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第22回:DoPaとは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


NTTドコモのパケット通信サービス「DoPa」

 DoPaは、NTTドコモの対応携帯電話・無線通信アダプタで利用できるパケット通信サービスで、最高28.8kbpsでの通信が可能です。

 このDoPaの特長は(パケット通信一般の特長でもありますが)、料金が、時間単位ではなく通信したデータの量に応じて課金を行なうデータ従量課金制になってる点です。つまり、ずっと接続していてもデータの送受信がなければ課金されないので、接続時間を気にせずに安心して通信ができるのです(ただし、DoPaは通常、基地局側で無通信状態が10分間継続すると、自動的に切断されるように設定されていますので、ずっとつなぎっぱなし、とはいかないのですが)。

 ちなみに、実際の料金計算では、本当に通信時に利用されたパケットの数ではなく、月ごとにDopa網を通って送受信されたデータの量から128で割ったものが「パケット量」として計算されます。ですので、厳密には使用したパケットの数と利用料とは微妙に異なるわけですが、いずれにしても時間ではなく、どれだけ使用したかで料金が決まる、ということになります。

 このDoPaでは、PCなどから発信するデータを携帯電話・無線通信アダプタが、「PDC-P」という、パケット通信網を使って基地局へデータを送り、そこからドコモの交換網に送られます。

 ちなみに、このPDC-Pはもともと、このDoPa用に作られたもので、PDC方式デジタル携帯電話のサービスとネットワーク設備を一部共有しているため、この名前がついていますが、PDCデジタル携帯電話の電話回線そのものとは別のパケット通信回線で、ひとつの回線でPDCフルレートにあたる9.6kbpsの回線速度を持っています。現在の28.8kbpsの通信速度はこの回線を3本同時に利用することで実現しています。

 また、現在ではこのDoPaはiモードなどと共用で使われている通信網でもあります。


DoPaの使われ方

 DoPaには、いろいろな使われ方があります。たとえば、産業用の監視装置として、何か異常があったときに携帯電話のDoPa網を利用して、機械の管理者に通報することができる「自動通報装置」などにも使われています。たとえば、オムロンでは、iモードへメールで管理者に通報するという便利な自動通報装置「形K5S」を販売しています。

 またDoPaでは、データ転送の方法として、インターネットと同じ「TCP/IP」がサポートされています。そのため、パソコンなどのデータ発信元から発信され、携帯電話(あるいはデータ通信アダプタ)→「PDC-P」パケット通信網→ドコモの交換網を経由したデータは、インターネットで使われるのと同様の技術を使って、その先、さまざまなデータ経路、さまざまな使い方ができます。

 企業などで使われているのはLAN接続といって、DoPa網に接続したルータから専用線を通じて企業のイントラネットに接続します。社外にいる社員が、モバイル機器を利用して、あたかも社内にいるのと同じネットワーク環境を提供する仕組みがあります。

 もう少し小さな企業向けの仕組みでは、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)という、インターネットを専用線のように使う仕組みを使って、同様に仮想のプライベートネットワークをモバイル機器に提供するサービスもあります。

 そして、一般のユーザーにとってなじみが深いのは携帯電話を使ったインターネット接続サービスでしょう。これは、ノートパソコンなどにDoPa対応の携帯電話をつないで、インターネットに接続するサービスです。

 このサービスでは、パソコンにつないだ携帯電話・無線通信アダプタから発信したデータは、「PDC-P」パケット通信網、ドコモの交換網を通り、そこから先はインターネットプロバイダを経由してインターネット接続されます。これにより、モバイル機器からインターネット上のホームページやメールサーバーにアクセスすることができるようになるわけです。


 DoPaのデータの流れ。携帯電話から発信されたデータは、携帯電話基地局からDoPa網へたどりつく。ここから、たとえば、企業向けの専用線で企業のサーバーのデータを提供したり、あるいはインターネットサービスプロバイダに接続してインターネットへの接続サービスを提供する

DoPaインターネット接続サービスを使うには

 ノートパソコンなどで、DoPaを利用するには、以下の3つが必要です。

・DoPa対応の携帯電話

 (デジタル・ムーバP301/302HYPER及びN301/302HYPER。9.6kbpsのみであれば209シリーズで利用可)

・パソコンと携帯電話機を接続するデータカード

 (モバイルDPカード2896P1やMobile USB Cable Slimなど)

・NTTドコモとのDoPa契約

 なお、携帯電話とデータカードの代わりとしてDoPaパケット通信専用機「DoPa MAX2881P」なども利用することができます。

 そして、DoPaを利用してインターネットに接続するには、これらに加えて、DoPa網と接続しているインターネットサービスプロバイダとの契約が必要です。このDoPaには@nifty、BIGLOBE、リムネット、SANNETなどをはじめ多くのプロバイダが対応しています。

 DoPaの料金体系は、シングルサービス(パケット通信のみ利用する)、デュアルサービス(音声とパケット通信の両方を利用する)の区別のほかに9.6kbps/28.8kbpsどちらの通信速度を使うかによって違いがあります。さらに固定料金に何パケット分の料金が含まれるかによって、いくつかのプランに分かれます。

 NTTドコモのサイトに基本使用料および通信料が掲載されているので、利用する場合はこちらを見て比較検討し、どのプランが自分に最適かを考えて契約するといいでしょう。

 ちなみに、携帯電話ではなく、無線通信専用機(DoPa MAX2881P)を利用する場合、「シングルサービス」というDoPaの無線通信専用料金プランを利用することもできます。このプランでは、音声通話は利用できませんが、月間4000パケットの通信料を含んで月額2500円の「ベーシックプランS」か、月間30万パケットの通信料を含んで月額1万円の「フラットプランS」を利用することで、通常の音声通信を含むプランよりも安くあげることもできます。




URL
  DoPaインターネット接続サービス情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/products/dopa/mobile/net.html


(大和 哲)
2000/11/28 00:00

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