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第134回:Macromedia Flashとは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 Macromedia Flashは、アニメーションやインタラクティブな要素を設定できるマルチメディアテクノロジーです。携帯電話ではNTTドコモの505iシリーズが初めてFlashプレーヤーを搭載し、iモードコンテンツ中でFlashアニメーションを表示したり、待受画面でFlashコンテンツを再生したりといったことが可能になっています。


基本はベクタータイプのグラフィックとインタラクティブ性

 Flashというテクノロジーは、Macromedia Flashと呼ばれるように、米マクロメディアによって広められましたが、もともとの出自は米FutureWave Softwareという会社の「FutureSplash Animater」というソフトウェアでした。このFutureWave Software社がマクロメディアによって買収されたときに、“Macromedia Flash”となりました。

 その後Flashは、手軽なインターネット上でのアニメーションツールとして人気を呼び、当時メジャーなインターネットブラウザであったNetscape Navigatorで標準プラグインとして採用されました。また、Flashのファイルフォーマットのオープン化やFlashプレーヤーのソースコードの公開などもあり、現在では、Windows/Mac OSに限らず、Linuxなども含めて非常にポピュラーなものになっています。インターネットで公開されているアニメーションやゲームなどでも、Flashを利用したものが非常に多く見られます。

 Flashの特長としては、ベクタータイプのグラフィックをベースにしたドローソフトで、アニメーションさせる場合でも、同じ内容のGIF画像などと比較した場合、画像のデータをより小さくできることがあげられます。ちなみにドローとは“draw”、つまり「描く」という意味です。このタイプのグラフィックでは、画像のデータを「線」や「塗り」といったデータで持っていて、画面に絵を描くときには、コンピュータがこれを元に画面に絵を描いていきます。

 一般的に、コンピュータや携帯電話で使われる画像タイプはビットマップ画像と呼ばれるものです。GIF画像やカメラで撮った画像などがビットマップ画像で、これはビットをマップ、つまり、画像の画素の1つ1つに何色であるかというようなデータを割り振っています。

 この2つのタイプの画像では、たとえば同じQVGA画面(320×240ドット)上に(0,0)の点から(319,239)の点まで赤い線が引かれた画像を表現するのには、ビットマップ画像であれば(0,0)の点は赤、(0,1)の点は黒……とひとつひとつ座標に対して何色であるかデータを確保する必要があります。しかし、ベクタータイプの画像では「(0,0)と(319,239)に赤い線を引く」とこれだけ情報があれば同じ画像を作ることができるわけで、その分データ量を小さくできるのです。ただし、このような仕組み上、ベクターのみでの表現では、自然画のような表現は難しくなってしまいます。そのため、Flashではベクターだけでなく、ある程度ビットマップタイプの画像も扱えるようになっています。

 さらにFlashの場合、この線を引く処理をする際に背景の色を考慮しながら線のふちをぼかして描く「アンチエイリアス」処理も行なっています。そのため、同じ画像を大きく表示したり小さく表示したりする場合もそれほどアラが目立たないようになっており、同じ画像データを拡大して表示する際に、この場合もジャギーと呼ばれる画像のぎざぎざ感が無い、なめらかな画像として表示することができるのです。

 このほか、GIF画像やMPEG動画ではできない、ユーザーの反応に対して応答ができるインタラクティブなコンテンツを簡単に作成できることもFlashの特長のひとつです。Flashではアクションスクリプトと呼ばれる制御言語を使って、コンテンツを制御できます。


505iのFlashはFlash4ベース

iモードHTMLシミュレータでのFlash Liteコンテンツの再生テスト。この例ではMacromediaがWeb上で配布しているFlash Liteコンテンツのサンプルを再生している。
 携帯電話用のFlashプレーヤーとしては、過去にもエイチアイの「マスコットカプセル」のオプション機能やケイ・ラボラトリーによる携帯電話のJava上で動くものなどが過去にも発表されています。

 そして標準機能としては、初めてドコモの505iシリーズにFlash対応機能が搭載されることになりました。今月以降、数多くのコンテンツプロバイダから、この505iの機能に対応したFlashコンテンツが提供される予定になっています。

 この505iシリーズ用のFlashは「Flash Lite」と呼ばれる携帯電話専用のフォーマットです。マクロメディアから配布されているアップデータを利用することで、現在パソコン用のFlashコンテンツを作成できるFlashの最新版「Flash MX」で、Flash Lite用のコンテンツを作ることができます。つまり、Flash MXさえ持っていれば、一般のユーザーでもFlash Liteコンテンツを作成することが可能になっています。

 このFlash Liteは、仕様としてはパソコンでの最新版であるFlash MXではなく、古いバージョンのFlash4相当の機能になっています。特にインタラクティブコンテンツを作るための、スクリプト周りは現在の主流のものと比べるとかなり限定されたものとなっています。なお、505iシリーズのFlashプレーヤーでは、コンテンツのサイズは20KBまで再生が可能です。

 ちなみに、携帯電話用に作成したコンテンツをパソコン上で再生できるツール「iモードHTMLシミュレータ」もNTTドコモから配布されています。このシミュレータを利用すると、パソコン上やインターネット上にあるiモード用HTMLコンテンツやFlash Liteコンテンツがパソコン上でテスト再生することが可能になっています。



URL
  マクロメディア
  http://www.macromedia.com/jp/
  Macromedia Flash Lite for i-mode 仕様概要
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/flash/
  iモードHTMLシミュレータ ダウンロードページ
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/flash/tool.html

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ドコモ、505iで採用されたFlashの仕様を公開


(大和 哲)
2003/05/27 12:33

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