでも周りを引っ張っていくような人です。情報を消費するだけでなく、情報を発信していくような、ブログなどをやっているユーザーですね。

――デザイン上のこだわり教えてください。

 キー部分にとくにこだわりました。フレームレスでキーの面積自体を大きくして、ストロークもあります。また、持ち手側がラウンド形状となっており、にぎりやすくて打ちやすいようにしました。

 画面を大きく取れるようにディスプレイ側スクエア形状になっています。さらに、ボディカラー毎に異なるアルミプレートを採用しました。

――FOMAシリーズ最高画素数の5.2メガカメラを搭載されました。

 そうですね、単に画素数が大きいわけではなく、補完する機能として顔検出オートフォーカス機能を用意し、最近のデジタルカメラのような利用が可能です。

 また、6軸手ぶれ補正に加えて、被写体ぶれ補正機能を搭載しています。単にISO感度を上げているわけではなく、画像中の動いている部分を検出して止まっている部分に動態を重ねるという方法をとっています。

 これ以外にもPictMagicIVでは、夜景や風景などのシーンを自動的に判別して、最適な画像が得られるようになっています。動画撮影はVGAサイズに対応し、コーデックがH.264を採用しました。携帯電話のカメラで撮影したとは思えないようなきれいな画像が得られると思います。

 また、これまでのNECのカメラ機能は、現実に忠実なカラー再現を目指していましたが、今回よりユーザーさんが見てきれいだと思ってもらえるようなチューニングを採用しました。

――顔検出オートフォーカスについて、もう少し詳しく教えてください。

 オート撮影と人物撮影において顔検出オートフォーカスが働きます。顔の輪郭や目、鼻などを元に最大3人までの顔を検出してピントを合わせることが可能です。顔が検出できない場合は通常のオートフォーカス機能が働きます。携帯電話のカメラで撮影することが普通になってきており、中でもやはり人を撮ることが多いだろうと。きちんと顔を検出してフォーカスを合わせてくれた方が便利だろうと考えました。顔検出と手ぶれ補正、被写体ブレ補正で、携帯電話の撮影が手軽にキレイに行なえるはずです。


Nシリーズ初のワンセグ対応機
――意外なことにN905iがNシリーズ初のワンセグ対応機なんですね。

 今回は回転二軸ヒンジを採用し、端末を回転させてひっくり返していただくだけでワンセグが起動するようになっています。さらに、「クイックインフォ」機能を搭載し、メールが来たときにテロップが表示され、通常の携帯電話のスタイルに戻すとメールの閲覧画面とワンセグの2画面表示が可能です。

 予約録画やタイムシフト再生機能など、ワンセグでできることは他社と大きくは変わりませんが、ボタンを押して操作するというよりも必然的に起こる形状の変化に応じて機能を呼び出すように配慮しました。

 ちなみに、タイムシフト再生機能は常に最大2分間録画し続けており、録画操作しなくてもちょっと前の部分に戻って再生できます。再生時には1.3倍、2倍速再生でリアルタイムに追いつくことが可能です。また、従来から搭載している高音質技術「ヤマハサウンド」もワンセグに対応しています。音楽機能はN904iを踏襲しており、SD-Audioに関しては再生時間が85時間と大幅に伸びました。

――過去にはアナログテレビ対応の携帯電話(旧ボーダフォン)を開発されましたが、ワンセグの対応にここまで時間がかかったのはなぜですか?

 技術開発自体はすでに行なっており、試作機などは手がけていました。N903iのVGA表示とリンクフェイス、ジョバンノーニがデザインしたN904iなど、これまではデザインや機能といった、ワンセグとは別の付加価値を重視した製品を提供してきました。今回のN905iは現時点のフルスペックの携帯電話を作ろうと企画したので、自然とワンセグ入りになりました。

――「フルワイドVGA液晶」は、N904iのVGA液晶とは違うのでしょうか?

 5.2メガカメラやワンセグが活かせるように、3インチのフルワイドVGA液晶を搭載しました。N904iでは一部QVGA表示の部分がありましたが、今回は全てVGA表示になっています。これに伴ってVGA用のフォントとしてゴシック体と明朝体の2種類を用意しています。

 また、撮影した写真やメールが振り返る機能として「ライフヒストリービューア」も搭載しました。写真やメールを時間軸上に並べて思い出を振り返って楽しめます。

――iモードブラウザのタブ表示に対応しましたね。

 ブラウザはACCESSのものですが、タブ表示にしたいというのはNECの方から伝えました。フルVGAになって細かい部分もよく見えるようになったので、タブ表示もしやすくなりました。

 さらに、ブックマークの中からあらかじめ指定しておいたWebサイトを最大5つまでまとめて表示できます。ブログや天気予報、株情報など、普段見るサイトはだいたい決まっているので便利にお使いいただけるのではないでしょうか。

 また、検索機能では、iモードのポータルに行かなくても検索できるようにしました。待受画面からデスクトップアイコンをクリックして検索も可能です。

 フルブラウザに関しては、ビューアタイプで利用し拡大縮小した際に、画像が画面からはみ出さないようになっています。携帯電話で閲覧する際にはこちらの方が見やすいはずです。


――このほか注目のポイントはありますか?

 今回、FOMAでしばらく実現していなかったインライン入力に対応しました。iアプリについては、N905iより直感ゲームに対応しています。さらに、HSDPAのスピードを活かしたものとして「モバイルGoogleマップ」も用意しており、ダウンロードするものより地図のエリアが広く表示できるようになっています。

――パンダのメニュー画面がありますね。

 はい、ボディカラーに応じた専用メニューを用意しており、特にPinkに搭載されているPinky Pandaは、時間毎に変化があるなど楽しい演出が用意されています。


N905iμ

NECの二滝氏
――続いて「N905iμ」の特徴について伺います。そもそもなぜ薄型モデルを提供することになったのですか?

二滝氏
 70Xiシリーズを提供していく中で、薄型を求めているユーザーの声がありました。また、ドコモからもそいういうのがあればいいと言われ、総合的に決定しました。我々としても早く90Xiシリーズで薄型をやってみたいと思っていました。

 今回のN905iμは、90Xiシリーズで初めてのμ端末となります。シリーズ最薄の12.9mmの薄型ボディとなっています。70Xiの最薄モデルの薄型実装技術を使ってから、機能性や操作性を確保しつつ、どこまで薄型化できるかが目標でした。当初厚さ13mmを目標に開発してきましたが、最終的に12.9mmの厚さを実現することができました。

 N905iμでは、デザインとカラーバリエーションが1つの特徴です。単純に薄型を追求するのではなくラウンド感をもたせ、シートキーだけど打ちやすいとなるように配慮しました。ボディカラーのネーミングは、高級感を持たせたものとなっています。

 カラーリングにはなかなかない色味を採用し、白は光によって色味が変化するパールホワイト、ゴールドもよくあるシャンパンゴールドよりも濃いめで落ち着いた色を採用しました。30~40代の男女がターゲットとなるため、女性の化粧品をイメージした手に取りやすいものにしました。

 さらに、黒の端末では、待受画面にその月の星座が表示されます。この星座には光る星がさらさらと流れるのですが、実はアンテナマークと連動しており、「バリ3」の状態だとたくさん星が流れます。

――背面部にイルミネーション機能が搭載されていますね。

 はい、イルミネーションも特徴の1つです。7種類のパターンを用意し、商品企画、デザイナー、開発陣でイルミネーションのパターンに合わせた名前や発光の仕方を検討しました。NECとしては、イルミネーションを今後も増やして強化していくつもりです。

 電話帳の中の誕生日やスケジュールの記念日などにイルミネーションが発光するように設定できます。通常、イルミネーションはメールや音声着信などで利用されますが、それ以外の使い方も提案しました。そもそも、携帯電話に特定の日付をチェックしておくということは、忘れてはいけない日だと思います。1年に一度のイベントですが、設定しておくとイルミネーションとともに待受画面でもアイコンで通知されます。アイコンは1週間前、3日前、前日、当日にチェックが可能で、結婚記念日など忘れてはいけない日を事前に通知されればプレゼントも購入できるはずです。

 それと、お知らせ機能については、自分のプロフィールに誕生日を入力しておくと、ちょっとしたことが起こります。これはユーザさん自身で確認してみてください。


端末を開いたところ
――キー部分の格子状の模様は何ですか?

 はい、N704iμと同様、シートーキーの指紋の付着を抑える工夫です。デザイン面では、背面のカメラ部分に指がかからないよう若干段差をつけて、デザインで吸収できるように処理しました。

 また今回、幅が50mmあります。N704iμでは、端末が開けにくいといった指摘を受けました。N905iμでは、サイドにくぼみがあるため、片手でも開けやすくなっているはずです。こうした処理のために、若干幅をもたせています。操作性は90Xiシリーズではとくに無視できないところなので、デザインの中で吸収できるような取り組みを行ないました。

――基本機能はN905iと同じとのことですが、N905iとの機能面での違いを教えてください。

 ワンタッチマルチウィンドウやクイック検索など、N905iμでも同じように利用できます。メール作成などインライン入力に対応し、スピーカーはモノラルですが、ヤマハサウンドを搭載するため。ヘッドフォンを装着して迫力あるサウンドが楽しめます。ニューロポインターは非搭載となりますが、クイック検索も利用可能です。

 また、薄型端末となるため、アンテナをまずどうやって搭載するかが、非常に悩ましい問題となりました。結果的に1.7GHzは非対応となり、ニューロポインターやワンセグなどを外しました。

――カメラ機能はいかがでしょうか?

 オートフォーカス付きの2メガカメラとなります。NECはこれまで、忠実な色味を再現してきましたが、今回は特に液晶に表示した際の見た目を鮮やかにするため、RGBの原色を際立たせ、被写体のエッジがシャープになるような画質を目指しました。

――本日はお忙しい中ありがとうございました。


卓上ホルダに設置 アンテナマークと連動して待受画面の中で星がキラキラ光る


URL
  製品情報
  http://www.n-keitai.com/pickup/n905i_n905imyu/

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(編集部)
2007/12/07 18:28

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