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第265回:MediaFLO とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


携帯電話に「放送」の仕組みを

携帯電話で映像コンテンツを楽しめる「MediaFLO」

米国でのサービスの仕組み。映像は一方通行で配信されるが、契約者情報などは携帯の通信機能で送受信する
 MediaFLOは、米クアルコムが推進している、携帯電話向けマルチメディア配信プラットフォームです。米国では2006年中のサービス開始が予定されています。“FLO”は、下り専用を意味する「Forward Link Only」の略で、マルチメディアコンテンツを受信側へ一方的に配信するタイプのサービスです。

 すでに日本では「ワンセグ」「モバイル放送(モバHO!)」と、携帯機器向けのデジタル放送は始まっていますが、このMediaFLOもこれらと並んで開始が期待されるサービスの1つでしょう。

 MediaFLOでは、テレビ放送のように、配信される内容をリアルタイムに携帯電話で楽しむことができます。その意味で日本では「ワンセグ」や「モバHO!」と比較されることの多い技術ですが、単純に受信するだけではないのがMediaFLOのミソです。リアルタイムの視聴に加えて、さらにコンテンツを携帯電話内にに蓄積して楽しむことができるサービス「ClipCast」も予定されています。

 MediaFLOの仕組みとしては、他のデジタル放送と同様に、電波を使って一斉に多くの端末にコンテンツを配信する「マルチキャスト配信」を行なっていますが、それに携帯電話の通信機能を融合させたものになっています。たとえば、テレビ番組表や、MediaFLOによる放送サービスを契約した際のユーザー情報(契約者情報)などは、携帯電話の通信機能を使ってパケット通信でやり取りしています。つまりインタラクティブな部分を携帯電話の通信機能に受け持たせ、放送の受信のみをFLO部分で行なうということもできるようになっているのです。

 ちなみに、同じくモバイル機器向けのデジタル放送であるモバHO!では、視聴に必要な制御は全て衛星からの放送波を使って行なわれます。放送内容は契約しないと見られませんが、放送局と契約をすると、「契約が結ばれた」というデータも衛星から配信されて、それを受信した受信機が放送を見たり聴いたりできるようになります。

 携帯電話は基本的に通信を行なう機械であるため、イベント開催時の映像配信のように、その映像受信をあまりに多くのユーザーが希望していたりすると通信ネットワーク経由での配信では、輻輳が発生して受信できなかったり、一人当たりに配信できるデータ量が限られてしまいクオリティが下がってしまったりするという問題がありました。

 MediaFLOでは、これまでの携帯電話にテレビのような「放送」でデータ配信する仕組みを追加できるとしています。動画のような帯域を占有するものを、従来の携帯電話で使っていたのネットワークではなく、別の部分を使って配信することで、「大勢の人に一斉にメディア配信できるようになる」という点がこれまでの携帯電話での配信と比べた場合の大きなメリットということになるでしょう。


周波数帯割り当てなど、障壁はいくつもあるが……

米国でのサービスでは、リアルタイム番組が最大20チャンネル放送できる
 MediaFLOは、「これまでの携帯電話の仕組みとは、別の仕組みを用意してそちらでマルチメディア配信を行なう」方式であると述べましたが、実際にFLO部分と従来の携帯電話システムでは、利用する周波数帯、電波配信方式から異なります。

 メディア配信は、携帯電話とは別のVHF・UHF帯の電波を使って、デジタル方式のマルチキャスト配信を行なっています。たとえば、サービスが開始される米国では716MHz〜722MHzと6MHz幅の周波数帯が利用されます。

 また、電波の送信は、テレビ放送のような鉄塔を使って、広い範囲に向けて配信を行ないます。ちなみに、MediaFLOでは多元接続方式としてOFDMが、変調方式として、QPSKと16QAMが選択可能です。標準品質映像、高品質映像用データを組み合わせて送信することも可能で、携帯電話は電波の受信状況によって、どちらの品質の映像を受信するかを選ぶこともできます。

 放送できるコンテンツのチャンネル数ですが、米国で開始されるサービスでは6MHzという帯域を使用することになっており、この場合であれば、H.264コーデック、320×240ドット(QVGAサイズ)、30fpsの映像で20チャンネル、AAC+コーデックを利用した音楽放送は10チャネル、さらに1日あたり800分ぶんのClipCastが利用可能であるとされています。

 ただし、MediaFLO自体は、利用する周波数帯が5Mhz〜で選べ、さらにコーデックも選択が可能であるとされており、米国以外でサービスが開始される場合は異なるものになる可能性もあります。

 日本では、そもそも、配信に必要な電波の周波数帯域が割り当てられるかどうかもわかっておらず、サービスが開始される予定はまだありませんが、開発元のクアルコムはKDDIとの間で企画会社を設立するなど、少しずつサービス開始に向けた取り組みは行なわれています。



URL
  MediaFLO 案内(英文)
  http://www.qualcomm.com/mediaflo/

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(大和 哲)
2006/03/07 13:37

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