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第411回:モバイルWiMAX とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


WiMAXの移動通信対応版

日本ではUQ WiMAXが2月26日よりサービスを開始。当初は無料で、7月から有料になる

日本ではUQ WiMAXが2月26日よりサービスを開始。当初は無料で、7月から有料になる
 モバイルWiMAXは、無線を使ったブロードバンドモバイル通信規格の1つで、ADSL並みの速度と料金でデータ通信できる技術として注目されている規格です。

 都市程度のエリアをカバーするMAN(Metropolitan Area Network)に対応すべく策定された「WiMAX方式」を元に、移動しながらの通信や、省電力対応などモバイル通信に対応するための変更を加えた規格がモバイルWiMAXということになります。

 インテル、ノキア、モトローラなどが参加する「WiMAXフォーラム」によって推進され、米国電気電子技術者協会(IEEE)で標準化された規格で「IEEE 802.16e」という規格番号でも知られています。

 モバイルWiMAXと固定通信のみを扱うWiMAX(IEEE 802.16a)との違いは、その名の通り、モバイルWiMAXでは移動通信が可能となっていることです。モバイルWiMAXでは、4km/h〜120km/h程度までの基地局ハンドオーバー、モバイルWiMAXと他システム(たとえばLTE)などとのハンドオーバーなどで規格が確立されています。基地局ハンドオーバーに対応するかどうか、あるいはどの程度の速度までハンドオーバーに対応するかどうかなど、事業者がどの機能をサポートするか選択できます。

 モバイルWiMAXは、変調方式などの物理層部分がIEEE 802.16e規格で、ハンドオーバーなどの上位レイヤーの技術方式はWiMAXフォーラムで標準化されています。

 当初、WiMAXフォーラムで最初の規格「Wave 1」が制定されましたが、その後、MIMOの使用などを追加した規格「Wave 2」が制定され、製品化されています。

 日本では、KDDI系列のUQコミュニケーションズがモバイルWiMAX Wave 2を使ったサービスを2009年2月26日より提供しています。下り最大40Mbps、上り最大10MbpsとADSL並みの高速なブロードバンド通信サービスとなっており、6月末までは無料で提供される、いわばお試し版と言える形ですが、7月からは月額4480円の定額制プランで本格的に商用化される予定です。

 海外では、日本で採用されているモバイルWiMAX Wave 2ではなく、Wave 1によるサービスが韓国で2006年から開始され、日本と同じWave 2によるサービスは、たとえば米国でスプリント・ネクステル傘下のXHOM(現在はClearWireとSprint NextelのWiMAX事業をまとめ、ClearWireが事業者になっている)が2008年からモバイルブロードバンド通信サービスを行うなど、いくつかの国でサービスが開始されています。なお、米国でのモバイルWiMAXはWave 2のPhase 1、日本はWave 2 Phase 2です。


OFDM、MIMOなどを採用

 モバイルWiMAXは、携帯電話事業者が導入する予定のLTE(Long Term Evolution)や、ウィルコムが推進する次世代PHSと比べ、変調方式としてOFDMを採用し、MIMOやアダプティブアレイなどのスマートアンテナ技術を利用するなど、技術的に共通点があります。

 ただし、モバイルWiMAXは、どちらかといえば、データ通信を主眼においたワイヤレスブロードバンド通信方式である点に特徴があります。音声通信のように連続した少しのデータを遅延なく通信するのではなく、短時間に大量のデータを、再送信しても良いのでデータレベルで誤りのない通信を目指している移動体通信技術です。

 技術規格としては、国や事業者の事情で選択の幅の大きな規格となっていることも特徴的であるといえるでしょう。

 たとえば、モバイルWiMAXにおいては、事業者によって、移動通信をサポートしなかったり、他の通信方式(LTEなど)とのローミングも行うようにしたりできる、といったように、オプションを選べます。あるいはモバイルWiMAXで使用する電波の周波数帯は6GHz帯以下、とされていますが、国によって、2.3GHz帯、2.5GHz帯、3.5GHz帯、5.8GHz帯という広い範囲から選択できます。

 ちなみに日本のUQコミュニケーションや米国のXHOMが利用しているのは2.5GHz帯ですし、韓国では2.3GHz帯が用いられており、異なる周波数帯でサービスが行われています。

 通信に利用する帯域幅は、国や地域の事情によって異なりますので、モバイルWiMAXを導入しやすいように、1.25MHz幅〜20MHz幅まで選択できるほか、ダウンロード、アップロードの速度比も事業者が選べます。このため、モバイルWiMAXでは多重化方式にスケーラブルOFDMA(SOFDMA)という技術を使い、柔軟性を持たせています。

 帯域幅を最大20MHz幅で利用した場合、モバイルWiMAXデータ転送速度は最大75Mbpsになるとされています。日本のUQコミュニケーションズには2007年12月に30MHz幅が割り当てられてました。同社では割り当てられた帯域を3つに分けて、帯域幅10MHz幅で1端末あたり下り最大40Mbpsでの通信が可能な設定で、サービスを提供しています。

 逆に、モバイルWiMAXを他の次世代モバイルブロードバンド通信と比較した場合、基地局の配置方法に難点があるという指摘もあります。同じ周波数帯でのセルのオーバーラップが難しいためです。

 ちなみに、モバイルWiMAXの将来の技術的な進展としては、近い将来に「IEEE 802.16e Rev 2」が、将来的には「IEEE 802.16m」という次規格、次々規格が控えています。

 バージョンアップ版モバイルWiMAXとなるIEEE 802.16e Rev2では、現行のIEEE 802.16-2005が対応するTDDモード(時分割複信)に加えてFDDモード(周波数分割複信)にも対応するなどして最大125Mbps程度までパフォーマンス向上を見込んでいます。

 また、次期モバイルWiMAXとなるIEEE 802.16mでは時速500km以上でのローミング対応、4×4MIMO構成、マルチキャリア方式で最大100MHzの帯域をサポート、IPブロードキャストマルチキャストの性能改善などを仕様に盛り込み、現在のモバイルWiMAXの約4倍となる最大300Mbps程度の通信などに対応する予定です。



URL
  WiMAX Forum(英文)
  http://www.wimaxforum.org/

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(大和 哲)
2009/03/03 12:43

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