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第407回:可視光通信 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


2009年1月、六本木ヒルズで可視光通信を使った実験が行われた

2009年1月、六本木ヒルズで可視光通信を使った実験が行われた
 「可視光通信」とは、目に見える波長の光を使って行う通信です。

 現在でも、光を使った通信技術は実用化されています。たとえば赤外線データ協会(IrDA)は、赤外線を使った通信です。ただし赤外線通信の場合、赤よりもさらに波長が長く、人の目には見えない光を使っています。

 人の目に見える光は、波長が短い紫〜波長が長い赤の範囲までですが、可視光通信とは、人にとって「色のついた光」として認識できる光を使って、デジタルデータを受信機に送る技術です。

 現在、可視光通信は、日本国内では技術的にはほぼ実用化、商用化の一歩手前と言える状態にあります。

 可視光通信コンソーシアム(VLCC)という業界団体が設立されていて、IrDAおよび光無線通信システム推進協議会(ICSA)と共同で、通信方式の標準化やに向けて活動しており、電子情報技術産業協会(JEITA)への標準化案の提案などが行われています。

 可視光通信の特徴を考えると、各企業で応用され、さまざまな製品の発売にも期待できますが、その一方で各社が独自方式を採用してしまうと、製品によっては干渉したり、互換性に問題が起きる可能性も考えられます。また、既に普及している赤外線通信などにも干渉する可能性があります。そのため、標準化が進められているわけです。

 現在、可視光通信システム規格(VLCC-STD-001)、可視光IDシステム規格(VLCC-STD-003)の2規格がVLCCからは提案されています。VLCC-STD-001では、青色に近い380nm波長から赤色の780nmまでの波長の光を使うことが決められています。VLCC-STD-003では、変調方式として、赤外線通信と同様の方式(4値パルス位置変調、4PPM:4 Pulse Position Modulation)方式が採用されています。

 ちなみに、この可視光通信の利用に向けた動きは、日本を中心に韓国、中国などほぼ極東アジア圏内に限られているようで、欧米ではほとんど動きがありません。

 市販の家電で、可視光通信機能が搭載されるケースはまだありませんが、展示会などでは、スポットライトの照明光に受信機をかざすと、受信データを受信機側で再生するといったデモが行われています。あるいは、複数のスポットライトを受信機が浴びて、その受信機の位置情報を取得する可視光IDシステムデモ展示されました。

 可視光通信規格が標準化されれば、一般への普及も始まっているLED照明に送信装置を組み込んだり、携帯電話に搭載されたりして、実生活で使われるシーンも増えるだろうと期待されています。


光であることのメリット、ユーザーにも分かりやすく

 可視光通信の仕組みは、簡単に言えば「照明の光の強弱を変えることでデジタルデータを送る」というものです。

 室内照明にはよく電球や蛍光灯が使われていますが、最近ではLED(発光ダイオード・Light Emitting Diode)も使われるようになってきました。

 LEDも、コンピュータチップやディスプレイなどに使われる半導体の一種で、非常に速いスピードで正確にスイッチをON/OFFできるという特徴があります。つまり、照明の場合は非常に高速に点滅することができる特性があるのです。これを利用して、人の目にはわからないほど早く明滅させることで、可視光通信できるようにするのです。光が明滅していても、あまりに速くスイッチが切り替わるので、人の目にはわからず、LEDから発せられているデータの入った光もただの照明光にしか見えません。

 この可視光通信には、いくつかユーザーにとってのメリットがあります。そのもっとも大きな点は「通信していること、できることがわかりやすい」という点が挙げられます。

 どこからデータが載せられた光が出ているかわかれば、受信機は光の当たる範囲に置けば良いですし、予想外の場所に通信内容が飛んでいってしまうこともありません。送信エリア(ターゲット)を絞りたい場合に適した通信方式と言えます。

 ちなみに、可視光送信機へのデータ中継には、電力経由のPLC(電力線搬送通信)が想定されているようです。PLCであれば、自由に送りたい場所まで電力線を使ってデータを送り、その電力を使って照明を光らせて、同時に照明光にデータを転送できます。

 可視光通信は、データを伝えられるものの、ただの光ですから、利用周波数や出力が電波法などで細かく決められている電波よりも自由に利用できます。

 送受信機どちらも比較的簡単に作れるのも特徴と言えるでしょう。可視光を受信する機器としては、フォトダイオードなどの光センサー、CCD、CMOSなどがありますが、これらはデジタルカメラなどで非常に広く使われているデバイスで、こういった機器を応用すれば、受信装置を作ること自体は容易です

 現在はまだ、可視光通信は実際には用いられておらず、商品化されていませんが、数多くのメリットがあることから、将来が期待されている技術なのです。



URL
  可視光通信コンソーシアム(VLCC)
  http://www.vlcc.net/

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(大和 哲)
2009/02/03 12:31

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