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第286回:EV-DO Rev.B とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


CDMA2000 EV-DOの高速化規格

 EV-DO Revision Bは、3G携帯電話の通信方式の一つである、CDMA2000 1xEV-DO方式を機能拡張した規格です。3GPP2で標準化されました。

 EV-DOとしては、「EV-DO Rev.0」、その改良版である「EV-DO Rev.A」、「EV-DO Rev.B」の3つが規格化されており、さらに追加して「EV-DO Rev.C」も今年中に規格化が予定されています。

 CDMA2000 1xEV-DOは、米クアルコムが開発した、高速データ通信専用の移動体通信規格です。EV-DOの“DO”は、データのみを意味する「Data Only」の略で、その名前の通り、音声のやりとりをせずデータ伝送に特化し、その分伝送速度を高速化させた規格です。日本では、auが2003年10月からEV-DO Rev.0を利用して「CDMA 1X WIN」というサービスを提供しています。

 Rev.0からRev.Aでの改良点としては「速度の向上」「マルチキャスト」「QoS」などがあげられましたが、Rev.AとRev.Bの最大の違いもやはり「速度の向上」です。EV-DO Rev.Bは、EV-DOの中でもさらに高速なデータ通信が行なえる規格となっています。

 EV-DOでは、Rev.0が下り最大2.4Mbps、上り最大144kbpsのデータ通信が可能でしたが、Rev.Aでは下り最大3.1Mbps、上り最大1.8Mbpsになりました。Rev.Bでは、規格上最大のデータ伝送速度は、下り73.5Mbps、上り27Mbpsと大幅に高速化されました。


複数の通信チャネルを同時利用して高速化

 EV-DO Rev.Bは、別名「DO Multicarrier」あるいは「Nx EV-DO規格」などと呼ばれることもあります。その名前の通り、EV-DO Rev.Bは、Rev.Aで利用していた帯域を複数利用することで通信速度を向上しています。

 EV-DO Rev.0やRev.Aでは1つの通信チャネルで、1.25MHzの帯域幅を利用していましたが、これを2本、3本……と束ねて利用することができます。Rev.Aでは最大3.1Mbpsでの速度の通信ができることになっていましたが、これが2本であれば倍の6.2Mbps、3本であれば9.3Mbps……の速度での利用が可能になります。Rev.Bでは規格上、20MHz幅までの利用が設定されており、これで最大73.5Mbpsということになるわけです。

 このような規格を採用した、最大のメリットは、Rev.Aとの下位互換性です。Rev.Bでは、同じネットワーク上にRev.Aの機器、Rev.B対応機器が混在することが可能で、基地局側も無線部分などに関しては従来の設備をそのまま利用することが可能になり、コスト的に有利ということになります。

 この互換性に関してはEV-DOシリーズの規格では、非常に重要視されています。Rev.Bに続いて規格化される予定のRev.Cでは、Rev.Bからさらなる通信速度の向上、10ms以内とされる遅延の短縮、最大350km/hに対応可能なネットワークの高速追随などの改良が行なわれる予定ですが、やはり、Rev.CとRev.Bの同一ネットワーク内混在可能などの特徴は保たれる、とされています。


製品は2007年後半から

 Rev.Bに関しては、携帯電話のチップセットなどを提供しているメーカー、米国のQualcommが、PCカード・データモデム用チップセットを2007年後半から商品化、2008年以降には複数の製品ラインナップを行う計画を明らかにしています。世界で、いくつかの携帯電話事業者がEV-DO Rev.0やRev.Aでのサービス提供を行なっていますが、これらの事業者がRev.Bでのサービス提供を行なうのは2008年度以降ということになる見込みです。



URL
  3GPP2
  http://www.3gpp2.org/
  C.S0024-B v1.0(規格書、英文、PDF形式)
  http://www.3gpp2.org/Public_html/specs/C.S0024-B_v1.0_060522.pdf


(大和 哲)
2006/08/22 12:08

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