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2メガピクセル&AF搭載で撮る楽しさを考えた「A5403CA」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


2メガピクセルケータイ見参!

 auのカメラ付きケータイで常にリードを続けるカシオ製端末。昨年末にはついに2メガピクセルカメラにオートフォーカス機構を組み合わせた「A5403CA」が発売された。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。


カメラ付きケータイのジレンマ

A5403CA

 au/カシオ計算機『A5403CA』。サイズ:52×102×26mm(折りたたみ時)、121g。スパークオレンジ(写真)、シルバーミスト、グラナイトブラックをラインアップ
 2000年にカメラ付きケータイが登場してから早3年以上が過ぎ、昨年にはデジタルカメラに迫る100万画素カメラを搭載したカメラ付きケータイが各社から発売された。今や、カメラの付いていないケータイが珍しいくらいの普及ぶりだ。

 過去の記事でも触れてきたように、カメラ付きケータイは元々、待受画面やメールに添付して送信することを目的として進化してきた。しかし、昨年のメガピクセルケータイの登場で若干、方向性が変わり、デジタルカメラ的な要素を積極的に取り込んだ端末も増えてきている。ただ、実際にメガピクセル級のカメラ付きケータイで写真を撮ってみると、なかなかデジタルカメラのように撮れないこともわかる。なぜなら、デジタルカメラとカメラ付きケータイでは構造的に異なる点があるからだ。

 デジタルカメラとカメラ付きケータイの構造的な違いはいくつもある。たとえば、レンズの明るさやCCDの大きさなどが挙げられるが、その他にもピントを合わせるフォーカスの機構が異なることも挙げられる。多くのデジタルカメラは自動的にピントを合わせるオートフォーカスを搭載しているのに対し、カメラ付きケータイはパンフォーカスを採用する製品ばかりだった。パンフォーカスは被写界深度を利用し、○~○メートルといった具合いに、ある一定の範囲にピントが合ったように撮影する。そのため、カメラ付きケータイで人物などを撮影すると、デジタルカメラと違って、今ひとつクッキリ感に欠ける写真になってしまうことがある。

 今回紹介するauのカシオ製端末「A5403CA」は、auのカメラ付きケータイとしては初となるオートフォーカス(AF)機構を搭載している。カメラ付きケータイのAF機構についてはほぼ同時期に、NTTドコモからシャープ製端末「SH505iS」、パナソニック製「P505iS」、ボーダフォンからシャープ製端末「V601SH」がリリースされ、その後も数機種が発売されている。発表ベースではA5403CAが初となるが、出荷はP505iSが先になったため、実質的にはこの4台が「カメラ付きケータイ初のAF搭載端末」ということになるだろうか。また、A5403CAはカメラ部に200万画素CCDを採用しており、この点についても前述のSH505iSとV601SHとほぼ同等のスペックを実現している。事業者は異なるが、カメラ付きケータイとしてのスペックは、やはり、この3製品が群を抜いていると言えるだろう。

 カシオ製端末と言えば、cdmaOne時代に同社の腕時計「G-SHOCK」をモチーフにした「G-SHOCKケータイ」が人気を集めたが、CDMA2000 1x対応端末の第1弾として登場した「A3012CA」以降、すっかりカメラに強い端末メーカーとして定着している。しかし、ただ単にカメラを売りにするだけでなく、使い勝手の面でも改良が加えられており、「素直に使える端末」という評価も得ている。実機を見ながら、今回の端末の出来をチェックしてみよう。


200万画素CCD&AFカメラ搭載

 製品のスペックや細かい仕様については、auとカシオの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディだが、従来のA5401CAがやや直線的なデザインを採用していたのに対し、A5403CAは曲線を活かした柔らかなデザインを採用している。A3012CA、A5302CA、A5401CAはデザイン的にも連続性があったが、A5403CAは少し方向性を変えたようだ。本体背面には前述の通り、200万画素CCDによるカメラを搭載しているが、従来のシリーズがほぼ中央にカメラ部が備えられていたのに対し、A5403CAはライト部とともに少しオフセットされた位置に装備されている。トップ部分のLEDはauのロゴがプリントされたものになり、全体的な仕上りも高級感が増した印象だ。ヒンジ部の背面側にはminiSDメモリーカードスロットが備えられている。外部接続端子のカバーは従来同様、ボディと同系色で仕上げられている。

 テンキー部の背面側には卓上ホルダ(クレードル充電台)と接続するための端子も備えている。すでに、スタパ齋藤氏の連載でも紹介されているが、A5403CAは卓上ホルダがPDAのクレードルのようになっており、USBポートでパソコンと接続することが可能だ。そのため、端末をクレードル充電台にセットするだけで、カメラで撮影した画像をパソコンに転送することができる。テンキー部背面に備えられている小さな5つの端子はそのためのものだ。


本体背面 テンキー部背面
 本体背面には液晶ディスプレイ、カメラ、ライトを備える。ヒンジに装備されたアンテナの先端は半透明  テンキー部背面側には卓上ホルダと接続する端子を備える

 ディスプレイはメイン側が240×320ドット/1,568万色相当の表示が可能な2.2インチCrystalFine液晶、背面側が72×96ドット/1,568万色相当の表示が可能な1.1インチCrystalFine液晶をそれぞれ採用する。A5401CAやバージョンアップモデルとして登場したA5401CA IIはスペック的に十分なのだが、QVGAサイズの液晶ディスプレイではないことが不満だった。A5403CAではその点も改良されたということになる。


メインディスプレイ サブディスプレイ
 ディスプレイはQVGAサイズの表示が可能なCrystalFine液晶を搭載。フォントはQVGAに合わせた見やすいものを採用しているが、やや太めの印象  背面ディスプレイもCrystalFine液晶を搭載。壁紙も表示させることが可能

 ボタン類は従来モデルのレイアウトを踏襲しながら、若干、デザインを変更している。中央上にカーソルキー&センターキー、左上に[カメラ]キー、右上に[アドレス帳]キー、右下に[EZ]キー、左下に[メール]キーが配されており、[通話]キーと[終了(電源)]キーの間に[メモ/クリア]キーをレイアウトしている。[EZ]キーと[メール]キーが独特の1/4円形デザインを採用しているが、キートップの面積そのものは大きいので、操作性にはあまり違和感はない。右側面には2つのサイドキーを備え、マナーモードへの切替やカメラ撮影時にシャッターとして利用できるようにしている。

 全体的に見て、従来のA5401CAやA5401CA IIの良さを継承しながら、デザインのテイストを変えながら、イメージを一新した端末だ。ボディそのものの幅が広くなったが、持ったときの印象はそれほど大きさを感じさせず、使いやすさも損なわれていない。


キーレイアウト 側面
 ボタン類はA5401CAのレイアウトを踏襲したが、キートップの形状が大きく異なる。[メール]キーと[EZ]キーは独特  側面にはマナーモードへの切替などに利用するサイドキーを装備

カスタマイズ可能なメニューアイコン

 次に、機能面について見てみよう。まず、メニューは従来同様、12分割のアイコン表示を採用しており、ユーザーの好みに合わせてアイコンをカスタマイズできる「お好みアイコン」も継承されている。お好みアイコンの制作方法はauのホームページで公開されているほか、カシオの公式サイト「CA'zCAFE」でも追加アイコンが配布されている。さらに、A5403CAにプリインストールされているEZアプリ「Photo Effecterアイコンメーカー」を利用すれば、オリジナルのアイコンを作成することもできる(有料)。


メニュー ダウンロードアイコン
 出荷時にインストールされているアイコンのひとつ。カーソルの合った場所の花が開くという凝った作りだ  CA'zCAFEからダウンロードしたアイコンのひとつ。クルマのショールームをモチーフにした内容で、アイコンもクルマになっている

 メールはフォルダによる管理に対応し、メールアドレス、件名、アドレス帳グループによる自動振り分けにも対応する。受信メールに対し、返信や転送時のアイコン付加、送信メールでアドレス入力時の送信履歴参照、画像付きメール送信時のフォトメール便へのアドレス変換など、細かい部分にも配慮が行き届いている。従来モデルで好評を得たウィザード形式の「かんたんメールレシピ」も改良されている。従来ではフォトメールやムービーメールをかんたんメールレシピで作成するとき、その都度、撮影する必要があったが、A5403CAでは本体メモリー側のフォトフォルダから画像を選べるようにしている。ただ、後述するように、VGA以上のサイズで撮影した場合はminiSDメモリーカードに画像が保存されるため、事前にminiSDメモリーカードから本体メモリーのフォトフォルダに画像をコピーしておく必要がある。

 また、A5403CAではフォルダで管理しているメールフォルダとユーザーフォルダにおいて、特定のフォルダをロックフォルダに設定して、ロックナンバーを入力しないと参照できないようにしている。フォルダの存在を隠す機能はないが、プライバシーを重視したいユーザーには便利な機能だろう。


メールフォルダ フォトメール便
 メールはフォルダ管理に対応。フォルダ単位でロックを掛けることもできる  他事業者宛のメールも「フォトメール便」を選択すれば、メールアドレスを自動的に変換してくれる

入力モード

 漢字入力モード時、[5][7][7][7]と入力し、英数字変換を行なうと、「JR」や「57」などが変換候補に表示される
 日本語入力はAI変換の「ATOK for au」に予測変換機能の「APOT」を組み合わせており、絵文字などへの変換、ダウンロード辞書にも対応する。ダウンロード辞書は「CA'zCAFE」で配布されているが、「ご当地辞書」や「50音人名辞典」、「スポーツ用語辞典」、「首都圏・京阪神ランドマーク辞書」など、非常に種類が豊富だ。また、ケータイでの文字入力では「漢字」や「カナ」、「英字」、「数字」などの文字種切替が面倒だが、A5403CAではユニークな英数字変換機能を採用している。たとえば、通常の漢字入力モード時、[5][7][7][7]と入力すると、画面には「なむ」と表示される。この状態で[カメラ]キーを押すと、英字モードで[5][7][7][7]と入力したときに表示される候補「JR」や「jr」が表示される。つまり、漢字入力モードの状態でも入力モードを切り替えることなく、英数字が簡単に入力できるというわけだ。この他にも[#]で絵文字や記号入力パレットを呼び出したり、過去に入力した絵文字や記号を学習して、最上段に表示するなど、入力しやすい環境を整えている。


 待受画面にもちょっとした工夫が見られる。待受画面に撮影した画像などを壁紙として貼れるのは今や当たり前だが、A5403CAではこれに重ね合わせて表示する情報を「カレンダー」「日付」「アナログ(時計)」「デジタル(時計)」などから選べるようにしている。これらの内、非常に便利なのがカレンダーだ。重ねて表示する情報をカレンダーに設定すると、待受画面にカレンダーが表示されるが、この状態でカーソルキーの上方向を押すと、簡単にカレンダー参照モードに移行し、上下キーで月を変更することができる。さらに、ここでセンターキーを押せば、スケジュール帳モードに入り、入力したスケジュールを参照したり、新規に情報を登録することが可能だ。


カレンダー 切り替え
 待受画面にカレンダーを表示するようにしておくと、待受画面で上方向を押すだけでカレンダーに切替が可能  カレンダーに切り替えた状態でセンターキーを押せば、スケジュール画面に移行。スケジュール帳は祝日にも対応

ショートカット

 待受画面で下方向を押せば、待受ショートカットに切替が可能。出荷時には電波OFFモードなどが設定されている
 一方、待受画面で下方向を押すと、待受ショートカットを選択することができる。待受ショートカットはよく使う機能やEZアプリなどを登録しておくことができるショートカットで、ユーザーが自由に登録したり、並べ替えることもできる。ちなみに、出荷時設定の待受ショートカットには、A5403CAで新たに追加された「電波OFFモード」も設定されている。

 アプリケーションについては、最近のau端末で採用例が多いBREWではなく、EZアプリ(Java)に対応しており、アプリケーションプロセッサとして「SH-Mobile V」が搭載されている。そのため、位置情報サービスもEZナビウォークではなく、通常のEZナビ(eznavigation)対応となっているが、A5403CAにはEZナビウォークの測位方式「MS-based」に対応した「まっぷるガイド」がプリインストールされており、EZナビウォークに近い環境を実現している。


多彩な編集機能と便利なUSBクレードル充電台

カメラ

 AF付き200万画素カメラを搭載。A5401CAなどと違い、ライトとともに少しオフセットされた位置に装備されている

サブメニュー

 カメラの各機能を設定できるサブメニュー。しかし、ほとんどの機能はショートカットでも設定が可能
 続いて、A5403CAのセールスポイントのひとつであるAF機能を搭載した200万画素カメラについて見てみよう。A5403CAのAF機構はコントラストオートフォーカスと呼ばれる方式を採用しており、被写体のコントラストを元にピントを合わせるようにしている。多くのデジタルカメラでは赤外線などによる測距を行なっているため、デジタルカメラのAF機能とは若干、使い勝手が違うことを理解しておく必要があるだろう。

 撮影できる静止画サイズは1,600×1,200ドットの「UXGA」、1,280×960ドットの「SXGA」、640×480ドットの「VGA」、240×320ドットの「壁紙」、120×160ドットの「ケータイ」の5種類が基本で、この他に1,280×320ドットの「パノラマショット」、壁紙サイズで画面を上下に分割して撮影する「アップダウンショット」、画面を左右に分割して撮影する「カップリングショット」、最大9枚の撮影が可能な「連続撮影」が用意されている。連続撮影は撮影速度を「はやい」「普通」「おそい」「マニュアル」の4段階から選ぶことが可能だ。これらの撮影モードは[サブメニュー]から切り替えることができるが、カメラ起動時に[1]キーで順番に切り替えることもできる。

 撮影時の機能としては、最大10倍25段階の「ズーム」、11段階の調整ができる「明るさ」、太陽光や電球、オートなどから選べる「ホワイトバランス」、au端末ではおなじみの「GPS情報付加」、モノトーンやセピアが選べる「撮影効果」、1~10秒の範囲で設定できる「セルフタイマー」、ダウンロードしたデータも利用できる「フレーム」、ファインモードとノーマルモード、メールモードが選べる「フォト画質設定」などが用意されている。


撮影モード 録画モード
 撮影できるモードは8種類。VGA以上のサイズで撮影したときはminiSDメモリーカードに画像が保存される  ムービーは「S(メール)」「M(メール)」「L(ビデオ)」に対応。「L(ビデオ)」は2種類の録画モードが選択できる

 ただ、カメラの設定はなかなか難しいため、A5403CAにはシーンに合わせた撮影が可能な「ベストショット機能」が搭載されている。ベストショット機能はカシオのデジタルカメラに搭載され、たいへん好評を得ている機能で、A5403CAには肌色もきれいに撮れる「人物」、輪郭を強調して色鮮やかに撮影できる「風景」、夜景の光をきれいに撮影できる「夜景」、夕暮れ時の微妙な色合いを再現する「トワイライト」、食べ物や花などの撮影に適した「クローズアップ」の5つのモードが用意されている。明るさやホワイトバランスの調整をしなくてもベストショット機能で撮影すれば、それぞれのシーンに適した設定で撮影ができるというわけだ。ちなみに、カメラ起動時のベストショット機能の切替も[サブメニュー]に加え、[通話]キーをくり返し押すことで、順番に切り替えられるようにしている。また、これらのカメラ起動時のショートカットは、[0]キーを押すと表示されるので、迷ったときは[0]を押して参照するといいだろう。


ベストショット ヘルプ
 シーンに合わせた撮影が可能なベストショット機能を搭載。この状態で[説明]を押せば、各シーンの説明が見られる  カメラ起動時に[0]キーを押すと、ショートカットキーのヘルプが表示される

サンプル1

 屋外で撮影したUXGAサイズのサンプル画像。元画像をJPEG回転させている。リンク先は無加工。(モデル:寺崎佑紀サンタ・クローチェ所属)
 ところで、気になるAF機構を搭載したカメラの写り具合いだが、撮影するシーンによって、得手不得手があるという印象を受けた。特に、コントラストオートフォーカスの特長なのか、暗いところでのフォーカスを合わせる動作は苦手なように見受けられた。通常の人物撮影や接写などでは、AFの威力を発揮し、ピントの合った撮影が可能だ。しかし、フォーカスを合わせるための動作がややゆっくりしている印象で、シャッターを押してから、実際に撮影されるまでのタイムラグが少し気になる。撮影する側は両手で端末を持っていればいいが、被写体が人間の場合、フォーカスを合わせる動作のタイムラグに少し戸惑うことがある。ただ、この点はシャッター音を少し長めの音に設定することで、ある程度、回避することができる。また、景色などを撮るときは前述のベストショット機能を利用すれば、フォーカスを合わせる動作がなくなるため(「人物」と「クローズアップ」以外)、タイムラグは気にならなくなるはずだ。こうしたA5403CAのカメラ機能の使いこなしについては、本体のパッケージに拙著の「ちょっとできる2メガピクセルケータイ」が同梱されているので、ユーザーの方はそちらも合わせて、ご覧いただきたい。


サンプル2 サンプル3
 室内で撮影したUXGAサイズのサンプル画像。元画像をJPEG回転させている。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属)  暗めのレストラン内でキャンドルをクローズアップで撮影。しっかりピントも合っているようだ。リンク先は無加工

 撮影した画像は本体メモリー及びminiSDメモリーカードに保存され、サムネイル形式、またはリスト形式で閲覧することが可能だ。画像編集については、高い評価を得たA5401CAの機能を継承しており、最大サイズ(A5403CAではUXGA)で撮影した画像をその他のサイズに変換したり、横長で撮影した画像の特定部分を切り抜いてリサイズするといった使い方もできる。「フレーム」や「文字スタンプ」の追加といった基本的な画像編集機能も用意されているが、モザイクや残像などの「特殊効果」のように、今までのカメラ付きケータイにはなかった斬新な編集機能も搭載されている。これだけあれば、かなり凝った壁紙も作成することができるだろう。


サムネイル 編集
 撮影した画像はサムネイル表示が可能。カーソルの合った画像がどんなサイズで撮影されているのかもすぐに表示される  撮影した画像を編集したサンプル。本誌でもおなじみの平地レイちゃんのツーショット写真をベースに、モザイクと特殊効果のゆがみを加えて、『ちょっと怪しげな』ポスター風にアレンジ

 さて、A5403CAのもう1つのセールスポイントである「クレードル充電台」についても触れておこう。クレードル充電台はパソコンのUSBポートと接続が可能で、読み込みには同梱されている「MySync Photo2 体験版 for A5403CA」を利用する。USBポートは1.1以上に対応しており、ドライバはあらかじめ付属CD-ROMからインストールしておけば、自動的に「au A5403CA Serial Port」(Windows XPの場合)として認識される。正しく認識されると、タスクトレイの通知領域に「MySyncAutoRun」が常駐するようになり、端末をクレードル充電台に載せると、「MySync Photo2 体験版 for A5403CA」を自動的に起動し、データの転送が始まるという仕掛けだ。


デバイスマネージャ MySyncAutoRun
 Windows XPのデバイスマネージャでは「au A5403CA Serial Port」として認識される  正しくインストールされると、「MySyncAutoRun」が常駐。MySync Bizにも対応する

印刷

 パッケージに同梱されている「MySync Photo2 体験版 for A5403CA」。製品版に移行すれば、カレンダー印刷やシール印刷もできる
 カシオソフトではすでに「MySync Photo2」「MySync Biz」を販売しているが、「MySync Photo2 体験版 for A5403CA」と製品版の「MySync Photo2」では、端末で撮影したムービーの読み込み、カレンダー印刷、シール印刷が利用できない点などが異なる。製品版についてはカシオソフトのサイトなどで購入できるが、A5403CAのユーザーはUSBケーブルを別途購入する必要がないので(クレードル充電台が利用できる)、「MySync Photo2」は2,900円(ダウンロード版は2,000円)、「MySync Biz」は3,700円(ダウンロード版は2,700円)で購入できる。ちなみに、MySync Bizはデータフォルダとパソコンの間のデータ転送、Outlookとのシンクロなどができるもので、前述のMySyncAutoRunはMySync Bizにも対応しており、自動起動させることが可能だ。

 筆者はMySync Photo2とMySync Bizを購入し、クレードル充電台で利用しているが、Outlookとのスケジュールのシンクロも行なっており、ほとんどのスケジュールをA5403CAで管理している。PDAやパソコンの環境に比べれば、制約があるのは確かだが、常に手元にある端末にスケジュールが入力されている環境は非常に便利であり、前述の待受画面でのカレンダー表示と組み合わせれば、端末でのスケジュール参照も非常に簡単に使うことができ、たいへん重宝している。管理したいスケジュールの件数などにもよるが、極端に件数が多くないのであれば、A5403CAユーザーはMySync Bizを組み合わせたスケジュール管理を試す価値はあるだろう。

 A5403CAでパソコンと連携する環境について、1つ不満を挙げるとするなら、A5403CAの発着信履歴の関連付けが初期化されてしまうという点だ。通常、発着信履歴には電話番号が表示されるが、アドレス帳に登録されている電話番号の発着信であれば、氏名や社名などの登録内容が表示される。ところが、A5403CAの場合、アドレス帳を編集すると、発着信履歴の電話番号は保持されたままだが、関連付けが初期化されるようで、氏名や社名が表示されなくなってしまう。この問題は従来から指摘されていたが、今回はクレードル充電台により、今まで以上にアドレス帳を編集しやすい環境が整ったため、編集する頻度も増えるはずだ。発着信をくり返しているうちに、古いデータは消えていくものなので、実用上はそれほど問題ではないが、気になる点なので、ぜひ次期モデルでは改善してもらいたい。


カメラを存分に楽しみたいなら「買い」

 さて、最後にA5403CAの「買い」について考えてみよう。カメラ付きケータイをメガピクセル化する意味をハッキリさせ、各方面で高い評価を得た従来モデルのA5401CA。その後継モデルとして登場したA5403CAは、カメラ付きケータイ初のAF機能付き200万画素カメラを搭載し、スペック的にもさらなる進化を遂げている。AF機構の動作にはまだ改良の余地が残されているが、ツボにハマったときの画像は非常にクッキリと写る上、同社のデジタルカメラで培われたベストショット機能を組み合わせることで、初心者でも使いやすい環境を実現している。撮った画像の処理についても端末上の画像編集機能が非常に多彩な上、クレードル充電台を利用した自動読み出しにより、パソコンとの親和性も高めている。別売になるが、MySync Bizと組み合わせた環境で実現するスケジュール管理も非常に便利だ。

 これらの点を総合すると、A5403CAを買いと言えるのは、カメラ付きケータイを思う存分楽しみたいユーザー、パソコンとの連携を重視したいユーザーということになる。もちろん、この2つ以外の機能も使いやすく仕上げられており、素直なau端末が欲しいユーザーにもおすすめできる。現在のauのラインアップにおいて、高機能と使いやすさを最も上手にバランスさせた端末と言えるだろう。



URL
  ニュースリリース(au)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/1006/
  製品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/a5403ca/
  ニュースリリース(カシオ計算機)
  http://www.casio.co.jp/release/2003/a5403ca.html
  製品情報(カシオ計算機)
  http://www.casio.co.jp/k-tai/a5403ca/
  「MySync」ホームページ(カシオソフト)
  http://www.mysync.jp/

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(法林岳之)
2004/03/16 12:31

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