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第349回:CSP とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「CSP」とは、半導体チップのパッケージカテゴリーの1つで、半導体チップそのものとほぼ変わらない程度の小ささのものです。

 CSPという名称は、チップサイズのパッケージを意味する英語のフレーズ「Chip Size Package」あるいは「Chip Scale Package」が元になっています。

 この用語の定義はメーカーによってまちまちなのですが、ほぼ共通しているのは、チップの中の半導体回路そのものとほぼ同じ大きさ、あるいは同じ大きさを目指したLSIパッケージということです。

 非常に小さなサイズの半導体で、一番小さな部類と言っていいでしょう。携帯電話やデジタルカメラといった、現代の小型携帯機器に内蔵されているLSIでよく使われています。


最小のLSIパッケージ

 そもそも携帯電話などに内蔵されているLSIとは、何なのでしょうか。大きさを見ると、数mm四方の大きさのシリコンで、そこにはごくごくわずかな不純物をまぜた2種類の半導体が数十万、数百万という単位で組み合わされ、電子回路となっています。以前は、比較的回路数の少ないものをIC、そこから大きくなるにつれてLSI、VLSI、ULSIという名前で区別することもありましたが、現在ではいずれもほぼIC、もしくはLSIというカテゴリーでくくられています。

 しかしこのままではホコリや衝撃などに非常に弱く、実用に耐えません。そこで、この回路を載せたシリコンをモールド樹脂と呼ばれる樹脂で封入します。このモールド樹脂には、絶縁性に優れたエポキシなどが使われています。

 モールド樹脂にくるまれたLSIと、基板上の電子回路を接続するため、樹脂にくるまれているLSIからボンディングワイヤが伸び、その先でLSIの端子に繋がっています。これが、黒や緑の四角にゲジゲジ虫のような金属の足がのびた、一般的なLSIのパッケージングになります。



 LSIのパッケージにはいくつもの種類があるのですが、大きく分けて、挿入型のパッケージと、表面実装型のパッケージに分けられます。

 挿入型とは、ソケットなどにLSIを「差し込む」ための形をしているLSIで頑丈な金属の足が並んでいるタイプです。DIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)などという種類が代表的です。パソコンの自作などをしていると、ソケットに差し込むタイプのCPUを見る機会があるかもしれませんが、あれが挿入型のLSIだと思えばいいでしょう。

 もう一方の表面実装型は、ソケットなどを使わずに基板に半田ボールなどを使ってくっつけて実装するタイプのLSIです。現在の電子機器は多くのLSIがこの表面実装タイプのLSIを基板上に取り付けられています。このタイプのパッケージとしては、SOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、BGA(Ball Grid Array)などがあります。

 このうちCSPは、表面実装型のパッケージということになります。CSPは、LSIの回路サイズほぼそのままという非常に小さいものであるため、端子形状としてはBGA、つまり半田ボールを使った端子がLSIの裏側に多数ある、というような形状になっているのが一般的です。

 また、CSPの一種としてWLCSP(またはW-CSP)と呼ばれるパッケージもあります。これは、Wafer Level Chip Sized Packageの略で、ウェハー状態のままICを樹脂封止してしまうという技術で作り出した、超小型LSIパッケージです。



(大和 哲)
2007/11/27 11:21

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