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第28回:MMC(マルチメディアカード)とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)

■ MMCとは

MMC
日立のMultiMediaCard
SSP-HP7
記録メディアにMMCを採用した、三洋電機製リア型ヘッドフォンタイプ・デジタルオーディオプレーヤー「SSP-HP7

 MMC(MultiMediaCard、マルチメディアカード)は、携帯音楽プレーヤーなどでよく使われるメモリカードです。また、携帯電話関係では1月に発売予定のfeel H"端末「RZ-J91」が「SoundMarket」音楽配信サービスに標準で対応しています。配信された音楽データは、この端末のメモリースロットに挿入したセキュリティ機能付きのMMCに記録されます。海外ではページャー用のメモリとしても使われています。

 このMMCはSiemensが考案し、SanDiskと共同で開発した小型のメモリカードの規格です。現在では、日立、Motorola、NEC、Nokiaなども参加するMMCA(MultiMediaCard Association)が規格の策定などを行なっています。
 ちなみに“MultiMediaCard”は、独Infineon Technologies AGの商標で、MMCA(MultiMediaCard Association)にライセンスされています。

 このカードは、現在市場に出回っている中では最小のメモリカードです。サイズは24×32×1.4mm(縦×横×厚さ)とほぼ切手大で、大きさはSDメモリーカードと同じですが、厚みが1.4mmと、2.1mmのSDカードよりもさらに薄いメモリカードです。

 普通、半導体メモリは平面上にメモリーセルを載せていきますが、このMMCはそれまでのカードと違い、カードの中で立体に配置されています。また、多値論理制御技術なども使って、非常にコンパクトにまとめているのです。

 現在64MBまでのフラッシュメモリーを使ったメモリーカードが販売されていますが、仕様上は512MBまで対応が可能で、またはマスクROMを使用したROM仕様のMMCも存在しています。

 カードバスはシンプルなシリアルインターフェイスで、最大30枚までのMMCの接続も可能、メモリカード以外のI/Oデバイスをサポートするためのプロトコル「SPI(Serial Peripheral Interface)」も規定されている、と小さいながらポテンシャルをもったメモリカードです。最大転送速度は20Mbpsとなっています。


 SDメモリーカードとMMCの間には電気的な互換性があります。SDメモリーカードの9つある端子のうち7つはMMCのそれと全く同じ位置にあり同じ働きをします。そのため、SDメモリーカードのセキュリティ機能などを使用しない機器の場合、SDメモリーカードのスロットでMMCをメモリーカードとして使用することが可能です。

 たとえば、九州松下電器と松下電器産業から発売されているカメラ付きメール端末「POCKET・Eカラー KX-FE841」にあるメモリースロットはSDメモリーカード、MMC兼用になっていてどちらのカードでも使用することができるようになっています。

 PCでの読み書き用には、MultiMediaCardをPCカード規格Type IIのPCカードとして利用できるPCカード用のアダプタや、3.5インチFDDドライブで読み書きできるアダプタなどが製品化されています。


アイ・オー・データ機器のSDメモリーカード/MultiMediaCard対応PCカードアダプタ「PCSD-ADP」
アイ・オー・データ機器のフロッピーディスクアダプタ「FPSD-ADP」。こちらもSDメモリーカードとMultiMediaCardの双方に対応する

セキュリティ機能付きのものが「ケータイdeミュージック」に

セキュアMMCを記録メディアに採用した音楽配信システム「ケータイdeミュージック」対応の三洋電機製feel H"端末「RZ-J91」
 このMMCには著作権保護機能を持ったセキュアマルチメディアカードというバージョンもあります。これは、「三洋電機、日立、富士通が進めている携帯電話・PHSを利用した音楽配信システム「ケータイdeミュージック」に採用されているメモリカードです。

 このセキュアMMCカードは、特に著作権データのキー情報や、金銭に関わることなど、セキュリティが必要な情報のために、非常に強固に情報を保護する仕組みが備わっています。特に重要な情報はタンパ・レジスタント技術も使った領域で格納して情報が不正に使われないようにしています。

 このタンパ・レジスタントとは、半導体チップなどの内部解析や改ざんを物理的にも防衛する技術のことで、例えばチップ内部に強固で粘着力の高いコーティングを施し、表面を剥がすと内部の回路が完全に破壊されるようにしたり、ダミーの配線を施したりなどということが行なわれます。つまり、カードからメモリを抜き出してそこにあるデータを不正に使用しようとしても、「セキュアMMCカード」では、タンパレジスタントで保護された部分を空けることはできないし、また、無理に開けるとメモリ自体が壊れてしまい、読み取れないようになっているのです。

 なお、セキュアMMC自体はマルチメディアカードとの互換性があり、厚みも含め全く同一の形、大きさをしています。そのため、普通のMMCとしてセキュアでないMMCスロットに挿入して使うことも可能になっています。




URL
  MMCA(MultiMediaCard Association)
  http://www.mmca.org/
  三洋電機の「RZ-J91」ニュースリリース
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0009news-j/0929-1.html
  日立のFLASH CARD LAND
  http://www.hitachi.co.jp/Sicd/Japanese/Products/memory.htm
  日立の128MB MMC製品化のニュースリリース(2000年10月)
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/0010/1002.html
  日立の64MB MMC製品化のニュースリリース(2000年6月)
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/0006/0601c.html
  ケータイdeミュージック・コンソーシアム
  http://www.keitaide-music.org/index_j.html


(大和 哲)
2001/01/16 00:00

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