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MOTION EYEを搭載した着せかえムービーケータイ「A1301S」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


ムービー対応エントリーモデル第1弾

 auは昨年来、撮影した動画をメールに添付できる「ムービーケータイ」をラインアップの主力に据えているが、そのムービー機能をエントリー向けモデルに搭載した新ラインアップ「A1300シリーズ」が登場した。第1弾モデルとなるソニー・エリクソン製「A1301S」を試用できたので、レポートをお送りしよう。


拡がり始めたムービーの世界

au/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ『A1301S』。サイズ:48×98×28mm、115g。スペースブラック(写真)、チタンシルバー、ミスティホワイトをラインアップ
 ケータイに搭載されたカメラで何を撮るか。対象物で言えば、やはり、人やペットなどが主流になるが、フォーマットということになると、通常は「カメラだから静止画でしょ」と考えるものだ。しかし、デジタルカメラの世界がそうであるように、カメラは「動画」「ムービー」を撮ることもでき、ケータイならメールに添付して、相手に送信することも可能だ。つまり、カメラという視点で捉えた場合、静止画と動画は基本的にほぼ同じものという見方もできる。あとは、動画を圧縮するための技術や撮影した動画を保存するためのメモリ、回線が動画をやり取りできるポテンシャルを持っているか否かだ。

 auは昨年来、動画を撮影して送信できる「ムービーケータイ」として、A5300シリーズをラインアップしている。すでに、先週紹介したA5304Tを含め、4機種が市場にリリースされている。他の事業者ではNTTドコモがFOMAで「iモーション」、J-フォンが「ムービー写メール」を展開している。動画の送受信がどの程度のトラフィックを生み出しているのかは、まだハッキリとしていないが、ユーザーの視点から見れば、メールで送るかどうかは別にして、同じカメラが付いているなら、止まっている映像よりも動く映像を撮ったり、見たりする方が楽しい。

 今回紹介するソニー・エリクソン製端末「A1301S」は、auが新たにラインアップに加えたムービーケータイだ。auでは昨年からムービーメールに対応したA5300シリーズを販売していたが、今回のA1300シリーズはA1000シリーズにムービーメールの機能を追加したものだ。GPSケータイ(eznavigation)やJava(ezplus)の機能は搭載されていないが、今まで上位モデルのみでサポートされてきたムービーメールがエントリーモデルでも使えるようになってきたわけだ。auとしては、ムービーメールを全ラインアップに拡大していくつもりで、すでにA1301SとA1302SAの2モデルが市場に投入されている。

 また、カメラ付きケータイは国内をはじめ、大半のメーカーが端末を開発しているが、国内市場ではソニー・エリクソン製端末を期待する声が数多く聞かれた。「CCDやCMOSイメージセンサなどのデバイスを持ち、AV機器にも多くのノウハウを持つソニーがなぜカメラ付きケータイに進出しないのか」という声だ。今回のA1301Sはようやくその声に応えることができる『ソニー・エリクソン初のカメラ付きケータイ』ということになる。もちろん、ソニー・エリクソン製端末のアイデンティティとも言える「着せかえコンセプト」も継承されており、なかなか魅力的な端末に仕上がっている。これらのことを踏まえながら、実機の出来をチェックしてみよう。


デュアルで着せかえを実現

ボディはC1002Sの流れをくむデザイン。着せかえコンセプトは継承したが、パネルはまったくの新設計
 製品のスペックや細かい仕様については、auソニー・エリクソンの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が試用した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディはここ数年のソニー・エリクソン製端末の特長でもある「着せかえコンセプト」が継承されている。従来の着せかえケータイは液晶ディスプレイ背面側のパネルを交換する形が取られていたが、今回はテンキー部背面のバッテリーカバー部も着せ替えられる「デュアル着せかえ」となっているのが特長だ。過去に登場した着せかえケータイとパネルの互換性はないが、両面を着せ替えられるようになったことで、より個性を主張しやすくなっている。デュアル着せかえというコンセプトは最近のケータイの構造から考えれば、比較的自然な進化と言えるが、今回も各ボディカラーごとに、3種類のパネルをパッケージに同梱している。別売のオプションパネルも現時点で10種類がラインアップされ、その他にカスタマイズ用のクリアパネルも販売されている。これだけ環境が整っていれば、カスタマイズ派も十分満足できそうだ。


背面のバッテリーカバー部も着せかえが可能。前面のパネルと同じ感覚で着せ替えられる オプションパネルもA1301S用が販売される。今回はクロコ調が目立ちアイテム

VAIO C1シリーズの名称を受け継いだ「MOTION EYE」は、レンズ部の左右にライトを備える
 ボディの構造は一昨年に登場したC1002Sを彷彿させるデザインで、ヒンジ部中央には「MOTION EYE」と呼ばれる31万画素CMOSイメージセンサによるカメラを内蔵している。MOTION EYEというネーミングは、パソコンのVAIO C1シリーズで採用されていたものだが、A1301SのMOTION EYEもVAIO C1シリーズのものと同じ印象のデザインにまとめられている。MOTION EYEは前後に290度回転する構造になっており、テンキー側に回転させると、レンズ部が本体側に格納することが可能だ。折りたたんだ状態のボディは比較的コンパクトにまとめられているが、やや厚みがあり、ポケットに入れたときは少しかさばりそうな印象だ。

 ボタンはソニー・エリクソン製端末でおなじみのセンタージョグを備え、左に[メール]ボタン、右に[ez]ボタンを配している。テンキー部下には[マナー]ボタンと[メモ]ボタンを備え、[メモ]ボタンはカメラ起動時のフォトライトの点灯ボタンとしても使える。右側面にはカメラモード時に利用するシャッターボタンなどが備えられている。

 液晶ディスプレイは120×160ドット/65,536色表示が可能な約2インチのTFTカラー液晶を採用する。「クイックディスプレイ」と呼ばれる背面側のディスプレイはカメラ部が290度回転することもあり、シンプルなモノクロ液晶が採用されており、日付や時間、キャラクター表示などが可能になっている。


ボタン類のレイアウトはソニー・エリクソンおなじみのセンタージョグによるスタイル 右側面に備えられたボタンは、上がカメラモードの起動、下はシャッターなどに利用できる

周囲への気配りが感じられるカメラ機能

メニュー構造は従来のソニー・エリクソン製端末と同じ。操作性もまったく同じで、項目はあまり増えていない
 一方、機能面については、基本的に従来のソニー・エリクソン製端末のものを踏襲している。今やおなじみとなった予測変換の「POBox」とセンタージョグによる「スピードメーラー」、ソニー・エリクソンのケータイサイト「SonyEricsson@ez」から入手できる「ダウンロード辞書」など、メール作成をはじめとする日本語入力環境はトップクラスの出来だ。メールは従来通り、フォルダ管理が可能だが、振り分けのキーワードはメールアドレスのみとなっている。

 次にカメラ周りの機能だが、MOTION EYEの構造が非常にユニークだ。MOTION EYEは前述の通り、前後に290度回転する構造になっているが、レンズ部の左右にはフォトライトが装備されている。カメラを起動すると、いきなりライトが点灯するが、これは基本的に被写体を照らすためのものではない。被写体を照らすためのフォトライトは、[機能]メニューからの切り替え、もしくは[メモ]ボタンを操作することで、通常点灯時よりももう一段、明るく点灯するしくみになっている。つまり、カメラ起動時のライト点灯は、「今、撮影していますよ」ということを周囲に示すために点灯し、光量のためのフォトライトは操作が必要になるわけだ。カメラ付きケータイが普及してきたことで、最近では盗撮や盗撮疑惑、周囲に対する無用なストレスが問題になりつつあるが、A1301Sのカメラ起動時のライト点灯やレンズ部を本体側に格納できる機構は、周囲との調和を図ろうとするソニー・エリクソン流の解決策というわけだ。なかなかスマートな取り組みで、非常に好感が持てるものだ。ちなみに、カメラ起動時に本体を閉じると、カメラモードも自動的に終了するため、いわゆる「閉じたまま撮影」はできないしくみだ。

 MOTION EYEでは他のau端末とほぼ同様、120×160ドットの「ケータイモード」と480×640ドットの「PCモード」の2種類の静止画が撮影できるが、ムービーについては一般的な96×80ドットの「S(メール用)」サイズに加え、128×96ドットの「M(メール用)」サイズの撮影にも対応する。サイズの切り替えは[機能]メニューからの操作で行なう。「M(メール用)」のムービーはA1301Sがはじめての対応ということになるが、再生可能な機種が限定される。ズームについては、PCモードで3段階のデジタル3倍、ケータイモードで4段階の8倍、動画撮影時は3段階の4倍ズームに対応し、明るさも9段階で調整が可能だ。ソニーらしさの一端とも言えるのがホワイトバランスで、AUTO、屋外、屋内、蛍光灯の4つから選んで設定でき、カメラモード起動時は[*]キーで切り替えが可能だ。

 また、撮影時に被写体の動きを確実に捉えるため、液晶ディスプレイの表示能力も大幅に向上させている。通常は10fps程度の表示しかできないが、A1301Sは「スムーズ・ビューワー」という機能が搭載されており、最大30fpsでの表示が可能だ。ムービーを撮影したときの保存も画像処理専用LSIでリアルタイムエンコードをすることにより、すぐに保存することができる。保存までの時間についてはアプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」を搭載したA5303Hと比べてもまったく遜色のないレベルと言っていいだろう。


ホワイトバランスはプリセットされている4種類から選ぶことが可能 撮影した画像は静止画、ムービーともにサムネイル表示が可能

 画像編集機能としては15種類のフレーム、4種類のエフェクト、46種類のスタンプ、日付スタンプ、テキストの追加、回転、サイズ変更などの機能が用意されている。ただし、VGAサイズで撮影した場合はサイズ変更などの機能が利用できない。せっかくVGAサイズで撮影しても他に活用できないのは、ちょっと不満が残る。

 A1301Sのもうひとつの特長と言えるのが「フォトミキサー」だ。これはあらかじめ用意されているストーリー仕立てのアニメーションに、撮影した画像を組み合わせることで、ショートアニメーションを作成できる機能だ。A1301Sには標準で10パターンが搭載されており、「SonyEricsson@ez」からもアニメーションデータを追加ダウンロードすることが可能だ。作成したアニメーションはメールに添付して送ることができるが、今のところ、このアニメーションをサイできるのはA1301S、A1302SA、A5304Tの3機種しかなく、パソコン上でも再生することができない。おそらく、今後登場するauの端末では標準でサポートされることになるのだろうが、すでにムービーケータイが数機種登場していることを考慮すれば、端末の機能やASPサービスを利用し、ezmovieの形式に変換するなどのサービスを提供して欲しいところだ。非常に面白い機能なので、auにはぜひ何らかの対処を期待したい。ちなみに、パソコン上で再生ができないため、本稿にはサンプルを掲載しないが、筆者が出演しているimpressTVの番組「ケータイならオレに聞け」の3月25日放送分でも紹介しているので、そちらを参照していただきたい。


フレームにはイラスト部がこんなに大きなものも用意されている(リンク先画像は無加工) Mサイズムービーで撮影したが、端末を立てて持ったため、ムービーは90度傾いてしまう。静止画と違い、回転できないので、意外に困る。サンプルムービーはこちら(amc形式)

室内で撮影したVGAサイズのサンプル。曇天だったが、問題なく、撮れている。(モデル:榊原可緒里/スーパーウイング所属。リンク先画像は無加工)

フォトミキサーで遊びたいなら「買い」

 さて、最後にA1301Sの「買い」について診断してみよう。国内のケータイ市場で高い人気を得ているソニー・エリクソンが満を持して投入したA1301Sは、多くのユーザーの期待に応えるだけの魅力を持ち合わせている。デュアルに進化した着せかえコンセプトや周囲の環境にも配慮できるカメラ機能「MOTION EYE」、そしてカメラ付きケータイで撮った画像を活かせる「フォトミキサー」など、かなり内容の濃い楽しめる端末として仕上げられている。特に、フォトミキサーはカメラ付きケータイの楽しさを拡げるものであり、再生できる環境が整えば、もっと面白い遊び方ができそうだ。全体的に見てもとてもエントリーモデルとは言えないほど、機能が盛り込まれており、かなりお買い得感の高い端末と言えるだろう。

 これらのことを総合すると、A1301Sを「買い」と言えるのは、「GPSケータイやezplusのように、難しそうなものはまだいらないが、カメラやムービーだけは試してみたい」ということになる。ラインアップ上はエントリーモデルだが、上位モデルに勝るとも劣らないムービーやカメラ機能は搭載されており、これは大きなアドバンテージだ。なかでもフォトミキサーは、個人的にもイチ押しの機能のひとつであり、ぜひ一度は遊んでみて欲しい機能だ。店頭でどれだけ試せるのかは販売店によって違うだろうが、フォトミキサーは見ておいて損のない機能と言えるだろう。



URL
  A1301S ニュースリリース(au/KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/kako/2003/0227/
  A1301S 製品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/a1301s/
  A1301S ニュースリリース(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/company/press/20030227_a1301s.html
  A1301S 製品情報(ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/a1301s/

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(法林岳之)
2003/04/11 13:51

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