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デジカメ並みのスペックで進化したヨコ撮りケータイ「D505iS」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2003年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


505iSシリーズ第1弾

 今年春に公開され、5月以降、順次、販売が開始されてきたNTTドコモの505iシリーズ。その後継となる505iSシリーズが早くも発表され、その第1弾となるD505iSが発売された。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。


505iSシリーズと505iシリーズの違い

505iSシリーズ

NTTドコモ/三菱電機『D505iS』。サイズ:49×106×26mm(折りたたみ時)、113g。エアリーホワイト(写真)、スカイグレー、トワイライトブルーをラインアップ
 昨年からカメラ付きケータイをラインアップに加えたNTTドコモは、昨年末から主力モデルの50Xiシリーズにカメラ付きケータイを投入し、今年春にはメガピクセル級のカメラ付きケータイ4機種を含む「505iシリーズ」を投入している。

 その後継シリーズとなるのが10月から販売が開始されている「505iSシリーズ」だ。505iシリーズが開発の公開から約4カ月に渡り、順次、発売されることになったため、市場には「もう505iSシリーズなの?」という声も少なくない。新しい機能や技術が投入された端末が登場することはユーザーとしてもうれしい限りだが、しばらくの間、併売するとは言え、前シリーズの全モデルが発売されてから、わずか2カ月で後継シリーズが出てしまうという展開も今ひとつ納得できない。

 発売の間隔は少し短くなってしまったが、505iシリーズと505iSシリーズはどこが違うのだろうか。NTTドコモから公開された共通仕様を中心に紹介しよう。まず、従来の505iシリーズは前述のように、6機種中4機種がメガピクセル級のカメラ付きケータイだったが、今回の505iSシリーズでは全5機種がメガピクセル級のカメラ付きケータイとなっている。ちなみに、富士通製端末のFシリーズについては、505iSシリーズが発売されるか否かの正式なアナウンスはない。

 次に、SH505iやF505i、SH252iでサポートされている「バーコード認識機能」が標準搭載となっている。バーコードはJANコードとQRコードに対応している。読み取ったデータから電話帳に登録したり、サイトへの接続、ブックマークへの登録、メロディや画像の保存、文字のコピーなどが可能だ。ただし、著作権が保護されたメロディや画像については、バーコード認識機能で受け渡しすることはできない。この点は赤外線通信機能と同じだ。

 3つめは、機能設定などを行なうメニュー画面のアイコンをカスタマイズできる「メニューアイコンダウンロード」に対応した点だ。メニューアイコンのカスタマイズは、すでに一部の機種で実現されている機能だが、これを共通仕様として取り入れたのは端末のパーソナライズ化というニーズにもマッチする。

 また、252iシリーズで導入されている「チャットメール」にも対応している。チャットメールは最大10人での文字によるコミュニケーションが可能だが、対象となるのは252iシリーズと505iSシリーズに限られている。

 さらに、これも一部の機種で実現されている機能だが、全機種とも音声付き動画の録画・再生に対応している。PDCデジタル方式は通信料が高いため、FOMAのiモーションメールやauのムービーメールのような使い方はできないが、動画が撮影できることで、新しいケータイのニーズが生まれる可能性もありそうだ。ちなみに、保存メディアは従来の505iシリーズ同様、全機種がメモリカードスロットを搭載しており、miniSDメモリカードやメモリースティックDuoに対応する。


 今回紹介する三菱電機製端末「D505iS」は、こうした特長を持つ505iSシリーズの第1弾端末として登場したモデルだ。従来のD505iは、デジタルカメラで高い人気を得ている富士写真フイルムのFinePixシリーズに登載されているハニカムCCDを採用し、ヨコ撮りスタイルを強く打ち出すことにより、デジタルカメラに近いカメラ付きケータイを実現した端末だ。今回のD505iSはそのコンセプトを推し進め、ヨコ撮りスタイルでの実用性やカメラ部分の性能を追求した製品として仕上げられている。従来のD505iとの比較も交えながら、実機でその出来をチェックしてみよう。


D505iのヨコ撮りスタイル向けデザインを継承

ボディはD505i(左)と基本的に同じデザインを採用。背面側の処理などが異なる
 製品のスペックや細かい仕様については、NTTドコモ三菱電機の製品情報ページ「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディは従来のD505i同様、ヨコ撮りスタイルを意識した折りたたみボディを採用している。ヒンジ部分には「SPINEYE」と呼ばれるカメラユニットを内蔵し、開いた状態で自分撮り、閉じた状態でデジタルカメラのようなヨコ撮りを可能にしている。ボディサイズなどもほぼ共通だが、左側面のイヤホンマイク端子が平型コネクタに変更され、先端に装備されていた赤外線通信ポートも若干、サイズが変更されている。また、本体を閉じたときのヒンジ側には、接写切替スイッチが装備されている。その他は側面のボタン類やデザイン処理が異なる程度だ。


メモリカードはメモリースティックDuoを採用。スロットの形状などもほぼ同じ ヒンジ側には接写切替スイッチが装備されている。スライド式なので、操作はしやすい

 ディスプレイはメイン側が240×320ドット/262,144色表示が可能な2.2インチTFDカラー液晶、「インスピレーションウィンドウ」と呼ばれる背面側が120×160ドット/65,536色表示が可能な1.1インチTFDカラー液晶を採用する。これについても従来のD505iとまったくの同スペックとなっており、表示フォントのサイズなども変わりない。


メインディスプレイはQVGAサイズの表示が可能なTFDカラー液晶を採用 サブディスプレイは120×160ドット表示が可能なTFDカラー液晶を採用

 ボタン類はデザインが若干、変更されている。中央には方向キーと決定ボタンを組み合わせた「イージーセレクタープラス」、左右上に場面ごとに機能が変わるソフトキー、左下に[メール]ボタン、右下に[iモード/iアプリ]ボタンをレイアウトしている。D505iではイージーセレクタープラスと周囲の4つのボタンが丸型のデザインを採用していたが、D505iSでは周囲の4つのボタンがイージーセレクタープラスに沿った菱形のデザインに変更されている。好みの問題はあるだろうが、操作性はD505iSの方が良さそうだ。ソフトキーは待受時に、左上が[メニュー]、右上が[ジャンプ]メニューを割り当てている。ジャンプメニューはユーザーがよく使うメニュー項目を登録するためのものだ。基本的には従来と変わらない操作性を実現しているが、個人的に馴染みにくかったのは中央の決定ボタンによる電話帳呼び出しだ。「ケータイ新製品SHOW CASE」でも指摘されているが、最近の端末では中央の決定ボタンでメニューを呼び出すものが多い。決定ボタンでの電話帳呼び出しは最近のDシリーズで共通した仕様のようだが、他機種から移行するユーザーは少し注意した方がいいだろう。

 また、側面に装備されている[サイド]ボタンは数こそ同じ2つだが、長い方の[サイド]ボタンがシーソー式になり、静止画と動画撮影モードの起動、ズームイン・ズームアウトなどの機能が利用できるようになっている。後述する閉じた状態でのカメラの設定変更にも使うため、従来よりは利用頻度が高くなっている。


ボタン類はソフトキーなどのデザインが変更されている ボタン類はソフトキーなどのデザインが変更されている

メニューアイコンダウンロードは面白いが……

新たに追加された「絵文字ことば」。端末に標準搭載されるまで認知されたということなのか……
 続いて、機能面について見てみよう。ほとんどの機能はD505iから継承しているため、あまり大きな違いはない。たとえば、メールはフォルダ管理や自動振り分けに対応し、自動振り分けもグループやキーワードによる振り分けが可能だ。

 実際に使ってみて、もっとも違いが感じられたのは、メール機能そのものより、日本語入力の強化と絵文字ことばの追加だ。Dシリーズは従来からATOKを採用しているが、D505iSではAI学習が追加され、AI変換の変換結果履歴を学習できる。単語間の組み合わせも学習するため、一度、正しい変換をすれば、次回の変換からも同じように変換してくれるというわけだ。絵文字ことばはiモードの絵文字を組み合わせ、言葉を表現するもので、最近の若年層のユーザーが好んで利用している。D505iSではこれをあらかじめ登録しておき、簡単に入力できるようにしたわけだ。ただ、iモード絵文字は基本的にiモード端末同士のメールにしか使えないので、実際の利用では十分に注意する必要があるだろう。

 機能面でもうひとつ違いがあるのは、505iSシリーズからサポートされた「メニューアイコンダウンロード」によるメニューアイコンのカスタマイズだ。三菱電機のiモード公式サイト「My D-style」でアイコンが公開されていたので、早速、ダウンロードしてカスタマイズしてみたのだが、意外に作業に手間が掛かる。というのもメニューアイコンのカスタマイズは、メニューにダウンロードした画像を貼り付ける仕様のため、セットで公開されている画像も1つずつダウンロードし、1つずつメニューに貼り付けなければならない。メニューアイコンカスタマイズはすでに他機種でも実現されている機能だが、多くは一括して、メニューアイコンを変更できるようにしている。開発メーカーごとに、いろいろと仕様が異なるiモードらしい実現方法だが、もう少しユーザーの手間も考えて欲しかったところだ。


標準のメニュー画面。デザインはD505iと共通 三菱電機の公式サイト「My D-style」からダウンロードしたアイコンに変更

スーパーCCDハニカムIV HRによるカメラを搭載

イージーセレクタープラスの上方向を押すと、カメラメニューが表示される
 今ひとつ大きな変化が見られない機能面に対し、カメラ機能は一段と強化されている。まず、カメラの心臓部であるCCDは、D505iに引き続き、富士写真フイルム製のハニカムCCDを搭載しているが、D505iSのCCDはFinePix F410に搭載されているものと同じ世代の「スーパーCCDハニカムIV HR」を採用している。有効画素数が100万画素、最大記録画素数が200万画素となっており、性能的には従来モデルの約2倍近いレベルに引き上げている。レンズもガラスレンズ1枚とプラスチックレンズ2枚で構成されるFUJINONレンズを採用し、CCDから出力された映像信号を加工する画像処理エンジン「COLORIX」も新たに搭載している。ちなみに、COLORIXにはAE(自動露出)/自動ホワイトバランスエンジン、画像エフェクトエンジン、高速ハードウェアJPEGエンジンなどが組み込まれており、CCDの性能を最大限に引き出せるようにしている。

 撮影できるサイズは、1,224×1,632ドットの「2Mピクセル」、1,200×1,600ドットの「UXGA」、960×1,280ドットの「SXGA」、480×640ドットの「VGA」、240×320ドットの「壁紙」、288×352ドットの「iショット(L)」、120×120ドットの「iショット(S)」の7種類に対応する。ただし、これらのうち、SXGA以上のサイズはメモリースティックDuoにしか保存できない。端末を閉じた状態と開いた状態で、撮影サイズを個別に設定したり、連動設定にできる点は、D505iと共通仕様だ。


レンズはFUJINONレンズを採用。レンズ部横にもロゴがしっかりと表示されている 本体を閉じると、SPIN EYEが背面側に向く。カメラ部横はコンパクトライト

 撮影時の機能は相変わらず豊富なのだが、D505iSではD505iで好評を得た「撮影モード」を22種類にまで拡大している。撮影モードは撮影する場所や被写体、シチュエーションに合わせ、カメラの感度や色合い、シャッター速度などをあらかじめ設定してある最適な設定に変更するもので、ビギナーならずとも非常に便利な機能だ。特に、「逆光補正」や「スポット測光」、「美白」、「夜景」、「トワイライト」などのモードは、なかなか実用的と言えそうだ。

 また、D505iSではカメラ設定の範囲を制限した「シンプルモード」と「プロフェッショナルモード」という2つのモードを用意している。シンプルモードでは設定項目を「ズーム」「セルフタイマー」「コンパクトライト」に限っており、「明るさ」「コントラスト」「シャープネス」「ホワイトバランス」はプロフェッショナルモードのみで利用することが可能だ。シンプルモードでは、説明文章とサンプル写真から構成される「ビジュアル・ガイダンス」を表示するなどの工夫も見られる。設定項目を少なくして、初心者にもわかりやすくしようという配慮だ。

 その他の撮影時の機能としては、最大20倍のリニアズーム、フレーム撮影、5秒と10秒から選択できるセルフタイマー、マニュアルとオートが選べる最大20枚の連続撮影などの機能が用意されている。

 撮影スタイルは従来通り、端末を閉じて「ヨコ撮り」、端末を開いて「自分撮り」を踏襲している。D505iではヨコ撮りスタイルで利用するとき、カメラの設定を変更するのに、その都度、端末を開かなければならないという使いにくさがあったが、D505iSでは閉じた状態で背面ボタンを押すとメニューが表示され、設定値を確認したり、撮影モードなどを変更することができる。もちろん、この背面ディスプレイに表示される設定メニューもプロフェッショナルモードとシンプルモードで内容が異なる。ただ、惜しむらくはヨコ撮りスタイルで撮影をするとき、ファインダーの状態で何も情報が表示されないため、ヒンジ側の切替スイッチが接写側になっていて、撮影した画像を見たら、ボケボケだったということが起きてしまう。撮影モードなどは表示しなくてもいいだろうが、接写切り替えスイッチがどちらになっているのかはファインダー内に表示して欲しいところだ。


合計22種類もの撮影モードを用意。シンプルモードでは画面上にガイダンスも標示される カメラの設定メニューはタブによる切り替えの3画面構成になった

背面ディスプレイでもカメラモードを選択することができる 設定状態も背面ディスプレイで確認可能

 バーコードリーダーについては、端末を開いた状態でカメラメニューを表示し、バーコードリーダーを起動。端末を閉じて、ヒンジ側の接写切替スイッチを接写に切り替えて、シャッターを押して読み取ることになる。ただ、サイドボタンC(シャッター)の設定を変更することにより、端末を閉じた待受状態からサイドボタンCを長押しして、バーコードリーダーを起動することもできる。バーコードリーダーの利用頻度が高いユーザーは、こちらの設定に切り替えた方がいいだろう。ちなみに、実際にQRコードの読み取りを試したいユーザーは、筆者の「携帯電話向けホームページのご案内」をご覧いただきたい。

 撮影した画像は本体メモリ、もしくはメモリースティックDuoに自動的に保存され、画像閲覧はサムネイル形式での表示にも対応する。D505iではメニューの選ぶ項目によって、表示できる内容に違いがあったが、D505iSではメニュー内の[データBOX]、カメラメニューの[カメラ画像]のどちらでも本体メモリとメモリースティックDuoの画像を閲覧することができる。ただ、メモリースティックDuoに保存されている画像の読み出しはたいへん遅く、16MBの内、約14MBのデータが保存されたメモリースティックDuoの画像をサムネイル形式で表示するのに、50秒近く掛かってしまう。

 次に、カメラ付きケータイの必須条件とも言える画像編集機能はどうだろうか。D505iのレビューでも指摘したが、D505iSの画像編集は操作が煩雑な上、さまざまな利用上の制限があり、全体的にわかりにくい。まず、リサイズについてはUXGA以上のサイズで撮影した場合は、基本的に何もできない。せっかく2Mピクセルもの性能を持つカメラを搭載しながら、メモリカードに保存して、プリントにしか利用できないというのは、2Mピクセル級のカメラを搭載した意味がない。


505iSの共通仕様であるバーコードリーダーにも対応。接写での認識距離は6〜9cm程度が目安 撮影した画像はサムネイル表示が可能。ただし、メモリースティックDuoは読み込みの時間が非常に長い

2Mピクセルサイズのサンプル画像。東京モーターショーのポルシェブースで撮影(リンク先の画像は無加工) 2Mピクセルのサンプル画像。東京モーターショーのフォードブースで撮影(リンク先の画像は無加工)

 SXGA以下のサイズで撮影した画像については、D505iと同じように編集ができる。ただ、SXGAサイズの場合はサムネイル表示の画面で[画像編集コピー]を選び、画像を保存する前に[サブメニュー]から[詳細設定]を選んで[画像サイズ]を変更し、本体メモリーに保存するという手順を踏まなければならない。同様の手順でトリミング(切り抜き)もできるのだが、トリミングの枠の大きさが変わらないので、自由度はあまり高くない。さらに、D505iSはヨコ撮りスタイルを追求しているが、ヨコ撮りスタイルで撮影した横長画像を編集しても壁紙サイズの画像は上下に空白の空いたものしか作成できず、非常に不満が残る。

 メガピクセル級のカメラ付きケータイが登場したばかりの今年春なら、まだ我慢できるが、従来のD505i以降に発売された他機種で十分な画像編集機能が搭載されていることを考慮すると、D505iSの画像編集機能は貧弱と言わざるを得ない。特に、ヨコ撮りスタイルを追求しているにも関わらず、ヨコ撮りスタイルの制限をそのまま残しているのは、開発サイドの姿勢を疑いたくなる。もう少しカメラ付きケータイの基本的なニーズを満たしてから、ヨコ撮りスタイルを追求すべきではないだろうか。


VGAサイズでヨコ撮り。これを壁紙にしようとすると……。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属) 画像サイズを変更後、画像を回転させると、上下に空白が空いてしまう。ヨコ撮りで全画面の壁紙が作れないのは、かなり不満が残る

デジタルカメラ化の前にやるべきこと

SPINEYEでヨコ撮りスタイルを強く打ち出したD505iSだが、課題は数多く残されている
 最後に、D505iSの「買い」について診断してみよう。ヨコ撮りスタイルで、カメラ付きケータイの新しい進化を切り開いたD505i。その熟成モデルとして登場したD505iSは、従来モデルの仕様を継承しながら、細かい部分にいくつかの改善点が見られた。機能面ではDシリーズの定番となっているプライベートダイアリーも継承され、日本語入力のATOKもAI学習により、かなり強化されている。カメラ周りのスペックは通常のデジタルカメラに迫るものがあり、カメラ付きケータイとしては十分すぎるほどのレベルに達している。最新の他機種と比べて、足りない点があるとすれば、オートフォーカス機能がないことだろう。ただ、「撮る」ことに長けている半面、「見る」「加工する」ことは貧弱であり、カメラ付きケータイとしての基本的な要件を満たしていない。なかでもヨコ撮りスタイルから生まれる制限がD505iSでも残されていること、最大サイズで撮影した画像を何も加工できないことなど、端末としてのバランスにはやや疑問が残る。

 これらのことを総合すると、D505iSを「買い」と言えるのは、プライベートダイアリーなど、Dシリーズ特有の機能が気に入っているユーザー、撮影した画像を加工したり、メールでの送信や待受画面設定などを重視しないユーザーということになる。もちろん、小さいサイズで撮れば、メール送信や加工などもできるが、それなら無理に高価な2Mピクセルカメラを搭載した端末を選ぶ必要はない。仮に、デジタルカメラとしての性能優先で考えてもD505iSの実売価格である3万円も出せば、光学ズーム付きの300万画素クラスのデジタルカメラがラクに買え、サイズ優先でもD505iSよりコンパクトなデジタルカメラを選ぶことができる。これらのことを考慮すれば、Dシリーズ特有の機能を重視しない限り、他の505iSシリーズを選択肢に加え、十分に比較してから選んでも遅くはないはずだ。

 ヨコ撮りスタイルでデジタルカメラ化を目指すというDシリーズの姿勢は、なかなか興味深いものだ。しかし、どんなに高性能なカメラが搭載されてもケータイはケータイであり、カメラ付きケータイとしての基本的なニーズを満たすことが前提条件ではないだろうか。その上で、高性能なカメラを搭載し、高性能なカメラを搭載した端末でしかできない楽しみを作り出すというのが筋だろう。デジタルカメラ化の前に実現すべきことをきちんと実現し、本当の意味のヨコ撮りスタイルを追求した端末の登場を期待したい。



URL
  ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/03/whatnew1021.html
  製品情報(NTTドコモ)
  http://505i.nttdocomo.co.jp/product/d505is/lite_index.html
  製品情報(三菱電機)
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/mobile/mova/d505is/

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Act.6 「そのメガピクセルは何のため?」


(法林岳之)
2003/11/11 13:53

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