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第56回:funstyleとは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


funstyleとは

funstyleに対応した携帯電話・京セラ製の「TK11」。携帯電話にマイク内蔵リモコン、ステレオヘッドホンが同梱されていて音楽再生を強く意識した作りになっている
 funstyleはツーカーの対応携帯電話で使うことができる、音楽データの配信サービスです。対応電話機では64和音・492音色の音楽再生が可能で、EZWebのfunstyleサイト(http://funstyle.net/top.html)などからデータをダウンロードして、音楽を再生できるようになっています。

 このfunstyleの特徴は、携帯電話で再生できる音楽の音質がリアルであること、また、ダウンロードできる音楽データが豊富であることがウリとなっています。funstyle専用サイトでは、第一興商などとの提携により、サービス開始当初から約1000曲の楽曲が専用のEZwebサイト上で配信され、150曲以上の楽曲が毎月新たに追加される予定です。

 現在、ツーカーの京セラ製携帯電話「TK11」がこのサービスに対応しています。この機種では、EZwebのサイトからをダウンロードした曲を標準装備のステレオヘッドホンで鑑賞したり、あるいは、リモコン部分についているステレオミニジャックを利用してオーディオ機器に接続して聞く、などということも可能です。


独自のMIDI形式による音楽演奏・funtyle

パソコンからfunstyleサイトで曲を検索。曲名、アーティストのほかにファイルサイズも表示される。たとえば、「CHEMISTRY」で検索してみると、「PIECES OF A DREAM」は約20KB(20623バイト)、「Point of No Return」は約19KB(19609バイト)。1曲30KBを超えることはほとんどないようだ
 funtyleは、音楽再生といっても、PCMのように演奏した音のデータをサンプリングしたデータを持っているのではなく、「音符データを携帯電話内部のシンセサイザLSIが演奏する」タイプの音楽再生をします。funstyle対応機の電話内部のシンセサイザLSIはMIDIデータを再生できるMIDI音源LSIで、492種類の音色を使って、同時に64の和音まで音を出して音楽の演奏をできるようになっています。このLSIがいわば電子的な楽譜のデータを演奏することで音楽を再生しているわけです。

 CDなどのように一度演奏された音楽データをそのままデジタル化して使うのではなく、funstyleのように電子的な楽譜データを使うタイプの音楽再生はデータの容量が少なくてすみます。実際に、funstyleサイトで曲を検索してみるとわかりますが、多くの曲の場合、データ容量は1曲数10KB程度に抑えられているようです。

 このため、データ通信速度が遅く、最大9.6kbps程度の携帯電話でも手軽に音楽データをダウンロードできるのです。実際に試してみますと、たとえば現在funstyleサイトに登録されている、「PIECES OF A DREAM」という曲のデータ(サイズ20KB)をダウンロードしてくる場合、40秒ほどでダウンロードできました。

 ちなみに、電子的な楽譜データということでは、今までの携帯電話にあった着信メロディなどとも同じですが、funstyleでは、それらに比べるとデータ上でいろいろな表現を工夫できるようになっていることも特徴で、このため、着信メロディと比較するとリアルな演奏ができます。たとえば、一般的な着信メロディでは、音色と音程、音の長さくらいしか指定できませんが、funstyleの場合、リバーブやコーラスやバランスやボリュームなども指定できるようになっています。たとえば、長い音を演奏させるときに音が消えるまでに、微妙に少しずつ音の高さをずらす、などということもできるわけです。

 なお、funstyleでは、基本的にダウンロードしてきたデータは「電子的な音符」ですから、携帯電話の側で演奏に手を加えてしまうことも比較的簡単にできます。

 たとえば、TK11の場合ですと、ダウンロードした楽曲を演奏するときに、携帯電話側の設定を変えてしまって、テンポや音程、楽器の種類などを変更したり、バスブースト、サラウンド、リバーブ、コーラスなどのエフェクトをかけて再生することも可能です。

 また、曲データを途中で切り出して、着信音に設定する、などということもできるわけです(ただし、試聴曲などは、データが保護されていて切り出し保存をすることはできないようになっています)。


 また、funstyleでは、データの中には曲の電子的な音符だけではなく、歌詞・画像なども含めることができるようになっています。ですから、TK11で音楽を再生させながらディスプレイ上にデータに含まれている歌詞や画像、演奏コード等を表示させることなども可能です。たとえば、簡易的なカラオケにしたり、あるいは「演奏コード」を表示しながら自分の弾きたい楽器のパートをOFFにして、バンド気分で楽器演奏が楽しむ、などということもできるのです。

 ただし、逆にいうと、funstyleで再生する曲はとてもリアルですが、曲のアレンジなどは完全にはCDなどと同じではありませんし、またボーカルなども入りません。

 なお、funtyleはMIDI音源LSIを使っていますが、先にとりあげたGeneral MIDI Liteなどとは違い、データ形式は独自の形式なので、基本的にfun style対応携帯電話でしか使うことは現在のところできません。ツーカーセルラー東京によると、準備ができしだい、同仕様を公開する予定であるとされていますので、他の形式から変換するためのコンバーターソフトなどもいずれは作られ、配布されるかもしれません。


・ funstyleホームページ
  http://www.funstyle.net/

驚きのスーパーメロディ
音楽データ配信サービス 「funstyle」



(大和 哲)
2001/08/21 14:34

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