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第339回:JavaFX Mobile とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


JavaFX MobileでグラフィカルなUIを実装した試作品を手にする、米サン ソフトウェア部門Executive Vice PresidentのRich Green氏

JavaFX MobileでグラフィカルなUIを実装した試作品を手にする、米サン ソフトウェア部門Executive Vice PresidentのRich Green氏
 JavaFX Mobileは、米Sun Microsystems(Sun)が提供する、携帯電話携帯機器向けのソフトウェアプラットフォームです。2007年5月に開催された、Sunが主催するJava関連イベント「JavaOne」では、JavaFX Mobile対応携帯電話の試作品が紹介されました。

 JavaFXとは、Sunが提唱するコンセプトで、携帯電話やセットトップボックス、カーナビゲーションシステムなど、グラフィカルなコンテンツへの対応が要求されるコンシューマデバイス向けのソフトウェアシリーズです。JavaFXの「FX」は、特殊効果を意味するSFXから来ています。

 JavaFX Mobileと、同時に発表されたJavaFX Scriptは、「JavaFX」シリーズの名前の下に展開されるシリーズ製品第1弾で、今後もこのシリーズとして、さまざまなコンセプト、製品が加わることになっています。


JavaFXを携帯電話で実現するためのプラットフォーム

 JavaFX Mobileは、元はLucent Technologiesからスピンアウトしたベンチャー企業、SavaJe Technologiesから提供されていたJavaベースのOS「SavaJe OS」と言い、組込用Linuxをベースとした携帯電話向けソフトウェアプラットフォームです。

 Java仮想計算機環境(Java VM)を含むマルチタスクOS機能、電話機能、Webブラウザやメール機能、PIM、メディアプレーヤーなどの携帯電話用アプリケーションを含みます。

 携帯電話にJava FX Mobileを搭載することで、従来型の携帯電話、キーボード付き携帯電話、タッチスクリーン携帯電話などさまざまなタイプの携帯電話で、これまではFlash Liteでのみ実現できたようなグラフィカルなユーザーインターフェイスを実現することも可能になります。

 JavaFX Mobileを技術的に見ると、Java実行環境としては、これまで携帯電話用Javaとして使われてきたJava2 MEおよびCLDCをサポートし、MIDletの複数同時実行をサポートします。Personal Basis Profile(PBP)用のアプリケーション「Xlet」も同時に実行できます。PBPとは、Java2 MEになかった機能をJava2 SE 1.3 のサブセットとして持ってきたもので、GUIやセキュリティ機能、ネット接続、IOなどの機能を含んでおり、パソコン向けJavaプログラムなどを携帯電話に移植することがより容易になります。

 JavaFX Mobileが発表された目的は、同じくJavaFXファミリーとして発表されたJavaFX Scriptを含む「JavaFXシリーズ」をサポートするためである、と考えられています。

 JavaFX Scriptは、グラフィックベースのコンテンツを作るための記述言語で、AdobeのAIR、マイクロソフトのSilverlightと同様に、セットトップボックスや携帯電話、パソコンなど幅広い環境において、より簡単なスクリプティングでマルチメディアコンテンツを開発できる環境の実現を目指しています。

 そのため、携帯電話などの非力な環境でもJavaFXコンテンツが再生できる必要があるのですが、もともとJavaFX Scriptは、元になったSeeBeyondのForm Follows Functionのときから、パソコン向けのJava2 SEとマルチスレッドプログラム実行環境であるSwingに大きく依存したシステムでした。そこで、このJavaFX Script環境を携帯電話でも実現するために、プログラムのマルチタスク実行が可能で、かつJava2 SEの機能の一部を携帯電話上で実現できる、JavaFX Mobileのような環境が必要になった、というわけです。

 なお、Sunでは、JavaFXに属する全てのソフトウェアをGPLに基づいて配布するオープンソースソフトウェアとして配布するとしています。GPLとは、フリーソフトウェアの普及を目的として創設された団体「Free Software Foundation」によって文書化されたソフトウェアライセンスで、このライセンスに基づいて配布されるソフトウェアは、ソースコードの公開が義務付けられ、再配布や改変の自由を妨げる行為を禁止します。

 つまり、JavaFX Mobileも、ソースコードを含めて、誰もが再配布や改変が可能な携帯電話OSとして配布されることになります。



URL
  プレスリリース
  http://jp.sun.com/company/Press/release/2007/0509.html
  JavaFX Mobile概要(英文)
  http://www.sun.com/software/javafx/mobile/

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(大和 哲)
2007/09/18 15:51

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