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第231回:IMS(IP Multimedia Subsystems) とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


進むネットワークのIP化と移動体通信システム

 IMS、すなわちIP Multimedia Subsystem(IPマルチメディアサブシステム)とは、これまで固定網や移動体通信、放送などで行なわれていたサービスをIP化し、融合したマルチメディアサービスなどを実現するための規格であり、その規格に沿って作られたシステム・ソリューションです。

 システムとしてのIMSは、携帯電話が利用している移動体通信システムの地上設備の1つで、これまでの回線交換方式ネットワークの交換機周辺と置き換える形で、コアネットワークシステムとして導入されます。すでにIPベースで運用されているマルチメディアサービス用のサーバのみだけでなく、サポートするサービスをIPベースで運営します。

 通話サービスは、IP電話サービスであるSIPを元にしたものとなり、またその他のIPベースのマルチメディアサービスについても、運用/課金などのデータベース機能、セキュリティゲートウェイなどを搭載します。Push-to-Talkやテレビ電話などのほか、スケジューラやクレジットカード決済などの個人データ管理やセキュリティ機能が統合される場合も多いようです。いわば携帯電話のコアネットワーク部分で、電話としてのサービスと、インターネットなどで使われているIPベースのマルチメディアサービスが1つにまとめられるものだと思えば良いでしょう。

 IMSの規格は、第3世代携帯電話の規格標準化を行なっている団体「3GPP」と「3GPP2」によって、それぞれ「3GPP TS 23.228」「3GPP2 XP0013.2」として標準化されています。もともとは、3GPPの標準のバージョンの1つである「Release 5」で、次世代ネットワーク標準(NGN)にSIPベースのマルチメディアドメインが加えられたことが、IMSという規格の端緒となりました。なお、3GPPの規格としてはIMSと呼ばれますが、CDMA2000の標準化を行なっている3GPP2ではMMD(Multimedia Domain)と呼称されています。

 現在、エリクソンやモトローラ、ノキアなど海外の通信機器メーカを中心にIMSシステムが開発されており、世界の通信事業者でトライアル、商用利用が始まっています。

 たとえば、エリクソン社は、2005年4月よりスペインの通信事業社であるTelefonicaへIMSソリューションの提供を開始しています。これによりTelefonicaは、法人ユーザー向けのIP電話や、テレビ電話、電話会議、文書共有やスケジュール管理などグループウェア、インスタントメッセージングなどのいわゆるIPセントレックスサービスを、固定網の顧客に提供を開始しています。

 また日本では、KDDIが6月15日発表した「ウルトラ3G構想」でIMS(MMD)の導入を明らかにしています。


KDDIが将来的に導入するという「ウルトラ3G」のネットワークイメージ 。IMSが活用されることになる

携帯電話のIP化がIMSにスポットライトを

 このような仕組み、システムが注目を浴びはじめた理由の1つは、現在、携帯電話事業者が、携帯電話の通話サービスだけでなく、金融口座などの個人情報管理や、グループウェアといったサービスの提供まで始めてており、今後もさらにこのようなサービスを幅広く手掛けなければならない状況になっていることが挙げられます。

 これまで、どんどんユーザーが増え、それとともに市場も事業者も成長してきた携帯電話業界ですが、ユーザー数が飽和しても、さらなる成長を続けるためにはこのような方向での事業拡大を指向しなければならなくなったのです。

 さらに急速に進展する通信全体のIP化も理由に挙げられるでしょう。IPは「Internet Protocol」、つまりインターネットにおけるデータのやりとりの手順ですが、パソコンがWebブラウジングやメールだけでなく、音声をIPを使ってやりとりするIP電話(VoIP、Voice over Internet)が企業の内線電話などで盛んに使われるようになりましたし、テレビ電話やケーブルテレビ放送などの映像送受信においても、IP化が当たり前のように行なわれています。

 携帯電話でも、3G(第3世代)の携帯電話が一般的になり、3.5G、あるいは4Gと携帯電話のシステムが進化してデータ伝送速度が向上すると、技術的に実現可能になるサービスが増加します。

 サービス運営の仕組みを全てIP化して統合し、IMSを導入することで、顧客に提供するサービスを手軽に増やし、数多く管理できるようになります。このため、現在の交換機を中心とした設備が、いずれ総IP化し、電話の通話もマルチメディアサービスも統一的に扱う機材と置き換えた方が有利であるという判断が働いています。

 その結果、IP化した通話や音声や画像動画を一元的に扱えるサービスメカニズムであるIMSが注目を集めているのです。



URL
  3GPP(英文)
  http://www.3gpp.org/
  3GPP2(英文)
  http://www.3gpp2.org/

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(大和 哲)
2005/06/28 15:44

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